量子力学という学問は古くからあるけれど、
①古典力学
②量子力学
の二つの学問に絞りたい。①と②の違いは何か。これは知っている人は多いだろう。
古典力学とは、ニュートンの法則(特に慣性の法則)で成り立っている。つまり、空気抵抗がない場所では止まっているものは止まる、動いているものは一定の速度でずっと動くというものだ。F=maという運動方程式を理解していれば良い。(F=力、m=質量、a=加速度)である。しかし、よく見ると不思議な式だ。質量と加速度を掛けたものがFになるという。(距離=速さ×時間ならば馴染みのある人もいるだろう)私自身、ニュートンの第二法則を高校の時に習ってその「たった4文字」がわからなかった。わからなくしている根源は何か、それはa=加速度である。果たして「加速度」とは何か?簡単にいうと、位置を2回時間微分したものであるが、ますますわからなくなる。「位置を時間で一回微分すると→速度、速度を時間でもう一回微分すると⇨加速度」である。
そこで、わかりやすく自転車を使って説明する。質量mとは「動きにくさ」の事である。また、加速度は自転車が止まっている状態から動き出してスピードが出るまでの勢いとイメージすれば良い。m=3Kgの時とm=100Kgの時とどちらのものを動かすのに力がいるだろうかと言った具合に。質量に、加速度を掛けたらFになる。ここまでの説明でニュートンの第二法則はイメージしやすくなったと思う。地球に住んでいる人は、大抵はこの法則で済む。
しかし、20世紀初頭になって特許庁で働き、趣味で物理学をやっていたアインシュタインという人が、うつらうつら眠っている時に「光の速度を一定にしてみては」と思いついたらしい。この発言から、宇宙の重力の強い所ではニュートンの法則が成り立たないことがわかった。そして彼は、特殊相対性理論と一般相対性理論を確立する。不思議なのは、19世紀に完成されていたマクスウェルの「電磁気学」と相対論が矛盾を一つもしないところだった。そうしているうちにシュレディンガー方程式で有名な量子力学が数人の天才たちによって確立される。今まで、原子はそれ以上は分解できないものと思っていたけれど、原子核の周りを回っているのが、電子であるから「原子核」もタマネギの皮を剥くようにもっと小さく分類できるのではと考えられたのだ。(相対論の話は置いておきます)それは、そうだろう。地球が自転しているのだから、ミクロな世界を考えるのも当然だ。そこで、量子力学が出来て、(物性論の観点から)小さなチップが作られて、その集積体が人工知能にまで発展した。
以上簡単に書いたけれど、スピンという現象が「自転」を意味する言葉と知っているならば、物理学のスピン↑↓のイメージも湧いてこよう。特に量子力学、統計力学を考える上でスピンとは何かと。
EMANの物理学のリンクを貼らせて頂きます。