ユニバーサルミュージック様
お疲れ様です。
50代後半の自分にとって中坊から社会人になるまでの青春時代、成長に欠かせなかった音楽のひとつに
Express後期(1975~1984年)の杉田二郎さんの歌がありました。
杉田二郎さんの魅力は包容力のある低音の歌声であり、
アリス・さだまさし両氏などと並んで俗に言う”ニューミュージック”の牽引役でした。
しかし残念なことに、現在はオリジナルアルバムのCD化は中途半端なまま製造販売終了となり、
ベストアルバム「ゴールデン☆ベスト」もジローズ(準アイドル)時代を中心とした不完全なものでした。
そこで、歌手として脂がのった1975年のアルバム『題名のない愛の唄』から
1984年のアルバム『Bright』までのExpress作品集を中心に選曲編集して
(1曲のみファンハウス時代音源)
CD2枚組に収めた新規ベストアルバムのリリースを提案したいと思います。
・仮タイトル「EXPRESS 1975 - 1984 」
・CD2枚組、ライナーノーツに杉田さんのインタビューかコメントを入れる
・最新96kHz・24bit でハイレゾ時代にふさわしい音を追求する
・UKメトロポリス社でリマスタリング(監修:伊藤猛 氏(当時のエンジニア)、「八ヶ岳」のみ高中正義 氏も)
・先の再発『青春はまるで映画のように』で「八ヶ岳」が収録されなかったように
マスターテープが現存しない楽曲は、アナログ盤を「レーザーターンテーブル」にかけてマスターを新規製造する
エルプ社「レーザーターンテーブル」ホームページは
https://laserturntable.co.jp/turntable/
次に、ファン代表として全35曲の選曲をし、要点を私的に解説いたします。
[Disc 1 ]
1. ブルーの毛布とビキニの御婦人 (1975 Album『題名のない愛の唄』)
2. 男どうし (〃)
作詞:北山修
作曲:杉田二郎
編曲:青木望
3. 題名のない愛の唄 (〃)
⇒この作品はシンガーソングライターとして”準アイドル”から”漢(おとこ)”への転換期作品だった。
北山修(別名キタヤマ・オ・サム)氏の歌詞を気に入っており、
Express時代も多くの作品を残している。
タイトル曲は”男女愛”を語るなら必ずたどり着く世界と言っても良いだろう。
(これをワイセツと言う奴は文学や自分の価値観を理解できないだろう)
4. マイハート (1977『前夜』)
5. 積木 (1976新録音 Single)
6. 君住む街 (1977『前夜』)
7. ANAK(息子) (1978 Single)
8. (青春は)まるで映画のように (1978『(青春は)まるで映画のように』)
9. オチコボレ (〃)
作詞:北山修
作曲・編曲:筒美京平(1940 - 2020)
10. 海においで (1977『前夜』)
作詞・作曲:杉田二郎
編曲:萩田光雄
11. 僕たちの箱舟 (〃) (ドラマ「三男三女婿一匹」主題歌)
⇒このアルバム選曲の中心のひとつは『(青春は)まるで映画のように』で、
作詞作曲・コラボ曲とも充実していました。
「君住む街」は吉田拓郎作詞作曲にハイファイセットのコーラス、
「ANAK(息子)」はフィリピンの歌手・フレディ・アギラのカバ-曲で、
当時は加藤登紀子嬢との競作としてリリースされた。
「オチコボレ」は個人的に救われた、好きな一曲です。
12. 陽炎 (1979『Good News』)
13. Oh! Babe (〃)
14. エンドマーク(2’46”) (〃)(「日刊アルバイトニュース」CMソング)
15. おまえ (〃)
16. 僕は今、君が欲しい (〃)
17. あの愛の歌を今唄いたい (〃)
18. 八ヶ岳 (1978 Single )
作詞:高石ともや(1941 - 2024)
作曲:杉田二郎
編曲:高中正義
⇒選曲の中心となる二つ目は『Good News』で、アコースティックギターの音が心地良かった。
「陽炎」の歌詞の通り当時の二郎さんは32歳、歌もパフォーマンスも”ピーク”にさしかかっていました。
「エンドマーク」は”あと20年(で)21世紀だ”という歌詞で陳腐化は否めないが、
確かに当時の二郎さんはニューミュージック世代の”兄貴”だった資料として
あえて入れました。
個人的に絶対に入れたかったのがシングルバージョン「八ヶ岳」で、
名ギタリスト高中正義氏による雄大な風景が浮かぶ、ちょっとシンフォニックなサウンドが大好きでした。
(ちなみに、「おまえ」「Song Sung」のコーラスはブレッド&バターのお二人です)
[ Disc 2 ]
1. やわらかい心 (1979 Single)(ドラマ「弁護士かあさん」主題歌)
2. 流れる雲をつれてゆく (1981 Single)
作詞:岡本おさみ(1942 - 2015)
作曲:杉田二郎
編曲:井上鑑
3. 夢の翼 (1980『やさしさは残酷』)
4. やさしさは残酷 (〃)
5. Song Sung(歌い終わった歌) (〃)
6. 銀色の朝 (〃)
7. 地球のどまんなか (〃)
⇒選曲の中心となる三つ目のアルバム『やさしさは残酷』も『Good News』と並んで完成度が高く
コンサート活動も1年で全国138か所も行うなど
今思えばちょうどこの頃がアルバムも歌手活動も”ピーク”だったと言えます。
「流れる雲をつれてゆく」「地球のどまんなか」この後の「ジーンズとハーモニカ」は
まさにそんな旅から生まれた名曲と言えます。
「やさしさは残酷」「Song Sung」は情欲・離婚など”愛は決してきれい事だけではない”ことを教えてくれたシリアスな歌で
ノリ重視でお色気に拒絶反応する今のメディアでは残念ながらまず放送してもらえないでしょう。
幻想的なイントロの「銀色の朝」は今は無き箱根のスタジオでアルバム録音されたようで、
当時自分が好きだったマンガ家・小山田いく氏の作品「ウッドノート」の主人公カップルを思わせました。
https://amzn.to/48FZqiI
8. 寒い時代 (1982『虹のメッセージ』)
9. 漂流 (〃)
10. いつわりの黒い瞳 (〃)
11. 虹のメッセージ (〃)
12. ジーンズとハーモニカ (〃)
⇒この頃になると歌手活動に迷いが生じ出した感があります。
『虹のメッセージ』は作家が多数混在し、曲もAOR・アダルト歌謡の内容が目立ってきました。
(オフコースに関わった武藤敏史氏プロデュース参加の影響でしょうか)
アレンジャーも寺尾聰氏の「ルビーの指環(ゆびわ)」の大ヒットの影響で井上鑑(あきら)氏が起用されています。
そんな中から二郎さん自身・安定した”北山&杉田コンビ”の楽曲を中心に選びました。
個人的には「いつわりの黒い瞳」のミックス音に不満があります。 Rockしてないんですね。
「漂流」は山上路夫・詞、見岳章(ex 一風堂、”雨の西麻布” ”川の流れのように”が有名)・作編曲という異色作。
13. マイホームタウン (1984『Bright』)
14. 海 (ver. 2、編曲:岡崎倫典) (1985 Single ※ファンハウス=現Sony Music音源)
15. 夏が来たから (1984『Bright』)
16. かわいいマリー (〃)
17. さよならジュピター (〃)
作詞:小松左京(1931 - 2011)
作曲:杉田二郎
編曲:新川博(1955 - 2025)
⇒1983年の『メロディーバスケット』はカバー曲・オリジナル楽曲のセルフカバー構成のため、当ベストでは対象外としました。
Express作品として最後となった『Bright』も大人の心情をうかがえる曲が中心となってます。
「海」はこの後ファンハウス時代でも2タイプ編曲される程気に入られてる楽曲で、
この中から自分は1985年のシングル「マグダレーナ~低く飛ぶ鳩」のカップリングとして収録されたAcoustin Guitarのバージョンが
もっとも優れたバージョンと思っています。
このアルバムでも”北山作詞・杉田作曲”が「夏が来たから」で収録されています。
「かわいいマリー」のアレンジャーは青木望氏で、二郎さんの作品には『題名のない愛の歌』以来9年ぶりの参加となりましたが、
青木氏の作品は彼が手掛けたアニメ「銀河鉄道999(スリーナイン)」以降ストリングス編曲で深さ・奥行きが格段に上がり、
この曲でもその感性が活かされました。
「さよならジュピター」は当時制作された小松左京氏原作のSF映画挿入歌であり、 小松氏による作詞でした。
(主題歌はこの歌でなく、ユーミンの「Voyager」だったのが自分には理解できません)
「八ヶ岳」同様に雄大な歌をもって、ベストアルバムのトリにしたいと思います。
二郎さんと東芝EMI(当時)との契約が切れた1984年当時、エキスプレス担当だった新田和長氏が独立してレコード会社ファンハウスを設立、
新田氏との縁が深かった二郎さんもファンハウス移籍は自然の流れだったかもしれません。
(ただあくまで移籍で新田氏が頼りにしていたのはオフコースだけだったようで、
チューリップは移籍後メンバー脱退・人気急降下・1989年解散、
二郎さんも事務所移籍とアダルト歌謡への転身、
甲斐バンドはアルバム『ラブ・マイナス・ゼロ』だけのワンショット契約ののち東芝EMI回帰など、
必ずしも多くの方にメリットがあったのかは個人的に疑問です)
音楽シーンも打ち込みサウンド全盛、安全地帯やレベッカといった次世代が表舞台に登場してゆくなど、
シーン全体が”激動期”だったのは事実でしょう。
思えばタイアップが音楽セールの最大の武器となって以来、
老若男女問わず聴ける音楽が無くなり、いつしか若者ばかりにターゲットが向けられた音楽が中心となってます。
かつてのような大人にも若者にも愛聴できる音楽が生まれるきっかけになれば幸いです。
「余談」
NHK-BSでチューリップの箱根・芦ノ湖畔野外ライブ「1984 “PAGODA”」を観た。
https://www.nhk.jp/p/ts/KZ1WX2427V/episode/te/R37JQP8R2N/
セットリストに初期のヒット曲「心の旅」「魔法の黄色い靴」「夢中さ君に」や、代表曲「虹とスニーカーの頃」「愛の迷路」、
さらには財津和夫のソロ名義でのヒット曲「Wake Up」も入っていた盛り沢山な内容で、
姫野達也・安部俊幸脱退前の最後のピーク期のライブだった。
いやぁー、みんな若かった(笑)。
「2025年1月追記」
1月17日付のご家族のツイートによりますと、
1月8日に新川博さんが虚血性心不全によりお亡くなりになられたとの事で、
17日に葬儀を行われたそうです。
https://x.com/HiroshiShinkawa/status/1880211003448951157/photo/1
ハイファイセット、カルロストシキ時代のオメガトライブ、
また2000年代にはビクターより大人の聴ける音楽レーベルを提唱した”aosis records”を主宰して
レーベル作品のプロデュースに携わりました。
J-POPSの貴重なミュージシャンがまた一人他界されてしまい、
哀しくてなりません、
こころよりご冥福をお祈り申し上げます。
----------------------------
2024年11月3日付訪問者数:194名様
2024年11月12日付訪問者数:198名様
2024年12月31日付訪問者数:208名様
お付き合いいただき、ありがとうございました。
お疲れ様です。
50代後半の自分にとって中坊から社会人になるまでの青春時代、成長に欠かせなかった音楽のひとつに
Express後期(1975~1984年)の杉田二郎さんの歌がありました。
杉田二郎さんの魅力は包容力のある低音の歌声であり、
アリス・さだまさし両氏などと並んで俗に言う”ニューミュージック”の牽引役でした。
しかし残念なことに、現在はオリジナルアルバムのCD化は中途半端なまま製造販売終了となり、
ベストアルバム「ゴールデン☆ベスト」もジローズ(準アイドル)時代を中心とした不完全なものでした。
そこで、歌手として脂がのった1975年のアルバム『題名のない愛の唄』から
1984年のアルバム『Bright』までのExpress作品集を中心に選曲編集して
(1曲のみファンハウス時代音源)
CD2枚組に収めた新規ベストアルバムのリリースを提案したいと思います。
・仮タイトル「EXPRESS 1975 - 1984 」
・CD2枚組、ライナーノーツに杉田さんのインタビューかコメントを入れる
・最新96kHz・24bit でハイレゾ時代にふさわしい音を追求する
・UKメトロポリス社でリマスタリング(監修:伊藤猛 氏(当時のエンジニア)、「八ヶ岳」のみ高中正義 氏も)
・先の再発『青春はまるで映画のように』で「八ヶ岳」が収録されなかったように
マスターテープが現存しない楽曲は、アナログ盤を「レーザーターンテーブル」にかけてマスターを新規製造する
エルプ社「レーザーターンテーブル」ホームページは
https://laserturntable.co.jp/turntable/
次に、ファン代表として全35曲の選曲をし、要点を私的に解説いたします。
[Disc 1 ]
1. ブルーの毛布とビキニの御婦人 (1975 Album『題名のない愛の唄』)
2. 男どうし (〃)
作詞:北山修
作曲:杉田二郎
編曲:青木望
3. 題名のない愛の唄 (〃)
⇒この作品はシンガーソングライターとして”準アイドル”から”漢(おとこ)”への転換期作品だった。
北山修(別名キタヤマ・オ・サム)氏の歌詞を気に入っており、
Express時代も多くの作品を残している。
タイトル曲は”男女愛”を語るなら必ずたどり着く世界と言っても良いだろう。
(これをワイセツと言う奴は文学や自分の価値観を理解できないだろう)
4. マイハート (1977『前夜』)
5. 積木 (1976新録音 Single)
6. 君住む街 (1977『前夜』)
7. ANAK(息子) (1978 Single)
8. (青春は)まるで映画のように (1978『(青春は)まるで映画のように』)
9. オチコボレ (〃)
作詞:北山修
作曲・編曲:筒美京平(1940 - 2020)
10. 海においで (1977『前夜』)
作詞・作曲:杉田二郎
編曲:萩田光雄
11. 僕たちの箱舟 (〃) (ドラマ「三男三女婿一匹」主題歌)
⇒このアルバム選曲の中心のひとつは『(青春は)まるで映画のように』で、
作詞作曲・コラボ曲とも充実していました。
「君住む街」は吉田拓郎作詞作曲にハイファイセットのコーラス、
「ANAK(息子)」はフィリピンの歌手・フレディ・アギラのカバ-曲で、
当時は加藤登紀子嬢との競作としてリリースされた。
「オチコボレ」は個人的に救われた、好きな一曲です。
12. 陽炎 (1979『Good News』)
13. Oh! Babe (〃)
14. エンドマーク(2’46”) (〃)(「日刊アルバイトニュース」CMソング)
15. おまえ (〃)
16. 僕は今、君が欲しい (〃)
17. あの愛の歌を今唄いたい (〃)
18. 八ヶ岳 (1978 Single )
作詞:高石ともや(1941 - 2024)
作曲:杉田二郎
編曲:高中正義
⇒選曲の中心となる二つ目は『Good News』で、アコースティックギターの音が心地良かった。
「陽炎」の歌詞の通り当時の二郎さんは32歳、歌もパフォーマンスも”ピーク”にさしかかっていました。
「エンドマーク」は”あと20年(で)21世紀だ”という歌詞で陳腐化は否めないが、
確かに当時の二郎さんはニューミュージック世代の”兄貴”だった資料として
あえて入れました。
個人的に絶対に入れたかったのがシングルバージョン「八ヶ岳」で、
名ギタリスト高中正義氏による雄大な風景が浮かぶ、ちょっとシンフォニックなサウンドが大好きでした。
(ちなみに、「おまえ」「Song Sung」のコーラスはブレッド&バターのお二人です)
[ Disc 2 ]
1. やわらかい心 (1979 Single)(ドラマ「弁護士かあさん」主題歌)
2. 流れる雲をつれてゆく (1981 Single)
作詞:岡本おさみ(1942 - 2015)
作曲:杉田二郎
編曲:井上鑑
3. 夢の翼 (1980『やさしさは残酷』)
4. やさしさは残酷 (〃)
5. Song Sung(歌い終わった歌) (〃)
6. 銀色の朝 (〃)
7. 地球のどまんなか (〃)
⇒選曲の中心となる三つ目のアルバム『やさしさは残酷』も『Good News』と並んで完成度が高く
コンサート活動も1年で全国138か所も行うなど
今思えばちょうどこの頃がアルバムも歌手活動も”ピーク”だったと言えます。
「流れる雲をつれてゆく」「地球のどまんなか」この後の「ジーンズとハーモニカ」は
まさにそんな旅から生まれた名曲と言えます。
「やさしさは残酷」「Song Sung」は情欲・離婚など”愛は決してきれい事だけではない”ことを教えてくれたシリアスな歌で
ノリ重視でお色気に拒絶反応する今のメディアでは残念ながらまず放送してもらえないでしょう。
幻想的なイントロの「銀色の朝」は今は無き箱根のスタジオでアルバム録音されたようで、
当時自分が好きだったマンガ家・小山田いく氏の作品「ウッドノート」の主人公カップルを思わせました。
https://amzn.to/48FZqiI
8. 寒い時代 (1982『虹のメッセージ』)
9. 漂流 (〃)
10. いつわりの黒い瞳 (〃)
11. 虹のメッセージ (〃)
12. ジーンズとハーモニカ (〃)
⇒この頃になると歌手活動に迷いが生じ出した感があります。
『虹のメッセージ』は作家が多数混在し、曲もAOR・アダルト歌謡の内容が目立ってきました。
(オフコースに関わった武藤敏史氏プロデュース参加の影響でしょうか)
アレンジャーも寺尾聰氏の「ルビーの指環(ゆびわ)」の大ヒットの影響で井上鑑(あきら)氏が起用されています。
そんな中から二郎さん自身・安定した”北山&杉田コンビ”の楽曲を中心に選びました。
個人的には「いつわりの黒い瞳」のミックス音に不満があります。 Rockしてないんですね。
「漂流」は山上路夫・詞、見岳章(ex 一風堂、”雨の西麻布” ”川の流れのように”が有名)・作編曲という異色作。
13. マイホームタウン (1984『Bright』)
14. 海 (ver. 2、編曲:岡崎倫典) (1985 Single ※ファンハウス=現Sony Music音源)
15. 夏が来たから (1984『Bright』)
16. かわいいマリー (〃)
17. さよならジュピター (〃)
作詞:小松左京(1931 - 2011)
作曲:杉田二郎
編曲:新川博(1955 - 2025)
⇒1983年の『メロディーバスケット』はカバー曲・オリジナル楽曲のセルフカバー構成のため、当ベストでは対象外としました。
Express作品として最後となった『Bright』も大人の心情をうかがえる曲が中心となってます。
「海」はこの後ファンハウス時代でも2タイプ編曲される程気に入られてる楽曲で、
この中から自分は1985年のシングル「マグダレーナ~低く飛ぶ鳩」のカップリングとして収録されたAcoustin Guitarのバージョンが
もっとも優れたバージョンと思っています。
このアルバムでも”北山作詞・杉田作曲”が「夏が来たから」で収録されています。
「かわいいマリー」のアレンジャーは青木望氏で、二郎さんの作品には『題名のない愛の歌』以来9年ぶりの参加となりましたが、
青木氏の作品は彼が手掛けたアニメ「銀河鉄道999(スリーナイン)」以降ストリングス編曲で深さ・奥行きが格段に上がり、
この曲でもその感性が活かされました。
「さよならジュピター」は当時制作された小松左京氏原作のSF映画挿入歌であり、 小松氏による作詞でした。
(主題歌はこの歌でなく、ユーミンの「Voyager」だったのが自分には理解できません)
「八ヶ岳」同様に雄大な歌をもって、ベストアルバムのトリにしたいと思います。
二郎さんと東芝EMI(当時)との契約が切れた1984年当時、エキスプレス担当だった新田和長氏が独立してレコード会社ファンハウスを設立、
新田氏との縁が深かった二郎さんもファンハウス移籍は自然の流れだったかもしれません。
(ただあくまで移籍で新田氏が頼りにしていたのはオフコースだけだったようで、
チューリップは移籍後メンバー脱退・人気急降下・1989年解散、
二郎さんも事務所移籍とアダルト歌謡への転身、
甲斐バンドはアルバム『ラブ・マイナス・ゼロ』だけのワンショット契約ののち東芝EMI回帰など、
必ずしも多くの方にメリットがあったのかは個人的に疑問です)
音楽シーンも打ち込みサウンド全盛、安全地帯やレベッカといった次世代が表舞台に登場してゆくなど、
シーン全体が”激動期”だったのは事実でしょう。
思えばタイアップが音楽セールの最大の武器となって以来、
老若男女問わず聴ける音楽が無くなり、いつしか若者ばかりにターゲットが向けられた音楽が中心となってます。
かつてのような大人にも若者にも愛聴できる音楽が生まれるきっかけになれば幸いです。
「余談」
NHK-BSでチューリップの箱根・芦ノ湖畔野外ライブ「1984 “PAGODA”」を観た。
https://www.nhk.jp/p/ts/KZ1WX2427V/episode/te/R37JQP8R2N/
セットリストに初期のヒット曲「心の旅」「魔法の黄色い靴」「夢中さ君に」や、代表曲「虹とスニーカーの頃」「愛の迷路」、
さらには財津和夫のソロ名義でのヒット曲「Wake Up」も入っていた盛り沢山な内容で、
姫野達也・安部俊幸脱退前の最後のピーク期のライブだった。
いやぁー、みんな若かった(笑)。
「2025年1月追記」
1月17日付のご家族のツイートによりますと、
1月8日に新川博さんが虚血性心不全によりお亡くなりになられたとの事で、
17日に葬儀を行われたそうです。
https://x.com/HiroshiShinkawa/status/1880211003448951157/photo/1
ハイファイセット、カルロストシキ時代のオメガトライブ、
また2000年代にはビクターより大人の聴ける音楽レーベルを提唱した”aosis records”を主宰して
レーベル作品のプロデュースに携わりました。
J-POPSの貴重なミュージシャンがまた一人他界されてしまい、
哀しくてなりません、
こころよりご冥福をお祈り申し上げます。
----------------------------
2024年11月3日付訪問者数:194名様
2024年11月12日付訪問者数:198名様
2024年12月31日付訪問者数:208名様
お付き合いいただき、ありがとうございました。