新古今和歌集の部屋

万葉集巻第五 山上憶良 川越氷川神社


令反惑
情歌碑

萬葉集卷第五所載令反惑情歌并序
                        筑前國守山上臣憶良作
 或有人。知敬父母忘於侍養、不顧妻子、軽於脱徒。自稱倍俗先生。意氣雖揚青雲
 之上、身體猶在塵俗之中。未驗修行得道之聖、蓋是亡命山澤之民。所以指示三
 綱、更開五教、遣之以歌、令反其惑 歌曰
父母乎美禮婆多布升斯妻子見禮婆米具斯宇都久志余能奈迦波加久叙許等
和理母騰利乃可可良波志母与由久弊斯良祢婆宇既具都遠奴伎都流其等
久布美奴伎提由久智布比等波伊波紀欲利奈利提志比等迦奈何名能良佐禰
阿米弊由迦婆奈何麻爾麻尓都智奈良婆大王伊摩周許能提羅周日月能斯多
波阿麻久毛能牟迦夫周伎波美多尓具久能佐和多流伎波美企許斯遠周久尓
能麻保良叙可尓迦久尓保志伎麻邇麻爾斯可爾波阿羅慈迦
   反歌
必佐迦多能阿麻遅波等保斯奈保奈保尓伊弊邇可弊利提奈利乎斯麻佐爾
明治十六年五月 前官幣大社氷川神社宮司大鈘正六位平山省齋蒙額
                   中嶋與十郎書
                    山崎太吾衛門刻字

 或人、父母を敬ふことを知りて、侍養することを忘れ、妻子を顧みずして、脱屣よりも軽にし、 自ら倍俗先生と称く。意気は
 青雲の上に揚がれども、身体は猶し塵俗の中に在り。未だ得道に修行せる聖に験あらず、蓋しこれ山沢に亡命する民ならむか。所以に三
 綱を指示し、五教を更め開き、遣るに歌を以てし、その惑ひを反さしむ。歌に曰く、
父母を見れば貴し、妻子見ればめぐし愛し、世の中はかくぞことわり、もち鳥のかからはしもよ、ゆくへ知らねば穿沓を脱き棄るごとく踏み脱きて、行くちふ人は 石木よりなり出し人か、汝が名告らさね、天へ行かば汝がまにまに、、地ならば大君いますこの照らす日月の下は、天雲の向伏す極み、たにぐくのさ渡る極みきこしめす国のまほらぞ かにかくに 欲しきまにまに しかにはあらじか
 反歌
ひさかたの天道は遠しなほなほに家に帰りて業を為まさに


川越氷川神社
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