新古今和歌集の部屋

明月記 元久二年三月二十八日 新古今翌々日の切り出し

明月記 元久二年三月

廿八日。終日雨降る。夜に入りて雨止み。家長参ずべきの由を示す。即ち、所に参ず。竟宴の歌を持ち来たる。之を書き記す。勅撰猶見るべき由、仰せ事有り。仍て少々引き見る。賀の部の子の日の歌、清正、経信卿の歌相似たり。仍て夾算を加ふ。又哀傷の部、或所より撰進する和泉式部に御返事の上東門院の御歌、周防内侍が歌に相似たり。此の二首奏せしむ。仰せ、経信子の日を止むべし。哀傷のの部の二首、除くべからず。相並べて入るべしと。
宗宣(書き手、宗宣、以経、行能見ず)参ぜず。今日、直さず。…略。

賀歌
709 藤原清正
子の日してしめつる野辺の姫小松ひかでや千代のかげを待たまし
728 大納言経信
子の日する御垣の内の小松ばら千代をば外の物とやは見る

哀傷歌
776 上東門院
思ひきやはかなく置きし袖の上の露を形見にかけむものとは
777 周防内侍
浅茅原はかなく置きし草の上の露をかたみと思ひかけきや
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「新古今和歌集」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事