Rising斬 the侍銃士

音楽のこと、時代小説、映画を中心にしていくと思います。タイトルは自分のHNの由来になったゲームから

Death Note

2007-01-15 01:57:23 | アニメ・コミック・ゲーム

大学で法律を学び、優秀な知能の持ち主、夜神月(ライト)は、凶悪な犯罪者が証拠不十分や障害のために法律では許されてしまうことに疑問を感じていた。
そんな彼が拾ったのは名前を書かれた者に必ず死が訪れる、死神の「デスノート」。このノートがあれば、法律の届かない悪を葬ることができる…。
かくして、法の目を逃れる悪を裁く正義の処刑人キラが誕生、それを阻もうとする輩との壮絶な戦いが始まるのであった。

「ライバルを5キロ太らせろー!」でお馴染み「DEATH NOTE(原作:大場つぐみ、漫画:小畑健)」です。

漫画担当の小畑健は、かつては「力人伝説」や「CYBORGじいちゃんG」を描いてましたね。って、これだけこの漫画が売れればもう説明する必要はないですね。むしろ説明の方がわかりにくい。ただ、コミックスの最後にある小畑健作品の広告で「力人伝説」がないのは人によっては残念かと。俺は残念じゃないです。
で、原作担当の大場つぐみは謎とされているらしい。

もともと周りで大人気だったデスノートですが、すでにジャンプそのものをあまり読んでいなかったため完全に乗り遅れ、それでも一度読んだが内容がわからず脱落してました。(ネロだかニアだかが登場してた)
しかし、兄貴が映画を強く薦め、わざわざ劇場版の前編をプレゼントしてくれ、その後も「見たか?」と催促もあったので、しかたなく見たのですが、

すごく面白かった。

お蔭様で「Death Note -THE LAST NAME-」の方は映画館に行ってきました。

劇場版の主要キャストは、
夜神月に藤原竜也(「バトルロワイヤル」「バトルロワイヤル2」)
Lに松山ケンイチ(「男たちの大和/YAMATO」)
死神リュークの声に中村獅堂(「男たちの大和/YAMATO」「SPIRIT」)
なんかめっきりハリウッドより邦画をよく見るようになった俺ですが、考えてみると見てるのはこの3人が出てるのばっかり。

そんなお気に入りの出演者たちでしたが、中村獅堂はいいとして藤原君と松山ケンイチはこれまで見ていたのよりずっとはまり役でしたよ。

藤原竜也は、「バトルロワイヤル」シリーズで主人公の七原秋也、通称「ワイルドセブン」を演じてましたが、はっきり言って似合ってませんでした。皆が迫真の演技をしている中、1人(というか前田亜希と2人)で浮いていた感じでしたが、「デスノート」では漫画以上の魅力を出せていたと思います。

そして、何より松山ケンイチ。
彼は「男たちの大和」で神尾克己を演じた超好青年のイメージがあるので、俺だったら絶対に彼をL役にはしません。
なのに、見事に演じきり、しかも、彼の演技力やアイディアが劇場版「デスノート」を面白くしたといってもよかった。
俺だったらしないことをして、しかもうまくいく。これじゃ俺の立場はありません。

この2人の熱演が光っていました。

それと、原作とも共通するこの漫画の魅力。
漫画界屈指の知能で追跡をかわす夜神月と、正体不明の殺人鬼キラを追う名探偵Lの究極の頭脳戦。

本当に月の策略は、溜息が出るほどお見事。悪い奴なのに感心しまくりでした。

そしてL。
直接殺すわけではない「デスノート」を使う犯人を特定するなんて、俺が頼まれたら「できるわけないっすよ」で済ませますね。
それを、よくよく調べれば特定できることを証明してしまうんですからすごいです。
さらに、当然犯人から命を狙われるわけで、顔と名前がわかれば殺せる能力を持つものから自分の命を守りつつ捜査もするわけですからね。
いやもうLには頭が上がりません。人気があるわけだ。

そんな2人の化かし合いは手に汗握りますよ。もう一度見たら、どれだけ興奮できるかわかりませんが、とりあえず一度は見ておくべきと思います。
内容的には、悲劇なんですけどね。でもあまりによくできていて、終わった後スカッとしてしまいました。
ちなみに、11月時点で見た方に確認したところ、現在の放映では当時なかったエンディング後の映像が有ります。それがまた、ちょっと興奮できます。

まあ不服はありますけどね。原作を読むとやっとわかる所も幾つかあったし。(ここよりネタばれ多少有り)
後編になると突然現れるキラ対策本部、ずいぶん短期間であっという間に作られた印象でしたが、原作だといくらか期間は設けていたっぽいですね。
それに原作・劇場版共通の問題として、途中LがFBIに怪しい奴の身辺調査をさせる所。
某ブログ( http://blogs.dion.ne.jp/juon/archives/4457964.html )によると尾行の仕方にも問題があったようですが、俺が気になったのは尾行を担当したメンバー。
劇場版で月を尾行した日系のレイ・イワマツ以外全員欧米系。欧米人が日本で尾行なんかしたら目立つから絶対相手にばれると思うのですが。
日本の警察をあてにできなかったとはいえちょっと残念です。
1人で進めるタイプのL、もしかすると人を見る目に自信がないのかも。そういえば日本の警察と組むのも、ふるいにかけて誰が残るか見るだけで、自分で選んだわけではありませんね。まあ少年漫画で人を選ぶ時はだいたい試練に挑ませ様子見で、面接や書類選考はあんまり聞いた事ないですが。

そんなことより、できることならもっと月に感情移入させて欲しかったし、犯罪者を殺すのが善か悪か悩ませて欲しかったかな。
本当に裁かれない犯罪者のみを殺していればよかったのに、結局月は犯罪者以外も殺してますからね。
おとなしくしていれば正体に迫られることもなかったでしょうし。
同じキラでも「ジョジョの奇妙な冒険」の吉良吉影のように余計なことをせず淡々と自分のスタイルを守っていれば見つからずに済んだんです。吉良吉影の場合は気をつけていたのに見つかってしまいましたが。ジョジョを読みすぎて不安要素は早めに対処すべきと言う知恵をつけてしまったのかな?
逆に、本当にその主義を守りつづけていれば、法の目を逃れる悪を始末するヒーローは昔からいっぱいいましたからね。彼らを許し月だけ許さないと言う都合のいい結論は、なかなか出せないです。
まあこんな所をちゃんとやったら、逆にこの漫画の面白さが弱まる気もしますけどね。
ジャンプ漫画といえば、力を入れる所と入れない所をハッキリさせ、利点のみで勝負、というケジメのよさも往年の魅力でしたし、そういう意味では王道でしょう。

で、このように見ている側が感情移入しにくいため、映画内で「キラ様と共に戦おう」と言い出す連中の気持ちがさっぱり理解できません。映画冒頭ならともかく。
キラ捜査をする人間を殺すのは「キラ様を邪魔する愚かな警察などいらない」的な考え方でしょうけど、そもそも犯罪者を特定できるまでキラの出番はないですから、やはり警察にも頑張っていただかないと。警察あってのキラです。
というか、俺的にはああいう「キラ様キラ様」と物事をよく考えず長いものに巻かれる日和見おべっか野郎どもは大っ嫌いですね。どうせ能力が怖いだけで、別にキラのために何かするわけじゃなし。「第2のキラ」みたいに1本足りなくても役に立ってくれる、役に立たずとも何かしようとしてくれる人の方が好きです。ついでに言うと「ライバルを5キロ太らせろー!」も嫌いじゃありません。
結局、仮に犯罪者だけを殺せばよしとしても、それによってバカな奴が増えると言うのは由々しき問題じゃないですかね。月にとっても。
でも、この辺、キラによって悪影響が出る、という内容にした点はむしろ好きです。これで善悪がわかりやすいですね。
あまり批判にはなっていないですね。なんだかんだで好きな映画ですから。

まあそんな感じで自分で決めたことも守れないんじゃ「あなたの言い分が仮に正しいとしても、あなたには任せられません」となるし、守っていたとしても「お前のせいでバカが増えるからやめろ」と言いたい。
でも、恐らくそう言われても、月は納得はできなかった、でしょう。
やはり登場人物たちのように、相手の主張を正面から対応し、損得ではなく善悪を基準にして考えてくれる人の方が、特に若い人には好印象かもしれません。その辺は参考にしたいです。


2 コメント

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DEATH NOTEのレビュー読む時、『DETH NOTE』書いて... (werewolf)
2007-01-19 23:07:10
DEATH NOTEのレビュー読む時、『DETH NOTE』書いてるヤツがいる度、『同志かな?』思う狼さん。
ってか信じたいよね。

してまあ力人伝説なぁ…
俺、何気に全巻持ってるんだよ今。
(貴乃花)親方の大FANだからね。
ココはやっぱレビュー書いてTBすべきかな?

っで本題…
何気に松ケンはDEATH NOTEから入ったんだが…
まあ、DEATH NOTEから入ったからそう思うんかもだけど、他に二作品ほど観てみたが、ホント様々な役やってるねぇ。
マーロン・ブランドとかロバート・デニーロとか…
まあ、今ならジョニー・デップなんかな?
その辺の演技派を目指してるんかもね。

っで、吉良吉影ん場合は『目立たない』いう事に全身全霊を懸けてたしねぇ…
目立ちたがり屋の月たぁワケが違うし…

っで、『やっぱ少年誌』って事でさ?
解り易い勧懲思想が求められたんだろ。
映画版のが原作より勧懲思想が緩めだったんは、やっぱ成人を意識したからかなぁ思いつつ…

まあ、完全に悪のみを裁く主人公っちゅうのも面白かったかもだけどね。

っで、以下ネタバレご容赦…

結局は悪(法規的でない)Lの力を借りて、善(超法規的な)親父が止めを刺すって構図が良かったかなぁ思いつつ。
「確かに間違いもあるが、ここ(六法全書)には積み重ねられた…」的なセリフ、凄い良かったなぁ思いつつ…
買うぜDVD!!
っが、レンタルとの連動企画もあるらしく、レンタル版も借りにゃイカンっちゅうね…
何か商売上手だなぁと思いつつ…
まあ、素晴らしい邦画作品だし、投資の意味でも買う&借りるしてやっかなぁと、そんなん思ってる狼さんでしたとさ♪

キーワードは『チョコレート』かな?
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たくさんコメントありがとう (斬theザーン)
2007-01-21 00:22:30
たくさんコメントありがとう
全巻買ったのですか!?
鬼を継ぐ気満々だな

いや松ケンはさ、YAMATOでは周りの引き立て役に徹し、今回は周りを食う役に徹し、そういう点でもマルチだね

まあ、意見なんぞを書いては見たが、単純にブログの記事が面白くなるかなってだけで、ああいう作品で全然オッケーだね
親父の説得か、またDVDで聞いてみようかな。俺的にはとにかくLのトリックが素晴しくて親父がかすむ

作品への賛成票としても購入を前向きに検討してもいいかな
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