仕事の為に 都心に引っ越してきた 男が居た
生活を続けている中 ある日 半日程 暇ができたので
前々から 作ってみたいと思っていた 中華粥を作る事にした
あー 食べたいわー
細切りの生姜とか 鳥とか
圧力鍋に具材を入れ 弱火にかけ
フツフツと 煮えてきた頃に 電話があり
急に職場に 行かなくては ならなくなった
ありゃま ついてないですね
休日呼び出しとか よっぽどよね
男は 圧力鍋の火を止めたが 冷えるのを待てないので
コンロに乗せたまま 家を出た
・・呼び出しは 思ったよりも大事で
家に戻れたのは 翌々日になってからだった
それは よっぽどよね
よっぽど だったんですね
男は 圧力鍋に中華粥があるのを 思い出し
破棄を考えたが 疲れが 優先したので
とりあえず 流しの下の棚に しまい
ゆっくり 休むことにした
さて どうなりますかね
臭っちゃう わーよー
翌日 男は優先する仕事が あるのを 思い出し
朝早くから でかけ
続く日も 仕事に時間を忙殺されていき
気づけば 2年が過ぎていた
匂いださなかったの かしら
圧力鍋なので 密閉度ですね
男は 仕事の都合で 引っ越しの準備を始めた
流しの下にある 圧力鍋に気づいたのは この時だった
このまま 破棄することも 考えたが
好奇心が勝ってしまい 蓋の留め具を外してみる事にした
まるでパンドラですね
そういうのは あけちゃ 駄目なのよ
鍋の底では 鍋肌に沿うように
オワリ
巨大な芋虫が 横たわっていた
現実的には 呼吸ができないので 無理です
だから! 開けちゃだめなのよ! そういうのは!
二度位かいてるかと 思うのですが
以外なオチが良くて この話 好きなんです。