ポールクルーグマン教授は
貿易輸出は出稼ぎの一種で
出稼ぎをやる地方は貧困だということは多くの人が共有している認識です
ところが輸出になったとたん
それが分からなくなる
国際経済学者の一致した意見として
貿易輸出をやりすぎる国は貧困国だ
そのように主張し理論を紹介しています
IS-LM( 経済モデル)
このモデルからその結論が正しいかどうかを見ることができるでしょうか
IS
これは本来二つの曲線
投資関数と貯蓄関数を
利子率という一本の曲線にまとめています
投資が盛んになれば融資を受ける人が少なくなり
利子率を下げざるを得なくなるということになります
しかし現在の日本は利子率もゼロですから
このモデルの前提条件が存在していません
そのため利子率の代わりに目標インフレ率
これを利用とする考え方が
インフレーションターゲットです
金融緩和を
IS-LM
このモデルで説明しようとしている人が多いようですが
このモデルと金融緩和とは何の関係もないということを指摘しておきたいと思います
輸出をする国がなぜ貧困国なのか
IS-LM
このモデルの枠組みの中で説明できるでしょうか
LM
この中身が貨幣の通貨量と
( それを支える完全雇用だとしたとしても)
投資関数を
利子率に置き換えてみる以外にありません
投資関数にはボラティリティという考え方がありますから
Exp(-r*T)
この代わりに
Exp(-v*T)
利子率がゼロの場合こうせざるを得なくなります
日本は昔から
投資関数がシフトしないことは知られていますから
IS
これを支えている投資関数の
ボラティリティを利用して説明する
その方法しか思いつきませんね
結局貧困国というのは
国内でボラティリティを作り上げることができないため
海外のマーケットに進出することによって
それは作り上げようとしているという
説明以外思いつきませんね
しかしボラティリティはあまりにも知られている概念ではないので
ボラティリティとインフレ率が関係してることははっきりしていますから
インフレ率を用いる以外にないんです
ここで検討しようと思ったことは
貿易輸出が多すぎる国が貧困国なのが本当かどうかということなんです
私は個人的には正しいように思っています
その理由は説明したつもりですが
ついでと言っては恐縮ですけど
日本銀行の金融緩和政策について指摘しておきたいと思います
今日本銀行が行なっている金融緩和は
IS-LM
このモデルとは関係していません
このモデルの前提条件になっている
投資関数と貯蓄関数を両立させる利子率が
0になってしまっているために
このモデルが成立しないことによって
このモデルの代わりにさまざまな経済学者の理論が出ていたんですね
そして通常の金利政策が効かない場合どうするかと言う
経済学者の様々な理論の中で
インフレーションターゲットを採用した結果行われていることです
もちろんこれが成功してインフレ率が正常に作動し
再び利子率
これが 作動するようになれば
IS-LM
このモデルが再び成立します
それではなぜ日本銀行が金融緩和をやるのでしょうか
これは一種の業界との取引ですよ
インフレ目標2%に協力してもらう代わりに
金融緩和をやっているだけなんですね
しかしどこの業界も日銀の言うこと聞いてくれないし協力していません
いずれにしても
このままでは金融緩和とインフレ率の間にも
因果関係が存在しないと言わざるを得なくなります