先日、患者さんに面白いと言われました。
私は子供の頃、自閉症であったようで、教室に入る事の出来ない子供でした。
(当時は解らなかったけれど、最近ネットで調べたら傾向が一致していた)
未だにそのきらいがあって、気の強そうな方が苦手です。
ギャルメイクとか、目つきが鋭い人や自己主張の強い人が苦手で、
未だにどう接すればいいのかわかりません。
なので、そのような人の前ではどうしても冷静であろうとして、スンとした雰囲気になります。
私は元々感情の起伏が激しくて、その感情が表に出ないように強く押し殺していた時期があります。
今は大分コントロールできるようになった方だとは思いますが、
急に感情がわっと湧いてくることがあるので、
それが出てこないように感情をなるべく「無」にしています。
先日、ギャルメイクをした方が診療にみえました。
私はどう対応したらいいかわからないので、とりあえず「無」の表情をしていました。
先生が来て、普通に会話をしていました。
本当に何気ない会話で、診療中ですので、特に感情を大きく表す必要もないので、
普通に相槌を打って返答をしました。
その時、その患者さんが急に笑ってきました。
「なんかいっつも会話聴いてると面白い」
と、言われました。私が「何が面白かったですか?」と聞くと、
「返事がクールなのにそうじゃない所が面白い」と言われました。
どういう事だろう??と思いましたが、
多分、最初の受け答えの返事の仕方が冷たいけど、その後に続く言葉がそうでもないんだと思います。
以前にも別の患者さんに同じように笑われる事があったのですが、やっと理由がわかりました。
私は普通に話しているのですが、笑われるのです。
毎回、馬鹿にしてくる感じではないので、そのままにしていました。
それでふと思い出しました。
子供の頃は「この人のようになりたい」と思う大人の人が何人かいました。
その一人の中に「おひょいさん(藤村俊二さん)」という方がいて、その人が大好きでした。
もう白髪のおじいさんの頃の姿しかわからないのですが、
ドラマではピシッとしたスーツ姿で演技をして、バラエティでもきちんとした上品な雰囲気を出して、
ゆっくりと丁寧な話し方をされる優しそうな方です。
でも、話す事がものすごく面白いのです。
面白い事を話した後「私は何かおかしなことを言いましたかな?」といった感じで、
表情も変えずに普通にしているのです。
私はそれを見た時「このような上品で賢くてとぼけた面白い人になりたいなぁ」と思いました。
昔はものすごく上品で穏やかなのにものすごく面白い事をお話しする人というのは何人かいたのです。
でも実際そのような人になるのは難しくて、その事はすっかり忘れていました。
それで今回、それを何となく思い出しました。
私の場合、面白い事を行った訳ではないのでちょっと違うのですが、雰囲気とのギャップが面白かったんでしょうね。
ただ、それを思い出した時に、子供の頃なりたかった雰囲気に、
少しだけでも近づけていたんだなと、
なんだか嬉しかったというお話です。
…そんな人になりたかった私は、ちょっと変わっていますかね?
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