100万回生きた猫 あらすじ
飛ばしてくれて良いです。
ある時、猫は誰の猫でもない立派な野良猫となった。猫は、100万回生きた事を自慢し、魅力を感じた周囲のメス猫たちは何とか猫の恋人になろうと、プレゼントを持ってきたり、毛繕いをして猫にすり寄ってくる。それに気を良くしていた猫だったが、唯一自分に関心を示さず、自慢話にも素っ気ない反応しかしない一匹のメスの白猫が気になり始める。何とか興味を引こうとするうちに、いつのまにか猫は、ただ白猫のそばにいたいと思うようになった。そして、白猫も猫の想いを受け入れる。猫は白猫と一緒にいるうちに、自慢話をしなくなっていた。
時がたつと白猫は猫との間に沢山子猫を産み、猫はあれだけ大好きだった自分より、白猫や子猫達の方が好きになっていた。やがて子猫達も立派な野良猫になり猫の元を去って行った。猫は白猫とこれからもずっと一緒にいたいと思ったが、白猫は段々と年老いてゆき、ある日猫の傍で静かに動かなくなっていた。猫は生まれて初めて泣き、死んで動かなくなった白猫を抱えて昼になっても夕方になっても夜になっても朝になっても100万回も泣き続け、ある日のお昼に猫は泣き止んだ。
そして猫も、とうとう白猫の隣で静かに動かなくなり、もう決して生き返らなかった。
100万回生きた猫は、本当は
いったい何が欲しかったのでしょうか。
100万回、どんなに可愛がられても
100万回、飼い主のことを、
好きになれなかった、そうです。
100万回
「自分がいかに強いか」を示してきました。
しかし、一匹の
なんにも出来ないような白い猫に
惹かれ、たくさんの子供を
産み、寄り添い、共に死んでいったことで
猫は大泣きし、
二度と生き返らなかったそうです。
私は思うのですが、それは
「こころから優しくできる相手」に
巡り合ったから、だったのではないでしょうか。
なんにも出来なさそうな、白い猫
その、自分より「弱い存在」に
はじめて、こころから優しくなれたのでは
ないでしょうか。
もう、飼い主に
「自分を立派に見せなくて良い」
「自分を優等生に見せなくて良い」
ただ、弱いあなたを愛したい。
そんな、守りたい存在に
出会えたからではないでしょうか。