本日2021年1月11日、BSプレミアムにて21時より「鉄道員(ぽっぽや)」が放送されます。
そこで、ぜひこの記事を思い出して欲しいと思い、
再度 up いたしました。
ロケの舞台となりました幾寅駅の通る根室本線「富良野~新得間」が一刻も速く復旧されますよう、
南富良野町ならびに沿線自治体の方々には奮起を、
JR北海道の方々にはこの路線価値の再評価をされますよう、強く願います。
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(ブログ初出:2019年5月6日)
北海道新聞 2019年4月7日付「風・論説委員室」から
「鉄道員」20年後の風景 浜中淳
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/294100?rct=c_wind
ちょうど1週間前、JR石勝線夕張支線(新夕張~夕張)が最後の運行を終え、127年の歴史の幕を閉じた。
夕張駅で最終列車を見送る市民らの手には黄色いハンカチが握られていた。
黄色いハンカチは、高倉健さん主演の映画「幸福の黄色いハンカチ」にちなんだ夕張のシンボルだが、
今回の最終運行の光景を目にして、高倉さんのもう一つの主演映画に思いをはせた人も多かったのではないか。
北海道の小さな駅を1人で守る定年間近の駅長を主人公にした作品「鉄道員(ぽっぽや)」(降旗康男監督)
である。
この映画で高倉さんは、架空の赤字ローカル線「幌舞線」の終着駅「幌舞」の駅長佐藤乙松を演じた。
幌舞はかつて炭鉱のまちとして栄え、その石炭を運び出すために鉄道が活躍したという設定で、
夕張と夕張支線の関係を思い起こさせる。
夕張と同様、炭鉱閉山とともに幌舞の人口は激減。
幌舞線もすでに1両編成の気動車が1日数往復するだけで、利用者はほとんどいない。
乙松の定年退職と同時に幌舞線も廃止される運命にあるのだ。
作品を貫いているのは、そんな寂れた鉄路であっても手を抜くことなく
日々の運行を支えていこうとする鉄道員の気概である。
乙松は生まれたばかりの娘を病気で亡くし、さらに妻にも先立たれるが、
2人を病院でみとるよりも駅に残って職務を続けることを選ぶ。
「鉄道員は身内のために涙を流すわけにはいかない」と強がりながら、娘が亡くなるまさにその時、
駅で雪はねをし、日報に「本日異状なし」と書いていたと自らを責める場面は胸に迫るものがある。
映画は一方で、駅を1人で守り抜いてきた乙松が地域の人たちに慕われ、深い信頼の絆で結ばれていることを、
さりげないエピソードの積み重ねによって描き出す。
鉄道がいかに地域に根ざした存在であるかを再認識させてくれる作品である。
「鉄道員(ぽっぽや)」が1999年6月に公開されてから20年。
あの作品と比べ、北海道の鉄道をとりまく風景がずいぶん寒々としたものになったと感じるのは筆者だけだろうか。
JR北海道は2年半前、単独では維持困難とする13区間を発表した。
映画で「幌舞駅」のロケ撮影が行われた幾寅駅(上川管内南富良野町)を含む根室線「富良野~新得間」が
対象路線に含まれたのは皮肉だ。
それ以上に気になるのが、JRと沿線自治体の関係があまりにもぎくしゃくしてしまったことである。
いかにJRが経営難にあるとはいえ、「バス転換するか」「路線維持のために財政支援するか」の
二者択一をいきなり迫られた自治体の困惑と不満は理解できる。
一方で、鉄道の現場で働くJRグループの社員の多くは、乙松がそうであったように、
たとえ利用がない場合でも、早朝から除雪作業を行うなどして日々の列車の運行を支えている。
その「疲労感」に目を向けることも必要ではないかと思う。
本来ならば支え合うべき沿線自治体とJRを対立させているものは何か。
32年前に国鉄改革を行った国が、その失敗のつけを地域に回しているようにしか見えない。
この根本に立ち返らない限り、路線見直し問題は解決しない。
鉄道員(ぽっぽや)(予告編)
おつかれさま。
by 川上ちまき 2014-02-20 19:37 on pixiv
健さんが演じた佐藤乙松。 なんて愚直で、素敵な男なんだろうか。
「幾寅駅」の通る根室線は、たしかに今は札幌と道東を結ぶ存在は
「石勝線」に奪われてしまったのかもしれない。
でも、今もなお旭川・富良野(道北)と帯広・釧路(道東)を結ぶ重要幹線であることに
何の変わりもないはずだ。
貨物輸送や遊覧観光列車としてみれば、いやそれだけじゃない、
火事場泥棒の国が道東を射程距離に入れたミサイルを配備している今、
国土防衛の観点でもやはり重要な路線だ。
その駅の日常乗客数だけで鉄道を切り捨てると、必ず北海道そのものに悪影響を及ぼすだろう。
問題は、JR北海道本部の上部人間が「東京」と「整備新幹線」しか見ていないことだと思う。
たかだか、「新幹線の直結」ひとつのために、犠牲になるものの多さを思う。
鉄道員 (ぽっぽや) 主題歌「鉄道員」
歌詞:J-Lyric.net
http://j-lyric.net/artist/a00231b/l001891.html
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2019年5月6日付訪問者数:304名様!
2020年4月4日付訪問者数:234名様
2020年4月5日付訪問者数:259名様
2021年1月11日付訪問者数:291名様
どひゃあーー!!
怖いよ怖いよ~
…えー、お付き合いいただきありがとうございました。
そこで、ぜひこの記事を思い出して欲しいと思い、
再度 up いたしました。
ロケの舞台となりました幾寅駅の通る根室本線「富良野~新得間」が一刻も速く復旧されますよう、
南富良野町ならびに沿線自治体の方々には奮起を、
JR北海道の方々にはこの路線価値の再評価をされますよう、強く願います。
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(ブログ初出:2019年5月6日)
北海道新聞 2019年4月7日付「風・論説委員室」から
「鉄道員」20年後の風景 浜中淳
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/294100?rct=c_wind
ちょうど1週間前、JR石勝線夕張支線(新夕張~夕張)が最後の運行を終え、127年の歴史の幕を閉じた。
夕張駅で最終列車を見送る市民らの手には黄色いハンカチが握られていた。
黄色いハンカチは、高倉健さん主演の映画「幸福の黄色いハンカチ」にちなんだ夕張のシンボルだが、
今回の最終運行の光景を目にして、高倉さんのもう一つの主演映画に思いをはせた人も多かったのではないか。
北海道の小さな駅を1人で守る定年間近の駅長を主人公にした作品「鉄道員(ぽっぽや)」(降旗康男監督)
である。
この映画で高倉さんは、架空の赤字ローカル線「幌舞線」の終着駅「幌舞」の駅長佐藤乙松を演じた。
幌舞はかつて炭鉱のまちとして栄え、その石炭を運び出すために鉄道が活躍したという設定で、
夕張と夕張支線の関係を思い起こさせる。
夕張と同様、炭鉱閉山とともに幌舞の人口は激減。
幌舞線もすでに1両編成の気動車が1日数往復するだけで、利用者はほとんどいない。
乙松の定年退職と同時に幌舞線も廃止される運命にあるのだ。
作品を貫いているのは、そんな寂れた鉄路であっても手を抜くことなく
日々の運行を支えていこうとする鉄道員の気概である。
乙松は生まれたばかりの娘を病気で亡くし、さらに妻にも先立たれるが、
2人を病院でみとるよりも駅に残って職務を続けることを選ぶ。
「鉄道員は身内のために涙を流すわけにはいかない」と強がりながら、娘が亡くなるまさにその時、
駅で雪はねをし、日報に「本日異状なし」と書いていたと自らを責める場面は胸に迫るものがある。
映画は一方で、駅を1人で守り抜いてきた乙松が地域の人たちに慕われ、深い信頼の絆で結ばれていることを、
さりげないエピソードの積み重ねによって描き出す。
鉄道がいかに地域に根ざした存在であるかを再認識させてくれる作品である。
「鉄道員(ぽっぽや)」が1999年6月に公開されてから20年。
あの作品と比べ、北海道の鉄道をとりまく風景がずいぶん寒々としたものになったと感じるのは筆者だけだろうか。
JR北海道は2年半前、単独では維持困難とする13区間を発表した。
映画で「幌舞駅」のロケ撮影が行われた幾寅駅(上川管内南富良野町)を含む根室線「富良野~新得間」が
対象路線に含まれたのは皮肉だ。
それ以上に気になるのが、JRと沿線自治体の関係があまりにもぎくしゃくしてしまったことである。
いかにJRが経営難にあるとはいえ、「バス転換するか」「路線維持のために財政支援するか」の
二者択一をいきなり迫られた自治体の困惑と不満は理解できる。
一方で、鉄道の現場で働くJRグループの社員の多くは、乙松がそうであったように、
たとえ利用がない場合でも、早朝から除雪作業を行うなどして日々の列車の運行を支えている。
その「疲労感」に目を向けることも必要ではないかと思う。
本来ならば支え合うべき沿線自治体とJRを対立させているものは何か。
32年前に国鉄改革を行った国が、その失敗のつけを地域に回しているようにしか見えない。
この根本に立ち返らない限り、路線見直し問題は解決しない。
鉄道員(ぽっぽや)(予告編)
おつかれさま。
by 川上ちまき 2014-02-20 19:37 on pixiv
健さんが演じた佐藤乙松。 なんて愚直で、素敵な男なんだろうか。
「幾寅駅」の通る根室線は、たしかに今は札幌と道東を結ぶ存在は
「石勝線」に奪われてしまったのかもしれない。
でも、今もなお旭川・富良野(道北)と帯広・釧路(道東)を結ぶ重要幹線であることに
何の変わりもないはずだ。
貨物輸送や遊覧観光列車としてみれば、いやそれだけじゃない、
火事場泥棒の国が道東を射程距離に入れたミサイルを配備している今、
国土防衛の観点でもやはり重要な路線だ。
その駅の日常乗客数だけで鉄道を切り捨てると、必ず北海道そのものに悪影響を及ぼすだろう。
問題は、JR北海道本部の上部人間が「東京」と「整備新幹線」しか見ていないことだと思う。
たかだか、「新幹線の直結」ひとつのために、犠牲になるものの多さを思う。
鉄道員 (ぽっぽや) 主題歌「鉄道員」
歌詞:J-Lyric.net
http://j-lyric.net/artist/a00231b/l001891.html
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どひゃあーー!!
怖いよ怖いよ~
…えー、お付き合いいただきありがとうございました。