島原城下町の一角に
古い町屋風の建物や蔵が作り出す
レトロな町並みがあります。
「森岳商店街」です。
その中の一軒「猪原金物店」は
江戸(安政)時代の町屋を復元した
歴史ある老舗の金物店です。
タイムスリップしたような雰囲気で
お店の中を覗きたくなります。
品質第一で選ばれた金物類はもちろん
思わず手に取りたくなるお洒落な日用品たち。
基本理念は
「こだわって本物 使って一生モノ」
店主の猪原さんは
雲仙普賢岳の噴火からの復興や町おこし等で活躍され
その独自性と行動力、そして明るいお人柄は魅力的です。
ご本人はもちろん「猪原金物店」は
全国的に知名度が高いお店となっています。
そんな金物屋さんのかき氷が美味しいと聞いて
夏に訪れるのが楽しみでした。
かき氷機の刃をカンナのように超仕上げで研ぎあげて
キメ細かいパウダー状のかき氷を作るそうです。
猪原さん独自のユニークな取り組みの一つに
敷地内に自噴する湧水を利用して作られた
「速魚川(はやめがわ)」があります。
島原の湧水は国内四大名水の一つで
細菌ゼロ 軟水の甘く美味しい水を
遠くから汲みに来る方もいらっしゃいます。
町屋の脇を流れる澄んだ小川の水の中には
ハヤ、モズクが二、カワニナ、蛍、クレソン、セリetc.
街中にビオトープ(生態系)が創出されています。
速魚川にかかる小さな石橋を渡って
建物の中に入ると
坪庭を囲んで囲炉裏の間や土間、渡り廊下
町屋の懐かしい空間が広がります。
外は暑いのに
坪庭を見ながら座っていると
自然の風が涼しく感じます。
島原名物「かんざらし」は
小さな白玉団子を島原の湧き水で冷やして
特製の蜜をかけたデザートです。
そして待望のかき氷は
ふわっふわ…
キメ細かくて雪を食べているよう。
優しい口当たり優しい冷たさで
かき氷が苦手な方も きっと大丈夫な気がしました。
南部鉄器の風鈴の澄み渡る音色が
坪庭に響きます。
暑さを忘れる町屋の夏の
贅沢なひとときをいただきました。