公共施設を民間に売却・貸出又は、ホームレスの支援施設、老人ホーム、幼稚園等にすれば良いものを、何でワザワザ金を掛けて解体するのか?
老朽化した建物は解体してもしょうがないと思いますが、防犯上の理由で解体するのは勿体ない。
>今年度から解体費用の4分の3まで地方債を発行することを認めました。
地方債=税金。何でもかんでも税金を投入すれば良いものでもありません。公共施設解体の裏には大きな利権が絡んでいるでしょう。
公共施設の解体に動く自治体
3月23日 17時55分
平山昇記者・小林育大記者・谷井実穂子記者
老朽化した公共施設の耐震化や膨らむ維持費に頭を悩ませてきた自治体が今、施設の「解体」に向けて動きだしています。
総務省がおととし調査した結果、全国の自治体が解体を検討している公共施設は1万件余りに上ります。
これまで多くの自治体は住民サービスを維持するため、公共施設の廃止や統合に慎重になっていましたが、今後の財政状況や人口減少を考えて「解体」を選ばざるをえなくなっています。
さいたま放送局の平山昇記者、大津放送局の小林育大記者、千葉放送局の谷井実穂子記者が解説します。
公共施設「解体」
さいたま市は、去年8月から旧岩槻区役所の解体工事を始めています。
昭和46年に建設された庁舎は老朽化が進んで耐震強度の不足が分かったため閉鎖されました。
市は跡地の利用策が決まらないまま、3年前に建物の安全性や防犯上の理由から解体することを決めました。
その背景にあるのが将来予想される財政難です。
さいたま市が去年3月にまとめた計画では、保有するおよそ1700の公共施設を維持すると、今後40年間の改修や維持の費用は年平均で現在の2.2倍に膨らみ、155億円の財源不足になると試算されました。
このため市は、公共施設の床面積を今後60年間で15%程度削減する方針を打ち出しています。
さいたま市行財政改革推進部の野口敦史主幹は「今ある物をそのまま維持するのは難しいので解体は進んでいくと思う。ただ解体だけすればいいのではなく、その跡地をどう活用していくかを住民と一緒に考えて理解を得るようにしていきたい」と話しています。
総務省がおととし、全国の自治体を対象に行った調査では、解体を検討している公共施設は公営住宅や学校を中心に1万2251件に上り、必要な費用は4039億円になると見込まれています。
平均の築年数は41年で、このうち72%の施設では跡地の利用計画がないということです。
高度経済成長期に建設された公共施設が老朽化しているうえ、人口減少で需要の減った施設が増えているためとみられています。
このため国は解体のニーズが高まっているとして、去年3月に法律を改正し、今年度から解体費用の4分の3まで地方債を発行することを認めました。
これを受けて、2月中旬時点で全国の自治体や行政組合の10団体が発行のため国との協議を進め、このうちさいたま市など3団体が発行の同意を得たということです。
総務省によりますと、来年度末までに発行の前提となる公共施設の管理計画を策定する自治体は571に上る見込みで、今後、解体の動きが加速すると見られています。
公共施設の維持・管理の問題に詳しい東洋大学の根本祐二教授は「人口減少の流れのなかで、自治体の資産が多い状態だと少ない人口では支えられないので、資産をできるだけ減らしていく必要がある。使わないから公共施設をやむをえず解体するというよりは、むしろ積極的にスリム化をするととらえ直して、この機会にいらないものはやめていこうと考えるべきだ」と指摘しています。
費用捻出できない自治体
それでも、厳しい財政状況のため解体費用を捻出できない自治体もあります。
滋賀県栗東市は、老朽化した老人福祉センターと公民館の2つの施設を6年前と4年前に閉鎖することを決めましたが、その後解体していません。
栗東市は滋賀県内で最も財政状況が悪化し、平成21年から市内すべての公立中学校の給食を全面的に廃止。
年間3200万円の経費削減を図りました。
さらに市が運行するコミュニティーバスのうち、多くの路線で土曜日の運行を取りやめるなど、行政サービスを切り詰めています。
しかし、市の財政状況は依然として厳しく、2つの施設で合わせて1億2000万円と見込まれる解体費用をただちに捻出するのは難しいと栗東市は考えています。
地方債の発行については、新たな借金を増やすことになるため慎重にならざるをえないとしています。
解体を決めたものの、財政難を理由に実現できない公共施設は、栗東市のケースを含めて滋賀県内で6施設あります。
栗東市の仁科芳昭総務課長は「景観上、防犯上、さまざまな問題があり、早期に解決したいと認識している。解体費用は財源の問題がいちばんのネックになっていて、中長期的な視点で検討したいと考えている」と話しています。
さらに、取り壊すかどうか決められず維持管理費がかさんでいる施設もあります。
大津市が運営した「大津びわこ競輪場」は、赤字が続いたため4年前に閉鎖され、取り壊しの費用はおよそ14億円かかると試算されました。
多額の費用の捻出は難しいうえ、都市計画法で競輪場の土地が「公園」と位置づけられるため、3階建て以上の鉄筋の建物を作ることが認められないなど、跡地の利用方法には大きな制限があるということです。
民間への売却などさまざまな案が議論されましたが、取り壊すかどうかを含めて結論はまとまらず、この4年間の維持管理費は、エレベーターの点検にかかる費用などとしておよそ1億円に膨らんでいます。
大津市企画調整課の押栗雅則課長は「時間を要して批判されているというのは受け止めているが、仮に競輪場の施設を取り壊そうとすれば10数億円の経費が必要になり、簡単に手が付けられないのが現実だ」と話しています。
模索する自治体
一方、今後も膨らむ維持管理費を捻出しようと、利用者負担に踏み切った自治体もあります。
千葉県市川市は去年9月、公民館やスポーツ施設など市内51施設の利用料金を最大で3倍に引き上げる条例案を可決しました。
人口減少による税収の減少や社会保障費の増加で財政状況の圧迫が予想されるとして、利用料金の引き上げを選択せざるをえなかったとしています。
市川市の大久保博市長は「財政の見直しをやらないとさらに先送りになってしまう。公民館やスポーツ施設など多くの施設の使用料の見直しをさせていただき、利用されている皆さんにもう少し負担いただきたい」と話しています。
自治体が今後とるべき政策について、東洋大学の根本祐二教授は「今ある公共施設のうち何を残して何をやめていくのかを分別し、やめるものは早めに解体するなどのメリハリの付け方が重要になる。今の世代が施設を維持すると、子どもたちが施設を支えるということを考えて、全体のビジョンを描いていく必要がある」と指摘しています。
ニュース画像
使わなくなった施設の解体だけでなく、民間への売却や、より長期的に維持する方法など総合的に公共施設を管理することが各地の自治体に求められています。
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2015_0323.html
老朽化した建物は解体してもしょうがないと思いますが、防犯上の理由で解体するのは勿体ない。
>今年度から解体費用の4分の3まで地方債を発行することを認めました。
地方債=税金。何でもかんでも税金を投入すれば良いものでもありません。公共施設解体の裏には大きな利権が絡んでいるでしょう。
公共施設の解体に動く自治体
3月23日 17時55分
平山昇記者・小林育大記者・谷井実穂子記者
老朽化した公共施設の耐震化や膨らむ維持費に頭を悩ませてきた自治体が今、施設の「解体」に向けて動きだしています。
総務省がおととし調査した結果、全国の自治体が解体を検討している公共施設は1万件余りに上ります。
これまで多くの自治体は住民サービスを維持するため、公共施設の廃止や統合に慎重になっていましたが、今後の財政状況や人口減少を考えて「解体」を選ばざるをえなくなっています。
さいたま放送局の平山昇記者、大津放送局の小林育大記者、千葉放送局の谷井実穂子記者が解説します。
公共施設「解体」
さいたま市は、去年8月から旧岩槻区役所の解体工事を始めています。
昭和46年に建設された庁舎は老朽化が進んで耐震強度の不足が分かったため閉鎖されました。
市は跡地の利用策が決まらないまま、3年前に建物の安全性や防犯上の理由から解体することを決めました。
その背景にあるのが将来予想される財政難です。
さいたま市が去年3月にまとめた計画では、保有するおよそ1700の公共施設を維持すると、今後40年間の改修や維持の費用は年平均で現在の2.2倍に膨らみ、155億円の財源不足になると試算されました。
このため市は、公共施設の床面積を今後60年間で15%程度削減する方針を打ち出しています。
さいたま市行財政改革推進部の野口敦史主幹は「今ある物をそのまま維持するのは難しいので解体は進んでいくと思う。ただ解体だけすればいいのではなく、その跡地をどう活用していくかを住民と一緒に考えて理解を得るようにしていきたい」と話しています。
総務省がおととし、全国の自治体を対象に行った調査では、解体を検討している公共施設は公営住宅や学校を中心に1万2251件に上り、必要な費用は4039億円になると見込まれています。
平均の築年数は41年で、このうち72%の施設では跡地の利用計画がないということです。
高度経済成長期に建設された公共施設が老朽化しているうえ、人口減少で需要の減った施設が増えているためとみられています。
このため国は解体のニーズが高まっているとして、去年3月に法律を改正し、今年度から解体費用の4分の3まで地方債を発行することを認めました。
これを受けて、2月中旬時点で全国の自治体や行政組合の10団体が発行のため国との協議を進め、このうちさいたま市など3団体が発行の同意を得たということです。
総務省によりますと、来年度末までに発行の前提となる公共施設の管理計画を策定する自治体は571に上る見込みで、今後、解体の動きが加速すると見られています。
公共施設の維持・管理の問題に詳しい東洋大学の根本祐二教授は「人口減少の流れのなかで、自治体の資産が多い状態だと少ない人口では支えられないので、資産をできるだけ減らしていく必要がある。使わないから公共施設をやむをえず解体するというよりは、むしろ積極的にスリム化をするととらえ直して、この機会にいらないものはやめていこうと考えるべきだ」と指摘しています。
費用捻出できない自治体
それでも、厳しい財政状況のため解体費用を捻出できない自治体もあります。
滋賀県栗東市は、老朽化した老人福祉センターと公民館の2つの施設を6年前と4年前に閉鎖することを決めましたが、その後解体していません。
栗東市は滋賀県内で最も財政状況が悪化し、平成21年から市内すべての公立中学校の給食を全面的に廃止。
年間3200万円の経費削減を図りました。
さらに市が運行するコミュニティーバスのうち、多くの路線で土曜日の運行を取りやめるなど、行政サービスを切り詰めています。
しかし、市の財政状況は依然として厳しく、2つの施設で合わせて1億2000万円と見込まれる解体費用をただちに捻出するのは難しいと栗東市は考えています。
地方債の発行については、新たな借金を増やすことになるため慎重にならざるをえないとしています。
解体を決めたものの、財政難を理由に実現できない公共施設は、栗東市のケースを含めて滋賀県内で6施設あります。
栗東市の仁科芳昭総務課長は「景観上、防犯上、さまざまな問題があり、早期に解決したいと認識している。解体費用は財源の問題がいちばんのネックになっていて、中長期的な視点で検討したいと考えている」と話しています。
さらに、取り壊すかどうか決められず維持管理費がかさんでいる施設もあります。
大津市が運営した「大津びわこ競輪場」は、赤字が続いたため4年前に閉鎖され、取り壊しの費用はおよそ14億円かかると試算されました。
多額の費用の捻出は難しいうえ、都市計画法で競輪場の土地が「公園」と位置づけられるため、3階建て以上の鉄筋の建物を作ることが認められないなど、跡地の利用方法には大きな制限があるということです。
民間への売却などさまざまな案が議論されましたが、取り壊すかどうかを含めて結論はまとまらず、この4年間の維持管理費は、エレベーターの点検にかかる費用などとしておよそ1億円に膨らんでいます。
大津市企画調整課の押栗雅則課長は「時間を要して批判されているというのは受け止めているが、仮に競輪場の施設を取り壊そうとすれば10数億円の経費が必要になり、簡単に手が付けられないのが現実だ」と話しています。
模索する自治体
一方、今後も膨らむ維持管理費を捻出しようと、利用者負担に踏み切った自治体もあります。
千葉県市川市は去年9月、公民館やスポーツ施設など市内51施設の利用料金を最大で3倍に引き上げる条例案を可決しました。
人口減少による税収の減少や社会保障費の増加で財政状況の圧迫が予想されるとして、利用料金の引き上げを選択せざるをえなかったとしています。
市川市の大久保博市長は「財政の見直しをやらないとさらに先送りになってしまう。公民館やスポーツ施設など多くの施設の使用料の見直しをさせていただき、利用されている皆さんにもう少し負担いただきたい」と話しています。
自治体が今後とるべき政策について、東洋大学の根本祐二教授は「今ある公共施設のうち何を残して何をやめていくのかを分別し、やめるものは早めに解体するなどのメリハリの付け方が重要になる。今の世代が施設を維持すると、子どもたちが施設を支えるということを考えて、全体のビジョンを描いていく必要がある」と指摘しています。
ニュース画像
使わなくなった施設の解体だけでなく、民間への売却や、より長期的に維持する方法など総合的に公共施設を管理することが各地の自治体に求められています。
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2015_0323.html