新古今和歌集の部屋

哀傷歌 伊勢物語 芥川

新古今和歌集 第八 哀傷歌

  題しらず

            在原業平朝臣

白玉か

 何ぞ

  と人の問ひしとき

露とこたへて

   消な

    ましも

      のを

 


読み;しらたまかなにぞとひとのといしときつゆとこたえてけなましものを

意味:あれは真珠の玉ですかと聞かれて露ですよと答えた人は今はもう露のように消えてしまった。そんなことならもっと夢のある違うように言うべきだった。

備考:伊勢物語第六段

 


むかし、をとこありけり。女のえ得まじかりけるを、年を經てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でて、いと暗きに夾けり。芥川といふ河をゐていきければ、草の上におきたりける露をかれは何ぞとなむをとこに問ひける。ゆくさき多く夜もふけにければ、鬼ある所とも知らで、神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる藏に、女をば奧におし入れて、をとこ、ゆみやなぐひを負ひて戸口に居り。はや夜も明けなむと思ひつゝゐたりけるに、鬼はや一口に食いてけり。

あなやといひけれど、神鳴るさわぎにえ聞かざりけり。やう/\夜も明けゆくに、見ればゐて夾し女もなし。足ずりをして泣けどもかひなし。 

白玉かなにぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを

これは、二條の后のいとこの女御の御もとに、仕うまつるやうにてゐ給へりけるを、かたちのいとめでたくおはしければ、盗みて負ひていでたりけるを、御せうと堀河のおとゞ、太郎國經の大納言、まだ下らふにて内へまゐり給ふに、いみじう泣く人あるをきゝつけて、とゞめてとりかへし給うてけり。それを鬼とはいふなりけり。またいと若うて、后のたゞにおはしける時とや。

コメント一覧

jikan314
Re:こんにちは!
sakura様
この芥川説の欠点は、五条后殿(松原通)から芥川まで21.4kmも有ることです。
夜露を知らないどころか、生まれた時から御息所と呼ばれていた高子は、500mも歩いた事が無いはずです。それを21kmも移動させるのは不可能です。鴨川を舟に乗せたのでしょうか?
光悦の絵でも少年が、姫を背負っていますが、
業平 825年生
高子 842年生
高子が12歳とすると業平29歳の出来事となってしまいます。略取誘拐の分別の無い行動にしても歳をとりすぎていますね。
なお、背負って松明持って、弓やなぐいを持つのは不可能です。(笑)
高槻の芥川は、当時の面影も有りませんが、そんな事を思いつつ、高槻市駅から誰もいない川原を歩いてみました。
sakura
こんにちは!
高槻市の芥川は伊勢物語の第六段に書かれている
川だという説があるようですね。
お写真はJR高槻駅から西へと進み、旧西国街道と交わるあたりの芥川でしょうか。

物語には草の葉にキラキラ光るものを何ですか。と尋ねる姫君が書かれていますが、
露すら知らぬお嬢様がいらっしゃったのですね。びっくりです!
俵屋宗達と伝えられる「伊勢物語図色紙」芥川で、
男が姫君をおぶっている様を描いた絵を見たことがあります。
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