読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

東野圭吾「夜明けの街で」

2024年04月06日 | は行の作家
角川文庫2010年7月 初版発行2011年10月 19刷発行391頁不倫する奴なんてバカだと思っていたでもどうしようもない時もある建設会社に勤める渡部は派遣社員の秋葉と不倫の恋に堕ちますしかし、秋葉の家庭は複雑で、両親は離婚、母親は自殺、彼女の横浜の実家では15年前に父の愛人が殺されるという事件まで起こっていました殺人現場で気を失っていた秋葉は真犯人の疑いをかけられながらも沈黙を貫いてきました犯罪 . . . 本文を読む
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馳星周「陽だまりの天使たち ソウルメイトⅡ」

2023年12月13日 | は行の作家
集英社2015年10月 第1刷発行330頁犬と生きる喜びも、犬を失う悲しみも刻まれた情感溢れる7つの物語白血病の少女と愛犬「トイ・プードル」妻に先立たれた男と愛犬「ミックス」目が不自由な物書きと愛犬「ラブラドールレトリバー」親に顔を噛まれた犬がセラピードッグを目指す「バセットハウンド」病魔に侵された愛犬の安楽死を決断する飼い主「フラットコーデットレトリバー」仕事も家庭も無くし自殺場所を探す男が捨て . . . 本文を読む
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馳星周「雨降る森の犬」

2023年11月28日 | は行の作家
集英社2018年6月 第1刷発行418頁9歳で父親を亡くし、東京で母と2人暮らしをしていた中学三年生の広末雨音新しい恋人と渡米する母を嫌い、信州に暮らす叔父の元に身を寄せますバーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルと暮らす山岳カメラマンの叔父・乾道夫は付かず離れず、温かい眼差しで雨音に接します東京とは違うおおらかな風土の中、ワルテルと信頼関係が築かれていき、転校先でできた友人や隣の別荘に時折やって . . . 本文を読む
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馳星周「ソウルメイト」

2023年11月11日 | は行の作家
集英社2013年6月 第1刷発行313頁人間は犬と言葉を交わせないけれど人は犬を理解し、犬も人をよく理解する本当の家族以上に心を交わし合うことができるのだ人と犬を巡る7つの物語言葉を交わせないからこそ、心と心で繋がる関係人より短命な犬との別れには泣かされました犬種によって、性格が違うことくらいは知っていましたが、癌の罹患率が高い、病気になりやすいは知らなかったです犬を飼うのなら、相手としっかり向き . . . 本文を読む
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東野圭吾「クスノキの番人」

2023年08月24日 | は行の作家
実業之日本社2020年3月 初版発行451頁不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗そこへ現れた弁護士は、依頼人の指示に従うなら釈放すると提案心当たりはありませんが、その話に乗り、依頼人の待つ場所へ向かうと、そこには伯母だという高齢の女性が待っていました伯母の指示は、先祖代々所縁のある神社の社務所で暮らしながら不思議な言い伝えのあるクスノキの大木の番人を務める、というもの「不思 . . . 本文を読む
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葉室麟「墨龍賦」

2023年07月09日 | は行の作家
PHP文芸文庫2019年11月 第1版第1刷解説・澤田瞳子 「美しさ」を描く小説323頁晩年に建仁寺の「雲龍図」を描いた遅咲きの絵師・海北友松の生涯とは友松が若くして心ならずも寺に入れられた後、近江浅井家に仕えていた実家・海北家が滅亡御家再興を願いながらも絵師の道を選択した友松でしたが、その身に様々な事件が降りかかります安国寺恵瓊との出会い、明智光秀の片腕・斎藤利三との友情、そして本能寺の変へ武人 . . . 本文を読む
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堀江敏幸「オールドレンズの神のもとで」

2023年06月02日 | は行の作家
文春文庫2022年3月 第1刷207頁色のない世界から色のある世界へ色と記憶をめぐる、記憶や風景に抱かれたシーンを繊細に描き出した18編表題作「オールドレンズの神のもとで」は砂丘を舞台にしたモノクロ写真で知られる写真家・植田正治氏の作品に想を得たもの、とのこと植田氏に関しては福山雅治さんが師匠と仰ぐ写真家、という知識しかありませんでしたが、堀江敏幸さんを読んで作品を見てみたいと思うようになりました . . . 本文を読む
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馳星周「少年と犬」

2023年05月22日 | は行の作家
文藝春秋2020年5月 第1刷発行2020年8月 第7刷発行308頁「男と犬」東日本大震災で仕事を失い家族のために犯罪に手を染めた男コンビニで拾った瘦せこけた犬は男の守り神になりました【宮城県】「泥棒と犬」仲間割れを起こした窃盗団の男は守り神の犬を連れて故国を目指します【宮城県~新潟県】「夫婦と犬」壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいました【富山県】「娼婦と犬」身体を売って男に貢ぐ . . . 本文を読む
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葉真中顕「ロスト・ケア」

2023年05月07日 | は行の作家
光文社2013年2月 初版1刷発行304頁のべ43人もの介護を受ける高齢者を殺害し、そのうち十分に裏が取れた32件の殺人と1件の傷害致死の容疑で起訴された〈彼〉戦後犯罪史に残る凶悪犯に下された判決は死刑でした殺すことで被害者と被害者の家族を救いました僕がやっていたことは介護です喪失の介護「ロスト・ケア」です検察官・大友の取り調べに対し、そう嘯く〈彼〉自らの行為は正しいと言い切ります大友は、死刑判決 . . . 本文を読む
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東野圭吾「素敵な日本人」

2023年03月06日 | は行の作家
2017年4月 初版第1刷発行2017年5月 4刷発行277頁短編集です「正月の決意」夫婦で氏神様へ初詣に出かけたところ本殿前に人が倒れていて…最終章の思わぬ展開に流石東野圭吾さん!、納得でした「十年目のバレンタインデー」流行作家として活躍中もスランプに陥っている作家が久しぶりに元カノと会います終盤は筋が読めてしまいましたけど、作家のスランプ理由が案外あるあるだったりして、なぁんて想 . . . 本文を読む
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藤沢周平「決闘の辻」

2023年02月02日 | は行の作家
新潮文庫2022年2月 発行2022年2月 2刷解説・安部龍太郎 剣と心330頁歴史上名高い剣客の果し合いを描く短編集史料に基づく歴史小説です「二天の窟(宮本武蔵)」老いた宮本武蔵に傲岸不遜な若者が立会いを挑んできます兵法者としての名声を守るため武蔵がとった行動は…「死闘(神子上典膳)」伊藤一刀斎の弟子である神子上典膳と善鬼の決闘を描きます一刀斎も武蔵と同じく老いによる力の衰えを感じ . . . 本文を読む
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藤沢周平「闇の梯子」

2022年10月05日 | は行の作家
文春文庫2011年5月 新装版第1刷2017年8月 第2刷解説・関川夏央 梯子の下の深い闇326頁「父(ちゃん)と呼べ」大工の徳五郎が軽く酒を飲んで帰る途中、たまたま見かけた物盗り騒動下手人の痩せた男は番屋につれていかれ、一緒にいた5歳くらいの男の子が逃げてきます不憫に思った徳五郎はその子を家に連れて帰り、食事を与えます「闇の梯子」まだ若い彫師・清次女房のおたみと裏長屋住まいで、まだ子供はいません . . . 本文を読む
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平野啓一郎「空白を満たしなさい」

2022年09月06日 | は行の作家
上巻講談社文庫2015年 11月 第1刷発行2022年 6月 第15刷発行339頁下巻Kindle講談社文庫 2015年 11月 第1刷発行を電子書籍化240頁NHKの土曜ドラマを見て、よく分からなかったり消化不良だったりした箇所が多かったので原作を読んでみました下巻は紙の書籍入手に時間がかかりそうで、とうとう電子書籍のお世話になることに…電子書籍も悪くないですねけれど、積極的にはな . . . 本文を読む
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葉室麟「孤篷のひと」

2022年08月16日 | は行の作家
角川文庫2018年8月 初版発行解説・東えりか371頁戦国乱世を生き抜き、徳川の天下となったのちも大名として、茶人として名を馳せた小堀遠州の人生を描きます68歳となった遠州徳川幕府の伏見奉行を務める遠州のもとをさまざまな人物が訪れます奈良の豪商で塗師屋の松屋久重作庭を手伝ってきた家臣の村瀬佐助姫宋和の茶人として名高い金森宋和義理の弟で作庭の右腕となった中沼左京弟子の五十嵐宗林医師の宗由絵師の狩野采 . . . 本文を読む
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藤沢周平「逆軍の旗」

2022年07月19日 | は行の作家
文春文庫2014年 2月 新装版第1刷2019年10月    第5刷解説・歴史的事実を描く文体の力 湯川豊303頁戦国武将・明智光秀を描く「逆軍の旗」描く中心は本能寺の変そのものではなく、いかに戦国時代とはいえ人を殺し過ぎる信長に狂気を見、恐怖を感じた光秀が信長誅殺に至るまでと、信長を討ったあとの心の揺れのようなものが精密にたどられます初出は1973年藤沢周平さんが、現時点(2022年)までに研究 . . . 本文を読む
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