バスターミナルなブログ

全国のバスターミナルやバス旅の紹介(※ブログ内のデータは原則として撮影時のものです)

JRバス関東 東京港フェリーターミナル線

2024年02月09日 | バス旅(乗車記)


JRバス関東 「東京駅~東京港フェリーターミナル線」
東京駅八重洲口14時30分発


午後の東京駅八重洲口から、こんにちわ。

今回のバス旅は、東京駅から国際展示場駅まで、JRバスの「東京駅~東京港フェリーターミナル線」に乗車します。


↑出発を待つ東京港フェリーターミナル行き

2021年の12月に運行開始した「東京駅~国際展示場駅・東京ビッグサイト・東京港フェリーターミナル線」は、その名の通り、東京駅と東京港フェリーターミナルとを結ぶ路線です。ハイデッカーの高速車が運用に入りますが、高速道路は走らず、運行形態としては一般路線の扱いで、途中の停留所である、国際展示場駅と、東京ビッグサイトでは、乗車することも降車することも可能です。

運行開始当初は、毎日13往復、ほぼ1時間間隔の力をいれた運行をしていましたが、昨今の運転手不足や、利用状況を鑑みて、2023年12月の改正から減便し、毎日5.5往復の運行体勢になりました。



さて、バスは、出発時刻の約10分前に、8番のりばに据え付けられました。

早速乗車しましょう。ステップを上がり、運賃機に交通系ICカードをタッチして運賃を支払います。現金では大人片道400円ですが、ICカード支払いでは350円となります。このほかに、スマホから「高速バスネットプラス」を利用して決済する方法もあり、こちらも350円です。



車内の様子です。

トイレ付き、4列リクライニングシートで、各座席に充電用コンセントを設置しています。短時間の乗車ですが、車内設備は十分すぎるレベルです。今回の乗車では、土浦支店の日野セレガがやって来ました。放送によると、運転手さんも土浦支店の方だそうです。

まもなく、出発時刻。運転手さんは、通路前方で乗客に向けて一礼した後に運転席に着席しました。



14時30分、バスは東京駅八重洲口を出発しました。

集まった乗客は、私を含めて5人。空席ばかりで寂しい車内ですが、そのおかげで、のんびりと過ごせそうです。

まもなくして、運転手さんから、車内設備と途中停留所の案内が行われました。私が降車する国際展示場駅には14時55分に到着予定とのことです。案内放送が終わると、バスは「八重洲通り」から右折して「新大橋通り」に入りました。



その後、車窓左手に築地場外を眺め、旧青果門前の交差点を左折すると、いよいよ「環二通り」に入ります。

ここから国際展示場駅までは「東京BRT」の「幹線ルート」とほぼ同一の道路を走ることになります。



隅田川を渡ると、勝どきエリアへ。

「東京BRT」の「幹線ルート」は一旦高架を降りますが、こちらは引き続き、オーバーパスを走行します。



ちょうど、この下が、勝どきBRTの停留施設の辺りでしょうか。

勝どきBRTの利用者は多く、時間帯によっては、新橋方向も、国際展示場駅方向も、どちらもバス待ちの列が出来ることがあります。



バスは朝潮運河を渡り、晴海エリアへ。

対向車線には「東京BRT」虎ノ門ヒルズ行きの姿が見えました。「選手村ルート」の運行開始により、「晴海・豊洲ルート」、「幹線ルート」、「選手村ルート」と、ようやく計画の3ルートが出そろいました。まだ、本格的な運行とは言えませんが、もうすっかり「環二通り」の主のような存在です。



豊洲大橋を渡り、豊洲エリアに入ります。

右手には、オープンしたばかりの観光施設「千客万来」が見えました。周囲には多くの観光客の姿があり、相変わらず繁盛している様子がうかがえます。「東京BRT」ののりばにも列が出来ていました。



続いて、有明北橋を渡り、有明エリアへ。

新交通「ゆりかもめ」の高架下を走行します。有明テニスの森駅の下には「東京BRT」の停留施設があります。ここも、乗客の乗り降りが多い場所です。



そして、国際展示場駅に到着。

私を含めて3人が降車しました。バスはこの先、東京ビッグサイト、東京港フェリーターミナルへと向かいます。東京駅からの所要時間は25分。あっという間の移動時間でした。



最後になりますが、今回、バスに乗車して印象に残ったことは、『利用状況の面で課題があるJRバスと、沿線の大きなポテンシャルとのギャップ』です。

車内の座席は、空席が目立ちましたが、車窓から見えるものは、これから発展をしていく街の景色でした。



JRバスの東京駅~国際展示場間はノンストップ運行です。

もしも、途中に停留所を設けることが出来たならば、きっと利用者は増えるはず。いや、間違いなく需要はあります。なぜならば「東京BRT」の検討路線には「銀座・東京駅」への延伸があげられていますし、東京駅~国際展示場駅には「臨海地下鉄」の計画だってあります。いわば、この地域の移動需要はお墨付きです。

とは言え、だからこそ、JRバスは途中に停留所を設置しにくい状況下にあるのかもしれません。おそらくですが、「環二通り」臨海部の地域内外輸送を担当するのは「東京BRT」の役割であって、JRバスの役割は、フェリーターミナルの輸送と、東京駅~国際展示場駅(東京ビッグサイト)間を短絡することにあると思われます。すなわち、役割が違います。

でも、この2つの役割が繋がると、利用者にとって利便性の高い路線になるとも感じます。「東京BRT」の新橋・東京延伸がどのような形になるのかはわかりませんが、JRバスの「フェリーターミナル線」も、何らかの形で活かして、発展に繋げたいところです。

追記
この先は妄想です。

このエリアのバスは、各社様々な思惑がありそうで将来の形を想像するのが楽しいです。「東京BRT」は、新橋から「銀座・東京駅」への延伸を検討路線としていますが、実はこの新橋~東京駅間には、既にバス路線が2つ運行しています。

一つは、京王バスの「050系統」で、新橋付近の交差点を一つ曲がるだけで「東京BRT」と「050系統」は繋がり、BT東京八重洲への路線図が完成します。もう一つは、JRバス関東の「竹芝水素シャトル」で、こちらも新橋付近から、銀座を経由して東京駅に繋がります。

この「東京BRT」と、京王バスと、JRバス関東。共通しているのは、それぞれ、燃料電池バスを運行していて、かつ、連節バスのノウハウを持っていること。もしも、メリットがあるならば、手を組むのもアリなのではないでしょうか。3本の矢ではありませんが、3つの力で利便性を高めれば、たとえ「臨海地下鉄」が開通したとしても、より対抗が出来そうです。どうかな?!

な~んて、勝手な妄想でした(^^)

<撮影2024年2月>
 

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南海バス 鎌倉・藤沢・小田原~京都・大阪線

2023年12月16日 | バス旅(乗車記)


こんばんは。

ここは、JR東海道線・横須賀線・横浜市営地下鉄ブルーラインが集まる、戸塚駅(神奈川県)です。

私はこれから、横浜横須賀道路を使って三浦半島へ向かいます。えっ、こんな時間から三浦半島へ(?)いやいや、決して夜釣りにいくのではありません。大阪へ行くのです。



南海バス 鎌倉・藤沢・小田原~京都・大阪線
戸塚駅東口21時00分発


今夜、お世話になるのは、戸塚発、大阪行きの南海バスです。

都内に在住していると、まず乗らない路線ですが、今回はあえて選択してみました。それは、2022年10月からルートが変更になり、横須賀地区での発着が始まったからです。しかも、運行しているのは、南海バスと和歌山バス。横須賀とは縁もゆかりもありません。そんな関西事業者の斬新なルートに惹かれて、このバスを選びました。

戸塚駅では、東口の江ノ電バス停留所を発着します。南海バスの共同運行事業者が江ノ電バスだった時代の名残です。ここでは私を含めて4人が乗車し、定刻通り21時00分に出発しました。



バスは日野インターから、横浜横須賀道路へ。

沿道に灯りは少なく、暗闇の中を進みました。しかし、釜利谷、朝比奈、逗子といった名称の看板を見るたびに、不思議な気持ちになります。今、私は大阪へ向かっているのに、どうして横浜横須賀道路を三浦半島に向かって南下しているのでしょう。なんとも解せません。脳がバグるとはこのことでしょうか。

しばらく走行し、横須賀インターで高速道路を降りました。次の乗車停留所はJR横須賀駅前です。しかし、道路の構造的に直接JR横須賀駅には行けません。一旦、フェリーターミナルのある新港ふ頭方面に進み、ぐるりと転回して戻ってきました。



21時37分、JR横須賀駅前に到着。

横須賀を代表する駅というと、JRの横須賀駅と、京急の横須賀中央駅が思い浮かびますが、このバスはどちらにも停車します。JRの横須賀駅は海に近く、米軍や自衛隊といった基地があるエリアです。夜のJR横須賀駅前は、人通りがあまり多くありませんが、それでも1名の乗客がバスを待っていました。



バスは続いて、京急横須賀中央駅前へ。

京浜急行バスの停留所に停車します。横須賀の繁華街といえば中央駅で、道路沿いには電飾看板が煌びやかに並び、人々の往来もみられます。こちらでも1人の乗客が乗車してきました。なんだかんだで、横須賀地区でも利用者を集められたあたりに新ルートの効果が感じられます。



バスは横須賀地区を出発し、再び横浜横須賀道路へ。

車窓からは、横須賀港が見えました。

次の乗車停留所は、鎌倉駅東口です。逗子インターで横浜横須賀道を降りて、逗葉新道へと進路をとりました。続いて逗葉トンネルを抜けると、そこは葉山。そのまま海岸方向へ向かいます。三浦半島を横断した形で、海は東京湾から相模湾へと移りました。ただし、進行方向右側の座席に座っているので相模湾は見えません。左側の席を予約すべきだったでしょうか。



横須賀から25分ほど走り、22時21分に鎌倉駅東口へ到着。

バスは小町通りの鳥居のそばに停車しました。観光客で賑わう鎌倉駅も、さすがにこの時間は閑散としています。ここでは、3人の乗車がありました。



鎌倉駅を出発したバスは、次の停留所である藤沢駅へと向かいます。

再び海岸沿いの道路に戻るのかと予想しましたが、結果はハズレ。江ノ電の踏切を渡って内陸側の県道を進みました。大仏で有名な長谷寺の入口である長谷観音前の交差点を右折し、深沢付近で湘南モノレールの高架をくぐります。最後は境川を渡ると、藤沢駅が近づいてきました。



藤沢駅南口に到着。出発時刻は22時51分ですが、早めに着きました。

ここでは、8人の乗車がありました。バスを利用する時間帯からみても、停留所の利便性から見ても、この藤沢駅が一番のボリュームゾーンのようです。

それにしても、ようやく東海道線の駅に戻ってきました。戸塚駅から藤沢駅までは、電車ならば2駅で、所要時間は10分の区間なのに、このバスは1時間50分かけて三浦半島を横断してきました。こんな体験は、なかなか出来ません(^^)



藤沢駅を出発後は、国道を南下して相模湾の海岸沿いへ向かいます。

江ノ島駅付近では、一瞬だけ江ノ電の併用軌道と並走しました。江ノ電の有名撮影スポットですが、ここを通過する夜行バスがあるなんて、初めて知りました。運がよければ、夜行バスの車窓から江ノ電が見られるかもしれません。



ここから小田原へは、国道134号線と西湘バイパスを走ります。

今頃、左側には江の島が見えている事でしょう。車窓からは海が見える区間もあり、特に西湘バイパスに入ってからは眺めが素晴らしいです。もちろん、そのことは事前にわかっていて、進行方向左側の席を予約しようかと考えもしましたが、予約サイトのシートマップを見ると、他人に気兼ねなくフルリクライニング出来るトイレ前の3Cが空いていたので、ついついそちらを押さえてしまいました。「どうせ夜間だし、大して景色も見られないでしょ」と思っていましたが、今となっては「夜の海もよかったかもしれない」と、ちょっぴり後悔もします。ちなみに大阪発の便ならば朝に到着するので、間違いなく海側のC席がオススメです。カーテンの隙間から眺める早朝の海は、さぞかし素敵でしょう。



最後の乗車停留所になる小田原駅東口に到着。ここの発車は23時56分です。

ここでは、4人の乗車がありました。なんだかんだで戸塚駅から数えて21人。全ての停留所で乗車がありました。一つ一つは小さな需要でも、それが集まれば、それなりの需要になるものだと、うなずきます。ちなみに、小田原から西側は、富士急湘南バスの「金太郎号」が、小田原、御殿場、三島、沼津、新富士といったエリアを担当します。その西になると、しずてつジャストラインが清水、静岡、東名吉田などを担当。江ノ電バスは撤退してしまいましたが、関西への夜行需要は、各地域のバス事業者が小まめに集客しているのがわかります。

小田原駅を出発後は、車内設備の案内が行われました。1回だけ開放休憩があり、場所は次の鮎沢PAとのことです。鮎沢PA到着までは最低限の照明に減光されます。



0時33分頃、東名高速道路の鮎沢PAに到着。

ここで、10分間の休憩です。バスを降り、お手洗いを済ませました。今夜の鮎沢は少し冷えます。肌寒さから、思わず自動販売機でホットの缶コーヒーを購入しました。今は湯たんぽの代わりにして、朝になったら飲もうかと思います。ささやかだけど、小さな熱源に温もりを感じました。

鮎沢PAを出発後は、車内は消灯です。それでは、おやすみなさい。

、、、zzz



ここで車内設備の紹介です。(明朝に撮影)

車内は独立した3列シート。トイレは車内中央の床下です。



各座席に、フットレスト、レッグレスト、コンセント(車両によってはUSB)、フリーWi-Fi、個人用カーテンが装備され、使い捨てタイプのスリッパを用意しています。なお、新型感染症の影響からブランケットの貸出は休止中。復活が待ち遠しいです。



、、、zzz

「あと5分ほどで、京都駅八条口に到着です」

車内アナウンスで目が覚めました。腕時計を見ると、時刻は5時45分。定刻通りに到着したようです。

カーテンの隙間から外をチラ見すると、京都は、まだ夜明け前。八条口が近づくと、三条、長岡からやって来た越後交通が見えました。

5時51分、京都駅八条口に到着。ここで、かなりの降車がありました。私の周囲もがらんとし、人気が無くなりました。



バスは、第二京阪道路で大阪を目指します。

土地勘がないので、どの辺りを走っているのかわかりません。昨夜購入した缶コーヒーの蓋を開け、モーニングコーヒーを楽しみました。時折、カーテンの小さな隙間から車窓を眺めます。暗闇は、徐々に薄い葡萄色の空に代わり、知らない街の様子がうかがえるようになりました。

放送によると、次は高速京田辺。降車がないので通過するそうです。それでも律儀に停留所のあるPAに入り、1周して本線に戻りました。



近畿自動車道、阪神高速道路と進路をとると、森之宮のあたりで朝の渋滞にはまり、流れが悪くなりました。停車、発進の繰り返しです。それでも、右側には、朝陽を浴びる大阪城が見られました。



まもなく、大阪駅前(桜橋口JR線高架下)に到着です。

7時04分、高架下に設置している停留所に停車しました。渋滞の影響はありましたが、それでも遅延は5分程度です。これくらいならば誤差の範囲内でしょう。大阪駅前でもかなりの降車がありました。

出発後は、キタからミナミへと移動しますが、この距離でも阪神高速道路に乗りました。



そして、湊町バスターミナル(OCAT)での降車はなく、バスはほぼ定刻通りに、終点の南海なんば高速バスターミナルに到着しました。

時刻表上では、戸塚駅から10時間34分。なかなか乗り応えのあった路線でした。特に三浦半島を横断する経路は、他では味わえない醍醐味だったと思います。横浜駅から京都・大阪方面の夜行バスは、毎日大量に出発していますが、横浜駅からJR東海道線の電車で1駅移動するだけで、こんな面白い路線に巡り合えるとは新発見でした。あと、戸塚駅の出発が21時00分と比較的早いので、横浜地区でやる事がなくて、早めにバスに乗ってしまいたいという方にもお勧めできそうです。

<撮影2023年10月>
 

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TOKYO BRT「幹線ルート」

2023年06月01日 | バス旅(乗車記)


東京BRT「幹線ルート」
国際展示場12時10分発


今回のバス旅は「TOKYO BRT」です。

東京の臨海エリア、国際展示場駅前にやって来ました。

このエリアは、距離の割に東京都心との移動が、いまいちスマートとは言えないエリアです。決して公共交通がない訳ではありません。副都心側ならば「りんかい線」ほぼ一択ですが、その他の場所へ向かう場合には、どのルートが最適なのか正解がわかりません。鉄道は乗り換えが必要で大回り。都営バスや「ゆりかもめ」は時間がかかるし、JRバスは便数が少ない。何度も訪問して、この周辺の地理に詳しくなればなるほど、短所ばかりが浮かんでしまいます。北の方角へ約5km移動すれば山手線なのに、どうして直結出来ないのか。

そのような状況のなか「プレ運行(二次)」へ移行した「TOKYO BRT」が、2023年4月1日から「幹線ルート」の運行を開始。国際展示場(東京テレポート)~新橋間が最短経路で繋がりました。続けて、4月28日からは20分間隔となる、増便ダイヤ改正を実施して利便性が向上。速達性も含め、かなり使える交通機関に躍り出ました。

今回は、そんな「幹線ルート」で、新橋まで向かいます。



私が乗車する車両は、いすゞエルガ。

注目を浴びる連節バスでも、燃料電池バスでもありません。決して”華”はないけれど、3台が所属する「TOKYO BRT」仕様のエルガは、なくてはならない存在です。何しろ、輸送力の大きな長尺車。東京都心では、なかなかQ尺のエルガにはお目にかかれません。さすがに輸送力は連節バスに勝てませんが、単車で最も大きな輸送力を誇ります。更に、一般的なディーゼル車といったところもあり、現時点では一番汎用性が高い車両ではないでしょうか。



12時10分発の便は、私を含めて7人の乗客が集まり発車しました。

駅前ロータリーを抜けると「ゆりかもめ」の高架下へ。環二通りに入ります。

「プレ運行(二次)」に移行して、何よりも大きな変化として感じられるのが利用者の増加です。「幹線ルート」の運行開始と共に、各停留施設ではBRTを待つ利用者が列を作るようになりました。この便でも、いきなり7人の乗車と幸先の良い出だしです。



国際展示場~有明テニスの森間は、タワーマンションと大型商業施設が混在するエリアです。

「ゆりかもめ」や「都バス」といった公共交通も存在しますが、このエリアの利用者は多く、特に都営バス「都05-2系統」は輸送力の面で課題があります。沿線でのイベント開催時に、バスが満員で乗車出来ない問題は、ネットで度々話題に上がります。地元の方にとっては切実な問題でしょう。大きな期待をもって、BRTの運行開始を待ち望んでいました。



有明テニスの森に到着。「ゆりかもめ」の駅下に位置します。

ここでは6人の乗客が乗車してきました。周囲は空き地や駐車場が目立ち、決して利用者が多そうな沿線風景ではないのですが、ここは何気なく利用者が多くみられる停留施設です。



今ですら利用者が多いのですから、停留施設の周辺が開発された頃には、一体どうなるのでしょう。



豊洲市場前の交差点で「ゆりかもめ」とはお別れ。

「ゆりかもめ」は豊洲駅を目指します。



こちら「TOKYO BRT」は豊洲市場前に到着。

ここは「晴海・豊洲ルート」に乗り継ぎが出来る停留施設です。

10人以上の利用者が列を作っていました。これだけ利用者がいると、乗車するのに時間を費やしてしまいます。座席は全て埋まり、立ち客の姿も見られるようになりました。もう座れません。



大きな豊洲大橋を渡り、すぐに晴海地区へ。



信号待ちをした後に、交差点を直進しました。現状では「幹線ルート」は晴海地区を通過します。

いずれ、オリンピック村跡地の「晴海フラッグ」が街開きすれば「幹線ルート」も晴海地区に立ち寄るはずです。



運河を渡り、勝どきBRTに到着。

「購入して住みたい街ランキング」の上位に位置する勝どき。ここでも10人以上の乗客が列を作っていました。もう大盛況。

ここからは「晴海・豊洲ルート」が合流するので、日中の輸送力は、1時間当たり6便10分間隔となります。これだけでも十分に利便性が高そうですが、将来の本格運行時には、2ルート合わせて1時間当たり12便を予定しています。つまり、今の倍。計算上は5分間隔でBRTが来る事になります。(「選手村ルート」が運行開始したら、もっと増えるかもしれません)



発車後は、隅田川を渡り、続けて築地虎ノ門トンネルへ。

このトンネルの開業で、勝どきBRT~新橋間が、めちゃくちゃ早くなりました。トンネルは、アンダーパスのような感覚ですぐに通過し終えてしまいますが、ここが「TOKYO BRT」の速達性を語るうえで肝と言える区間。2つの信号交差点をパス出来るようになった効果は大きいです。



トンネルを抜けて、信号交差点を二つ曲がれば、新橋に到着。この便の終点です。

国際展示場から、あっという間に到着してしまいました。

時刻表上では、国際展示場~新橋間の所用時間は15分。表定速度は約20km/hの水準を達成しており、これは速達性の面では、かなりレベルの高い道路交通と言えます。ただ、私が乗車した便は、約2分遅れて到着しました。道路交通なので、その程度の遅延は許容範囲であるものの、理想を言えば、定時に着いて欲しい。今回の遅延理由を考えてみると、やはりそれは停留施設での乗車時間だったと思います。

乗車出来るドアは一つ。そして車内の状況が、ある程度落ち着いてから発車となると、利用者の多さは遅延に繋がります。入口から距離のある連節バスならば、なおさらです。「幹線ルート」は、道路条件に恵まれ、既に高い表定速度を持っているので、これからの課題は、その高い表定速度を無理なく守っていけるかが重要です。言わば「防衛戦」です。これから予定されてる、全ドアでの乗降や、停留施設での自動券売機設置は、停車時間の短縮を期待出来ますし、交通信号機の公共車両優先システム(PTPS)高度化も、定時性の向上に寄与するはずです。



「TOKYO BRT」は、表面上で見て「バス専用道の無いBRT」と評価されてしまいがちですが、その中身は「高い能力を秘める道路交通」であり「能ある鷹は爪隠す」クールな交通機関になると私は思っています。

表定速度の高いBRTが、それなりの頻度でやって来る。そして、ほぼ定時で目的地に着ける。

地下鉄のように深い階段はなく、歩行者の動線に便利な場所で乗降が出来る。


今後も、これらを追求し続けることが、利用者の支持に繋がるのではないでしょうか。

<撮影2023年5月>

参考 2020年10月の乗車記
京成バス 東京BRT(プレ運行(一次))
 

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「WILLER EXPRESS」新4列シート WK153便

2023年05月18日 | バス旅(乗車記)


東京ディズニーランド・バスターミナル・ウエスト 21時10分発
「WILLER EXPRESS」 WK153便 関東→関西


高速バスのシートに力を入れる「ウィラーエクスプレス」に、新しい4列シートが登場。

その新しいシートを体験してみたくて、バスの始発となる東京ディズニーランドまでやって来ました。

今回は、2023年4月28日に登場したばかりの「WILLER EXPRESS」新4列シート便に乗車して、大阪梅田まで向かいます。



こちらが、その「新4列シート」を搭載した新車両。(海老名SAで撮影)

三菱ふそうのエアロエースで、行先表示が白色LED仕様となっているのが特徴です。

まだ、関東~関西間1往復の夜行便でしか、乗る事が出来ません。



受付を済ませ、車内へのステップが上がりました。車内の全景はこんな感じ。

座席の頭部を覆うカノピーが大型されたため、それがとても目立ちます。



新シートに注目してみます。

ベースになっているのは、安定した人気を誇る「リラックス」シート。

随所で改良が加えられています。



まずは、大型化された「カノピー」。

これまでの「カノピー」を”顔を隠す”と表現すると、新シートの「カノピー」では、”顔を覆う”と表現出来ます。これにより個室感がアップしました。更に、これまでの「カノピー」よりも、高さが15cmほどアップ。内部は1.5倍幅広くなり、圧迫感が低減されました。身長の高い方でも快適に過ごせるのではないでしょうか。また、裏地には、防音性の高いポリエステルを採用。遮音性が向上し、汚れが付きにくくなりました。



カノピー内部下部には「スマホホルダー」を設置。

消灯後のスマホ利用も可能です。

360°回転するホルダーは、丸型の部分がバネで広がるようになっていて、スマートフォンをキャッチします。私の手帳型のスマホケースでも問題なく装着出来ました。ただし、スマートフォンの機種によっては、側面の押しボタンがキャッチャーの部分に当たると、固定した時にボタンが押されてしまう事があるので、その場合は少し位置を調節します。



実際にスマートフォンを取り付けると、こんな感じになります。

ホルダーは回転するので、スマートフォンを横にすることも出来ます。



それから、隣席との「仕切り板」の高さ調整が出来るようになりました。

上記画像は「仕切り板」を下げた状態です。



続いて「仕切り板」を上げた状態です。

これにより、プライベート感を高める事が出来ました。

この「仕切り板」は「下」の状態が定位になっています。必要により、上げて使用する仕組みです。



そして、フットレスト。

使用する際は、靴を脱いで足を置きます。今回の新シートでは、フットレスト横にペダルが設置されました。これを踏むことにより、フットレストの高さを調節出来ます。地味に使い勝手の良かった機能です。

(※一部車両・座席ではフットレストが設置されていない場合があります)



今回の新シート車両では、夜間走行時に完全消灯を”しません”。

そのかわり、常時、青色の間接照明を点灯するのが特徴です。消灯後は室内灯が消えて青色照明のみになります。

完全消灯をしない狙いは、他人のスマートフォンの光が気になったり、暗くて不安になったりすることへの対応です。そこで、眠りの邪魔にならず、スマホの光も気にならない青色の間接照明を採用しました。



あと、リリースには書かれていませんでしたが、今回の車両では、ヘッドレストの形状が変わっていました。

(今まで上位クラスのシートに付いていたタイプでしょうか?)

可動式で、頭と首をサポートします。枕というよりも、首から上をヘッドレストに乗せるとしっくりきます。



と、いう訳で、カノピーを下げ、フルリクライニング、レッグレスト、フットレストを使用した状態です。
(※終点到着後に撮影)

装備をまとめると・・・

・カノピー(大型)
・スマホホルダー
・隣席仕切り板(上下可動)
・リクライニングシート
・ヘッドレスト(高さ可動)
・レッグレスト(高さ可動)
・フットレスト(高さ可動)
・ブランケット貸出
・100Ⅴコンセント
・青色の間接照明
・物掛けフック、網ポケット(シート裏)

・・・となります。



さて、バスは東京駅鍛冶橋駐車場へ。

ほとんどの乗客は鍛冶橋で乗車してきました。乗車率は半分くらい。GWが終わったばかりの平日で、これだけの乗客が集まるあたり、ウィラーの集客力の強さを実感します。

22時00分、東京駅鍛冶橋駐車場を定刻通りに発車。この先の運行について案内がありました。

開放休憩は、海老名SA、長篠設楽原SA、土山SAの3回。最初の海老名SAのみ放送を実施し、それ以降は放送はないそうです。

「海老名SAを出発後に、車内の灯りを暗くするので、就寝の準備は海老名SAまでにお願いします」との事でした。



23時00分、最初の休憩地、海老名SA(神奈川県)に到着しました。

ここで約15分間の休憩です。私はトイレと買い物を済ませ、バスに戻りました。



海老名SAを出発すると、いよいよ車内は消灯。

青色の間接照明が荷物棚の上部を照らしています。確かに、これくらいの灯りならば睡眠の邪魔にはならないでしょう。

早速、スマートフォンをカノピー内のホルダーに装着しました。消灯後に気兼ねなくスマートフォンを楽しめる時代が来るなんて革命的です。しかも、スマートフォンはホルダーにセットするので両手が使えます。これまでのように、毛布を頭から被って、コソコソとスマホ操作しなくても大丈夫です(笑

ヘッドホンの音漏れに配慮すれば、動画だって楽しめます。映画を流せば、私だけのレイトショー。夜行バスの車内で出来る事が増えました。

そういえば、以前、他社の夜行バスで、まったく就寝をしない女性を見た事があります。ディズニーランド発、名古屋行きの4列シート便でした。カップルらしく、隣の彼氏はフルリクライニングして、気持ちよくグースカと寝ているのに、その女性はリクライニングを一切倒さず、耐えるかのように着席していました。何度かの開放休憩でもそのまま寝ている様子がなかったので、おそらく最初から寝る気がなかったのでしょう。

ディズニーランドを満喫して、後は自宅に戻るだけ。しっかりとした睡眠は、帰宅後の自宅でとるつもりなのかもしれません。

それまで、夜行バスという乗り物は、寝て当然だと思っていたので、寝ない選択をする乗客がいた事に目から鱗でした。そのようなタイプの方にも、今回の新4列シート便は、おすすめかもしれません。



ウトウトとしていると、バスの挙動から、高速道路を降りたのがわかりました。

しばらくしてバスは停止しました。ここは、静岡県内の新清水中継所。

ここで乗務員さんは交代です。JRバスが新城(昔は三ヶ日)で乗務員交代をしているように、ウィラーエクスプレスの一部便でも新清水を境に乗務員を交代しています。交代後、床下からはコンコンコン♪と音が聞こえてきました。ホイールのナットを叩いて安全点検しているようです。

出発後は、再び高速道路に戻り、西を目指しました。



深夜2時20分頃に長篠設楽原SA(愛知県)、4時25分頃に土山SA(滋賀県)で開放休憩がありましたが、私は車内で寝て過ごしました。

そして、すっかり明るくなった5時50分、京都駅八条口に到着。ここでは数名の乗客が降車しました。



そして、6時55分、終点のウィラーバスターミナル大阪梅田に到着。

東京ディズニーランドから9時間45分間のバス旅が終わりました。

最後に、ウィラーエクスプレスのシートというと、最近では、シェル型構造の「リボーン」や、電動ゆりかごリクライニングの「ラクシア」など、上位クラスのシートに注目が集まりがちですが、全体で見ると、なんだかんだで馴染みのある「リラックス」が一番の主流です。



元々、レベルの高い座席ですが、これをベースにした「新4列シート」が登場ということで、どんなものかと乗車を楽しみにしていました。

「リラックス」の良いところはそのままに、より快適に、そして車内での過ごし方に新しい選択肢が加わりました。

もちろん、たった1回の乗車では、その全てを知る事は出来ませんが、とても快適に移動が出来た、今回の「新4列シート」の旅でした。

<撮影2023年5月>
 

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五稜バス 特急 成田空港~軽井沢方面線

2023年03月15日 | バス旅(乗車記)


五稜バス 特急 成田空港~軽井沢プリンスホテルウエスト
成田空港第3ターミナル 8時00分発


おはようございます!朝の成田空港です。

今回のバス旅は、2023年3月に運行を開始した新路線。成田空港と軽井沢エリアとを結ぶ、五稜バスの高速バスに乗車しました。

乗車の前に、まずは予約。

当日の朝、スマートフォンから五稜バス「高速乗合バス」専用ホームページを開きます。そこで「予約」の手続きを進めていくと、「リムジンバスWeb予約サイト」に繋がりました。成田空港のオペレーションをリムジンバスが行っているのは知っていましたが、予約サイトもリムジンバスなんですね。

今回は発車1時間30分前に予約購入しました。具体的に、発車の何分前まで購入できるのかはわかりませんが、比較的直近でも予約購入が出来るシステムは使い勝手が良いです。たとえ、ネットで予約購入出来なくても、成田空港バス乗車券販売カウンターにて現金購入が可能。どちらを選択しても運賃は5000円です。



第3ターミナルに到着。

ツヤのある紺色をしたバスが、第3ターミナルの8番のりばに据え付けられました。これから乗車する軽井沢プリンスホテルウエスト行きです。乗車券となる「QRコード」を表示させたスマートフォンを片手に、バスに向かいました。

のりばに着くと「トランクに入れるお荷物はございませんか?」と運転手さんの明るい笑顔に出迎えられ、バスのステップを上がります。車内は座席定員制の自由席です。各自が好きな席を選べます。



発車時刻になり、第3ターミナルを出発。

その後、第2ターミナル、第1ターミナルと経由しますが、残念ながら、この便では私の他に乗客はいませんでした。それでも、のりばに立つリムジンバスの係員さんは、バスが発車するタイミングで一礼。仕事とはいえ律儀で礼儀正しく感じます。

続いて、車内スピーカーからはメロディが流れ、自動の案内放送が始まりました。

「ご案内いたします。 本日も五稜バスにご乗車頂きましてありがとうございます。 このバスは特急、軽井沢、、、」

どこかで聴いた記憶がある、渋い男性の声が耳に響きました。調べてみると、JR北海道の車内放送でお馴染み、大橋俊夫アナウンサーが車内放送を担当しているそうです。

なんでも、車内の案内をJR北海道のようにと御指名だったとか。JR北海道の声が成田空港~軽井沢間のバスで聴ける事実。音鉄の方に乗車してもらって、感想を聞いてみたいものです。



ここで車内仕様を紹介します。

車内は、トイレ付きの4列シート。フリーWi-Fiの設備もあります。

シートの柄から、リムジンバスからの移籍とわかりました。この他に固定窓のエアロエースも在籍しており、こちらは北鉄からの移籍のようです。



カーテンは新調され、明るい雰囲気です。移籍車といえど、力を入れて整備されていました。

それにしても、予約はリムジンバス、ターミナルのオペレーションもリムジンバス、車両もリムジンバスからの移籍と、五稜バスはリムジンバスと繋がりが強いようです。



バスは、東関東自動車道を東京都心方向に進みます。

五稜バスのホームページから時刻表を眺めていると、興味深い事に気が付きました。

今、私が乗車している、8時00分発の便名は「特急101便」です。そして、15時50分発が「特急117便」、17時50分発が「特急121便」となります。現在は毎日3往復の運行ですが、仮に毎時50分発に1便づつ入れていくと、8時00分から17時50分までの間に、ほぼ1時間間隔で計11便を埋める事が出来ます。軽井沢発の便でも同じ法則が当てはまりました。どうやら、隠れているダイヤがありそうです。今後の発展次第では、増便などで活用するのかもしれません。

この先は私の妄想ですが、リムジンバスが共同運行に加わり、TCAT経由便や、都内のホテル経由便を設定すれば、インバウンドの動線に、より対応が出来そうです。また、軽井沢プリンスホテルウエストの停留所管理は西武観光バスなのだから、西武観光バスが共同運行に参入してもいいはず。考えれば考えるほど、夢が広がります。(あくまで勝手な妄想です)



ここまで東関東自動車道を走行してきましたが、高谷JCTからは東京外環自動車道へ。

東京の外周をぐるりと大泉JCTへ向かいます。



前方の車内モニタに目を向けると、休憩場所である「高坂サービスエリア」が表示されていました。

日本語、英語、中国語、韓国語と4カ国語で案内され、インバウンドを見据え、利用者側の視点を重視している姿勢が感じられます。車内放送も同様で、大橋アナの日本語の他、英語、中国語、韓国語の4カ国語対応でした。



そうこうしているうちに、バスは関越自動車道へ。

メロディの後に、大橋アナが再び登場。高坂サービスエリアでの15分休憩が案内されました。発車時刻は前方のモニターに表示されるとの事です。



高坂サービスエリアのバス駐車エリアに停車。

運転手さんが設定すると、モニターには「発車時刻10時20分」と表示されました。



フロントの行先表示器にも、車内と同じように発車時刻が表示される仕様になっていました。



15分間の休憩を終えたバスは、再び高速道路の本線へ。

藤岡JCTから上信越自動車道に入ると、徐々に勾配を上っていきます。車窓からは山々が連なる景色を楽しめました。



そして、岩肌が特徴的な高岩山を眺めつつ、碓氷軽井沢ICで高速を降りて一般道へ。



その後も標高を上げ続け、サミットで長野県に入ります。

ゴルフ場の脇を走り抜け、左側に雪を被った浅間山が見えると、まもなく終点の軽井沢プリンスホテルウエストです。既に車内には、大橋アナの到着アナウンスが流れ始めています。

「お乗り換えのご案内をいたします。北陸新幹線、しなの鉄道線、路線バスご利用の方は、、、」

大橋アナから聴く「北陸新幹線」は特に新鮮でした。そしてJR北海道のように「ここまで、自動放送のご案内は大橋俊夫でした」で締めくくりました。



終点の軽井沢プリンスホテルウエストに到着。

ダイヤ上では、成田空港から3時間55分の快適な旅でした。

停留所は「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」の南側に位置します。ホテルの案内によると、軽井沢駅までは徒歩13分の距離です。「(ちょっと遠いかな)」と思いましたが、実際に歩いてみるとショッピングプラザを散策する形になり、変化が多くて、それほどの距離感は感じませんでした。



ただ、途中でミカド珈琲のモカソフトに誘惑され、13分では収まりませんでしたが(笑)

ポカポカ陽気で食べるソフトクリームは美味しかったです。(3月上旬だというのに、軽井沢の気温は16℃もありました)



最後になりますが、今回は五稜バスに乗車して成田空港から軽井沢へとやって来ました。

成田空港発ということで、ついつい増加するインバウンド需要を念頭にバスを見て来ましたが、軽井沢町だって、波はあれど人口が増加し続けている街です。軽井沢町から成田空港という需要も開拓出来るかもしれません。

何はともあれ、今後の五稜バス「高速乗合バス」の活躍に期待です。

<撮影2023年3月>
 

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らくらく舟旅通勤 五反田~天王洲

2022年11月05日 | バス旅(乗車記)


※今回は、バス乗車記ではなく、乗船記です。


私が「船旅通勤」の存在を知ったのは、都営地下鉄の駅構内に貼られた、1枚のポスターでした。

「面白そうな企画だな」「五反田から船に乗れるのか」「そもそも目黒川って、船が通れる程の水深があるの?」

B1サイズのポスターから広がる世界。これは乗るしかない!と、実証運行に参加する事に決めました。



らくらく舟旅通勤第2弾 航路6朝
五反田7時00分発 天王洲(東品川二丁目)行き
第27船清丸


やってきました。朝の五反田駅。

五反田の船着場は、東急池上線の高架下、JR山手線から徒歩5分の目黒川に位置します。

「舟旅通勤」の航路はいくつか存在しますが、今回乗船する「航路6ルート」は、五反田から目黒川を下り、京浜運河を経由して天王洲までを結ぶ所要時間約25分の船旅です。目黒川を船で移動するという概念がこれまでなかったせいか、私が興味を一番持ったルートでした。

目黒川は、中目黒の桜が春の名所として有名です。私も周辺を散策する事がありますが、普段は水深がほぼ無く、コンクリートの川底を澄んだ水が勢いよく流れています。しかし、そこからわずか数キロメートル下流に移動しただけで、船が航行出来る程に水深がある事に驚きました。

調べてみると、中目黒駅の下流側(駒沢通りのあたり)に船入場という場所があり、かつては目黒川が運河として整備され、ここまで船運が行われていたそうです。船入場から下流は感潮区間(潮汐の影響で潮位が変動する)となり、特に太鼓橋からは川底が深く、かつ勾配がほとんどないために、水の流れは停滞傾向にあります。五反田は、そんな海に近い環境にある船着場でした。



船着場には、これから乗船する「第27船清丸」が接岸していました。

屋根はなく、比較的小型のサイズです。川といえども、潮の満ち引きで潮位は変化しますし、橋桁の低いところもあります。このサイズがジャストなのかもしれません。

それでは乗船しましょう。受付で予約していない旨を申告し、交通系ICカードで200円を支払いました。



船内の様子。

各座席には、オレンジ色の救命胴衣が置かれています。



この救命胴衣がクッションも兼ねていて、この上に着席するよう促されました。



7時00分、定刻通りに五反田船着場を離岸。

集まった乗客は5名でした。「舟旅通勤」とは名前が付いていますが、各乗客はスマートフォンで映える景色を撮影するなど、船内のムードは「舟旅観光」の様相です。



わずか数メートル低いだけとはいえ、水面から見上げる視界は、何もかもが大きく感じました。



目黒川は、都市部を流れるだけあって、いくつもの橋が架けられています。

私が乗船した日は、大潮の満潮から数時間後という事もあってか、潮位が高く、桁下までの距離が特に短く感じます。おそらく、立ち上がって手を伸ばせば、橋桁を触れられるところもあるでしょう。(もちろん、そんな事はしませんが)

各橋に表記された「桁下〇.〇メートル」の数字がリアルに実感出来ます。「桁下2.5m」であれば、余裕をもって通行できますが、「桁下2.0m」になると、本当に頭上に橋がある感覚です。



しばらくして、前方から船が近づいてきました。

天王洲発、五反田行きの便です。

すぐに船員さんから「船が揺れます」と注意喚起。



すれ違うと、引き波によって、船体が山や谷を越えるかのように上下しました。

まるで遊園地のアトラクションのようです。幅の狭い川で船同士がすれ違うと、このようになるのですね。エンジンの出力を絞って船を安定させ、クリアしました。



天王洲を目指して、船は進みます。

JR京浜東北線、東海道線の橋桁が迫ってきました。



「桁下〇.〇m」の表記は見つけられませんでしたが、ここも橋桁までの空間が狭く感じます。

橋桁にはリベットが打たれ、重厚感のある無骨な見た目が、余計に心をそそります。



船は進み、水面へと枝を伸ばす、桜が見えました。

春に訪れたならば、さぞかし素敵な風景でしょう。目黒川の桜は、中目黒だけではないのです。



京浜急行線の新馬場駅が見えてきました。

そういえば、この区間の目黒川直下には、首都高速中央環状線(C2)の「山手トンネル」が存在します。

今、私の真下に首都高速があって、いつも乗車するリムジンバスが走っているなんて、なんとも想像しがたい景色でした。



そのうち、一気に視界が開けました。

左側には、天王洲運河の水門「目黒川水門」が見えます。



そのまま首都高速1号羽田線、東京モノレールの高架をくぐり、船は京浜運河へ。

ここまでくれば、天王洲船着場は、すぐそこです。



そして、天王洲船着場に接岸。ここまで約25分の船旅でした。

今回、乗船した区間を鉄道と比較すると、五反田駅~天王洲アイル駅間の所用時間は、山手線とりんかい線を乗り継いで約20分。所要時間はほぼ互角と言えます。運賃は鉄道のIC408円(大人片道)に対し、船は約半額の200円と低廉。ただし、これは品川区の実証事業であるからという面が大きいです。船には屋根がなく、悪天候時や寒冷期、酷暑期を考えると、電車通勤の利用者が、普段使いとして船通勤に移行してくれるかどうかは、難しい課題かもしれません。

とは言え、天気の良い小春日和に、このような船で通勤が出来たならば、普段とは違う、充実した一日が始まりそうです。特に桜の季節は最高でしょう。仕事を終え、時間や心に余裕のある夕方~夜間の帰宅便も、自分へのご褒美になります。通勤だからといって、毎日使わなくてもいい。気の向くままの通勤経路という方向性を目指すのもアリだと思います。

最後になりますが、行政が目指す「水辺のにぎわいの創出」や「身近な観光・交通手段としての船運の定着」を進める過程で、船運が出来る環境にある目黒川を活用する事は決して悪い話ではなく、ここからどのように発展させていけるのか。それが、今回の実証運行(五反田~天王洲ルート)の先の景色となるのかもしれません。

<撮影2022年10月>
 

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京王バス 「新宿~松本線」

2022年09月13日 | バス旅(乗車記)


京王バス 新宿~松本線
松本バスターミナル14時20分発


長野県松本市からこんにちわ。今回のバス旅は、中央高速バス「新宿~松本線」です。

JR松本駅前に位置する、松本バスターミナルにやってきました。アルピコプラザと名付けられた複合ビルの1階がバス乗り場で、ビル内には飲食店街やスーパーマーケット、お土産物店が揃い、バス乗車前に食事をしたり、必要な物を買い揃えられたりと、大変使い勝手の良い場所です。プラットホームの階段からは、地下のスーパーマーケット、お土産物店に直接行き来出来る構造で、私はいつも、ここでお土産物を購入しています。品揃えは豊富で、バス発車時刻の間際まで悩んでしまう事もしばしば。さすがに5分前までにはバスに向かうように心掛けていますが、かさばるお土産物を、旅の最後に購入出来る松本バスターミナルは、手荷物を少なくしたい旅行者に有難い存在です。

さて、スマートフォンの画面を運転手さんに提示して、新宿行きの高速バスに乗り込みます。車両は京王バスのエアロエース。すぐに発車時刻になり、新宿へ向けて出発しました。



それにしても暑い日です。

きちんと車内空調は効いていますが、朝から活動して、汗を吸った衣服を纏っていると、それ以上に涼を求めてしまいます。太陽光線に照らされた車窓の景色は、スモークガラスを通しても明るく、見ているだけで干からびてしまいそうです。ここで一雨降ると、恵みの雨になるのですが、空を見上げても期待は出来そうにありません。



ここでバス車内の紹介です。(※客室画像は以前撮影したもの)

車内前方には、+1000円で利用出来る「Sクラシート」が4席設けられています。大きな座席と稼働枕、コンセントの設備が特徴です。通常はブランケットとスリッパの貸出もありますが、現在は感染症科対策により、休止しています。



今回は「Sクラスシート」を選択しました。

2010年に新宿松本線で始まった「Sクラスシート」は、横3列配列の上位クラス。当時、コンセント付きシートはまだ貴重な存在でしたので、確実にコンセント付きに当たるシートは大きな魅力でした。特に充電スポットが乏しくなりがちな日帰り旅行では、このシートに助けられた機会も多かったです。

ちなみに、今回は「Sクラスシート」を前日に予約購入しました。結構ギリギリですが、実は前日まで予約出来なかったのです。予約サイトに「Sクラスシート」の設定がなく、それまではシートマップを見ても、前方や後方を発売しておらず、どの座席数の仕様車でも対応出来るようになっていました。ようやく前日に「Sクラスシート」の設定が決まり、発売されたところをキャッチしました。

このような動きは、車両運用の都合だと思われます。ただ、予約の埋まり具合を見て、座席数の多い車両を入れるか、座席数は少なくても「Sクラスシート」のように+アルファの収入を期待出来る車両を入れるか、見極めてから運用を決定する事も出来そうです。

結局のところ、前日に設定された「Sクラスシート」は、4席中3席が埋まっていましたし、新宿松本線は比較的、便数が多く、当日でも埋まることから、事前に仮決定している車両運用を需要に応じて調整し、最も収益を得られる車両運用を目指す。もしも、これを事業者が狙ってやっているのだとしたら、極めて高度なダイナミックプライシングだと言えそうです。実際のところはどうなのでしょう。(やっていそうな気もします(^^)



「Sクラスシート」が付いている便は、後方の化粧室がワイドタイプです。

通常の化粧室の倍以上の面積があり、いつ乗車しても、広々としていると感じます。



山梨県に入り、双葉サービスエリアで休憩。

外に出るのも嫌になる日差しですが、せっかくの休憩なので売店まで散策。既にお土産は購入しているので、店内を一周してバスに戻りました。



バスは再び中央自動車道を走行します。

スマートフォンでSNSを閲覧していると、ふと周囲の空が暗くなっている事に気が付きました。

雲が出て来たかな・・・そう思いつつもスマートフォンの画面を注視し続けていると、フロントガラスに大量の雨粒が当たる音が聞こえ、思わず前方を見上げます。

甲府盆地名物、夏の夕立です!



雨粒によって冷やされる、バスボディ。

心なしか、ヒンヤリと車内の空調が強くなったような気がしました。

悪天候の中、ハンドルを握る運転手さんには申し訳ないのですが、恵みの雨で、私の心はリフレッシュ。スマートフォンから甲府の週間天気予報を調べると、連日のように「晴のち雷雨」の予報が表示されました。雨雲レーダーを見ても、今、豪雨なのはここだけ。狭いようで広い日本。局地的に見ると、さまざまな特徴の気候があるものだと実感をしてしまいます。



笹子トンネルを越え、標高を下げていきます。

バスの挙動はスムーズで、乗り心地は申し分ありません。速度の異なる、たくさんの車が同じ高速道路を走っているのに、どうやって乗り心地の良いスマートな運転が出来るのかと、ドライバーさんの技量には感銘をするばかりです。最近では、東急バスが一般ドライバーを対象とした「ペーパードライバー講習」を企画して話題になりましたが、これを発展させて、高速バスのプロが教える「スマートな高速道路走行の講習」なんてものがあったならば、是非とも参加してみたいです。



そして、終点のバスタ新宿に到着しました。

これまで幾度と乗車している「新宿~松本線」ですが、今回は季節によって雰囲気や感じ方が違うと再認識出来た旅となりました。

<撮影2022年7月>
 

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京王バス【味スタ発】新宿駅行き高速シャトルバス

2022年08月11日 | バス旅(乗車記)


太陽の光が燦々と降り注ぐ、夏の午後。

ここは、京王線の飛田給駅から徒歩で約5分、東京都調布市に位置する「味の素スタジアム」です。今回は、サッカー観戦に御縁があり、この地にやって来ました。

広々としたスタジアムで観戦するサッカーも魅力的ですが、バスファンの私にとっては、味スタを発着するシャトルバスも気になります。

観戦するのは、FC東京が主催する日曜日の試合。この状況ならば、試合終了後に「新宿行き 高速シャトルバス」の設定があるだろうと、事前に予想が出来ました。京王バスのワンロマが充当される、このシャトルバスに乗車してみたかったのです。そして開催日が近づくと、スタジアムのアクセス情報に「試合終了後の交通臨時便」の状況がアップされます。確認すると、やはり「味スタ発、新宿駅行き 高速シャトルバス」の記載がありました。過去の経験から、土休日に開催される、FC東京の試合には「新宿行き 高速シャトルバス」が運行される傾向にある事はつかんでいました。

これで、観戦後の帰宅ルートは決まりました。乗車券は試合当日、スタジアム内のコンコース臨時乗車券売り場にて、開門からキックオフまで発売されます。ただし、定員数を完売次第、発売は終了です。また、バス乗り場での発売はありません。



この日の開門は15時30分。

開門と同時にシャトルバスの乗車券発売も開始となります。ただし、この時間に入場出来るのは、優先入場の方のみです。一般入場は16時00分となるため、一旦、待機列に並びます。しばらくして一般入場が始まりました。待機列に並んでいた観客らは我先にと観戦席の確保に向かいますが、私はシャトルバスの乗車券を求めてスタジアム内の外周コンコースへ。京王バスの係員さんがいる臨時乗車券売り場へと向かいました。

新宿駅までの乗車券を購入すると、係員さんは、机に置かれたワンロマ車の座席表から、発売された席数の座席を塗り潰していきます。私が購入したタイミングで、ちょうどワンロマ1台分の座席が塗りつぶされました。「座席指定ではありません」「最終のバスは試合終了20分後(※1台運行時は15分後)に2番のりばから発車します」と教えて頂き、乗車券を受け取りました。運賃は大人が630円、小児が320円です。



交付された緑色の乗車券裏面には、バス乗り場の案内図が描かれていました。

さて、バス乗車券が手に入ったので、次は観戦席です。出遅れたものの、なんとかスタンド自由席で眺めが良さそうな場所を確保。



それでも、キックオフまでは1時間半以上あるので、スタジアム場外へと出てみました。

日曜日だからか、シャトルバスが発車するバスターミナルは、試合開始前のイベント広場となっており、キッチンカーが並んでいます。

縁日を開催しているスペースもあったりして、空き時間を楽しむ事が出来ました。



まもなく、キックオフ。

チームカラーの「青赤」で演出された選手紹介が場内を盛り上げました。



ゲームの方は、序盤からFC東京のペースで進行し、先制ゴール、更には2点目と、良い滑り出し。



さて、ハーフタイム。

このタイミングで、先程のバスターミナルに向かってみました。もうバスは到着しているかな・・・と思いましたが、今はイベント広場の後片づけをしている最中でした。シャトルバスは試合終了後までオアズケです。



売店で夕食を購入して戻りました。

味の素スタジアムの名物「味スタライス」です。ペペロンチーノ味のパスタ&ライスに、ボロネーゼソースをのせた逸品。

大人気メニューの一つだそうです。



後半戦に入り、すっかり暗くなりました。



そして、2点のリードを守り抜き、ここでホイッスル。見事、FC東京が勝利を収めました。

このままいつまでも勝利の余韻に浸っていたいところですが、「新宿行き 高速シャトルバス」の最終発車は、試合終了20分後と案内されていただけに、足早にスタジアム場外へと向かいます。



バスターミナルには、狛江駅行き、武蔵境駅行き、たくさんの小田急バスが停車していました。



私が乗車する、京王バスの新宿行きを発見。

三菱ふそう、エアロスターのワンロマ仕様車です。調布営業所に所属し、深夜急行(※2022年7月現在運休中)や一般路線等で活躍している車両です。

既に乗り場に停車していた新宿行きは、かなり席が埋まっていたので、見送って最終便に乗車する事にしました。



系統表示は「(直 行)新宿駅西口」と表示されています。



最終便が2番乗り場に据え付けられました。

入口で乗車券を呈示。係員さんの改札を受けて車内へと進みます。



着席すると、シートベルト着装の案内がありました。

これから新宿駅までは、高速道路を経由するのです。



20時15分頃、シャトルバスは発車しました。

バスが発車する際、京王バスの地上スタッフの方々が、乗り場から車内の乗客に向かって一礼する姿が印象的でした。



スタジアムの出口で信号待ちの交通集中がありましたが、左折して甲州街道に入ってからは順調に流れました。味スタから調布インターまでは約15分。ここからは中央自動車道を走行します。

車両がワンロマなのを除けば、流れる景色は中央高速バスと同じです。

(気分は、ワンロマ富士五湖線?!)



高井戸インターからは、首都高速4号新宿線へ。

初台で首都高速を降りました。対向車線には、回送表示のワンロマ車が見えます。どうやら調布営業所に戻るシャトルバスのようです。新宿駅近くで更にもう1台すれ違ったので、この日は少なくとも3台の「新宿駅行き 高速シャトルバス」が運行された模様です。

新宿駅が近づくと、西鉄バス「はかた号」の回送、新宿行きのリムジンバスと並走しました。



そして、終点の新宿駅西口に到着。味の素スタジアムから、ここまで38分間の道のりでした。

スタジアムでは、発車時間が決まっている事から、試合終了後の慌ただしさはありました。しかし、それでも、飛田給駅まで人波の中を歩かずにすみ、かつ確実に着席出来るという利点は大きいと感じました。

バスファンにとっては、乗車をするのに極めて難易度が高いシャトルバス(そもそも乗車券を手に入れるのに、サッカーの観戦チケットを購入してスタジアム入場する必要がある)でありますが、イベントに、試合観戦に、食事にと、スタジアムでの楽しみ方はたくさんあるので、気軽に遊びに行く感じでもいいのかなと思います。

<撮影2022年7月>

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京王バス 富士五湖線 エアロバスの旅

2022年01月14日 | バス旅(乗車記)
京王バス公式SNSから最後のエアロバス、50608号車の引退が発表されました。

そこで今回は、同車両の乗車記をアップしたいと思います。2020年11月に乗車し、書きかけの乗車記を加筆したものです。

京王バス 富士五湖線 エアロバス 50608号車
山中湖平野 13時25分発



ここは山梨県の山中湖平野。

この場所にいる訳は、フジエクスプレスのアストロメガがデビューし、平野まで乗車したためです。目的を果たし、どうやって都内へ戻ろうかと思案していると、ターミナルに京王カラーのエアロバスが入線してくるのが見えました。どうやら次の新宿行きになるようです。

選択は決まりました。エアロバスで帰ろう。往路は最新型のアストロメガ、復路は古参のエアロバス。神がかりなバス旅となりました。



世代交代の進行により、京王バスのMS8系エアロは、いよいよ終焉へのカウントダウンが始まったように感じます。バスタ新宿でバスを観察しても、車庫まで見に行っても、この50608号車しか見当たりません。この50608号車が最後の1台と判断してもよさそうです。(※本当に最後の1台でした)

発車まで残りわずか。もうネットで乗車券を購入する時間的猶予は残っていません。フリー乗車あるのみ。



「予約をしていないのですが、新宿までお願いします。」

運転手さんに申告し、バスタ新宿までの乗車券を発券して頂きました。幸いにして座席には余裕があり、車内中程の窓側席をアサインされました。

山中湖平野の発車は13時25分。定刻通りに発車しました。



この車内風景、エンジン音、乗り心地、、、、馴染みの場所に久しぶりに戻ったような感覚です。

私の本格的なバス趣味歴は20年余りなので、三菱ふそうの高速バスといえば、MS8系エアロシリーズで育ちました。高速バスの世界は敷居が高かったのですが、当時は、羽田空港の沖合展開に伴い空港リムジンバス網が発展をした時期で、MS8系エアロには空港リムジンバスでよくお世話になりました。フロントの曲面構造が格好良くて、最先端のデザインだと感じていましたが、今となっては多少レトロな感じもします。それでも、今でも大好きな車種には変わりありません。



平野までの往路はアストロメガの2階に乗車していたので、エアロバスはハイデッカーといえどもアイポイントが随分と下がった感覚です。

秋の深まりを感じさせる紅葉を車窓から眺めていました。来年の紅葉の時期には、この車は残っていてくれるでしょうか。



山中湖に別れを告げて、富士山駅、河口湖駅、富士急ハイランドと進路をとります。



ハイランドを発車する頃には、20人を超える乗客が集まりました。やはり、ある程度は乗客が乗っていないと「富士五湖線」らしくありません。



河口湖インターから、中央自動車道に入りました。

ベテランの車両ですが、整備や運転方が素晴らしいのか、乗り心地はとても良いです。昔からバスファン同士でエアロとセレガはどちらが乗り心地が良いのかと議論になる事もありますが、「エアロは長時間乗車しても疲れにくい」「直進性が良くて揺れない」という意見を聞いた事があります。

この先は都市伝説レベルのネタ話ですが、ある年に製造したエアロは「ふそうの当たり年」で最高級の乗り心地を誇るとか。まるで、ボジョレー・ヌヴォーのキャッチコピーのようですが、冗談半分、いや、99.9パーセント冗談で受け取ってください。本当に(笑)



エアロバスの乗り心地を堪能するようにウトウトとしていると、新宿の高層ビル群が近づいて来ました。



街に溶け込む京王カラーのエアロバス。

まもなく終点のバスタ新宿です。



降車は3階フロア。後方には最新型のヨーロピアン・スタイルが到着しました。

最古参のエアロ・スタイルも、存在感は負けてはいません(^^)

改めてエアロバスの良さを実感した乗車でした。この車がいつまでも元気でありますように。



2022年1月追記:

そういえば、現状の京王高速バスでは、50608号車が最後の三菱ふそう折戸仕様となります。

スイングドアの優雅さも素敵ですが、実用性を兼ね揃えた折戸のエアロバスからは、乗合バスらしい機能美を感じます。折しも2021年春には、現行のエアロエースに折戸仕様が登場しました。ふそうの高速・観光車では久々の復活です。果たして京王エアロエースに折戸仕様が導入される日がくるのかどうか。興味深く見守りたいと思います。

<撮影2020年11月>

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東急バス「溝の口駅~新横浜駅直行バス」

2022年01月12日 | バス旅(乗車記)


東急バス「溝の口駅~新横浜駅直行バス」
溝の口駅9時40分発


JR武蔵溝ノ口駅から、おはようございます。

朝の通勤通学時間帯が一段落し、電車の運行間隔も開いてくる頃です。

今回のバス旅は、溝の口駅~新横浜駅を結ぶ東急バスの「直行バス」に乗車したいと思います。



溝の口は、東急田園都市線・大井町線、JR南武線が集まるターミナル駅です。

駅はペデストリアンデッキ構造となるため、改札口は2階。そこから降りた1階が新横浜駅行き「直行バス」ののりばです。

「直行バス」の時刻表を見ると、朝の7時、8時台は15分間隔で発車。その後、日中は1時間あたり1~2便運行となり、夕方以降は再び増えて1時間あたり2~3便運行となります。終点の新横浜駅では、日本の大動脈「東海道新幹線」に乗り継ぐ事が出来ます。主たる需要は溝の口駅と東海道新幹線との連絡需要です。

実は、JR南武線北部から鉄道で新横浜駅に向かうとなると、道筋は案外面倒くさく、南武線→田園都市線→横浜市営地下鉄「ブルーライン」や、南武線→東横線→横浜線、もしくは南武線→小田急線→横浜線となり、乗り換え回数は2回。しかし、この「直行バス」を利用すれば、乗り換えは1回で済むメリットもあります。


↑ワンロマ車の車内(復路、別車両で撮影)

この路線の車両は、ワンロマ車がメイン。運賃はICカード450円(現金500円)で、1ヶ月定期券(12030円)の設定もあります。

それでは乗車しましょう。ICカードをタッチして車内へ進むと、10人以上の乗客が発車を待っていました。発車時刻が間近になると、乗客数は更に増加します。数えてみると、全員で16人。客層をチェックすると、スーツ姿のサラリーマンや、旅行とわかる家族連れ等。これから東海道新幹線に乗車するのだろうと容易に予想が出来ました。



バスは溝の口駅を発車しました。

まずは、南武沿線道路を走行し、第三京浜道路の京浜川崎インターへ。その道中には2か所の乗車停留所が存在します。高津高校前と高津中学校入口(KSP前)の2か所。この便では、後者の高津中学校入口(KSP前)で2人の乗車がありました。車内の乗客数は18人にまで膨れあがります。



京浜川崎インターでは、ぐるりと180度ターン。横浜方面のスロープを上ります。

9時50分に料金所を通過。ここからは第三京浜道路です。



車の流れは順調。快走しています。

ふと、車窓からは、バスベイのような空間が目に入りました。第三京浜道路には、バスストップはありません。しかし、以前には、第三京浜道路経由で二子玉川園~横浜間を結ぶ路線バスが存在し、いくつかのバスストップが設けられていたそうです。バスベイのような空間は、その跡地でしょうか。もしも、そのバスストップが今も現役であったならば、私が乗車している「直行バス」も、途中停車するような運行をしていたのかもしれません。

増収が期待出来る中間需要となりそうですが、バスストップの復活は難しいものでしょうか。



京浜川崎から2つ目、港北インターで第三京浜道路とはお別れです。

8.5km、時間にして約10分の自動車専用道路区間でした。



港北インターを降りると「美味しいシウマイ、崎陽軒♪」でお馴染み、崎陽軒の横浜工場の脇を通過します。

「シウマイ弁当」は、本社工場・横浜工場製造と、東京工場製造とでは、弁当箱の包装が異なるのは有名な話ですが、こちらで製造しているのは弁当箱を紐で結んでいるタイプです。工場前には売店があり、ここでお弁当等を購入する事も出来ます。



10時04分、日産スタジアム前に到着。

ここでは3人の降車がありました。スタジアムで大規模なイベントが開催される日には、バスが増発される事もあります。

続いて、鳥山大橋でも2人の降車。なんだかんだで、拠点となる溝の口駅、新横浜駅以外でも乗降があるのが、この路線が利用者に定着している証拠と言えます。



そして、10時10分。終点の新横浜駅に到着しました。

乗客の大勢は駅ビル方面へ。溝の口駅からピッタリ30分の道中でした。



「直行バス」の開業は2001年12月です。

比較的、新しい路線だと認識していましたが、気が付けば開業から20年が経過しました。時の流れは早いものですね。

安定した人気を誇る「直行バス」ですが、もしも転機があるとすれば、それは2022年度下期の開業を目指して工事が進められている「相鉄・東急直通線」になるのかもしれません。鉄道の開業が、どのような影響を「直行バス」に与えるのかはわかりませんが、人の流れに変化があるのかどうかは興味深いところです。



とは言え、中間停留所の需要はバスに利点がありますし、イベント開催時の輸送もバスの強みです。1ヶ月定期券が設定されている事から、新幹線以外の通勤需要もあると思われ「乗り換えが少ない」「着席して移動出来る」等のメリットが広く利用者に認知され、更なる路線の発展に繋がるといいなと感じました。

<撮影2021年11月>

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