HTBニュース 2024年10月21日付
「石破総理 「″経営状況が厳しいから路線を減らす”でいいのか」とJR北海道の姿勢に疑問」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c88a71415f873c6e81b96afdb8191d3c8b2df74d
石破茂総理大臣は18日、札幌市内のホテルで開かれた演説会で
厳しい経営で国による支援が続くJR北海道について自身の考えを述べました。
石破総理はこの中で
「こと細かく申し上げる立場にもありませんし、
総理大臣があれこれ言ったというと、大きな影響が出るのかもしれないが、承知の上で申し上げる」
と前置きしたうえで
「状況が厳しい、だから本数を減らす。
状況が厳しい、だからサービスを落とす。
状況が厳しいから路線を減らす。
本当にそれでいいのだろうか」と疑問を呈しました。
さらに
「北海道の鉄道というのは、通勤路線があり、物資輸送の路線があり、国境地帯を走る路線がある」
と鉄路の重要性を強調し
「もっとサービスを良くして、路線を充実をさせ、
この地域において、北海道の魅力を最大限に引き出していくために
もう一度きちんと見直していきたいと考えている」と述べ、
北海道の大切なインフラであるとの認識を示しました。
----------------------------
鉄道乗蔵 さん(鉄道ライター) 2024年10月18日付コラム
「「石破政権に北海道の鉄道維持の対策期待」「JR北は利用者目線に欠けている」
道財界トップ地元紙で語る
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2220623579cf6208262e52f44096e6ccb5301ce6
★石破政権に北海道の鉄道維持の対策期待
2024年10月18日の北海道新聞朝刊に、
北海道商工会議所連合会の岩田圭剛会頭の北海道経済の先行きについてのインタビュー記事が掲載された。
インタビュー内容の大半は千歳市で建設が進む次世代半導体工場ラピダスに関係するものであったが、
北海道新聞の記者から石破茂氏の首相就任による北海道向けの政策に対する期待を尋ねられたところ、
岩田氏は「北海道はインフラ整備が遅れているため、もっと国の関与が必要」
と述べ、「JR北海道の問題」にも言及した。
岩田氏は、北海道の鉄道維持へ必要な対策として、
「1987年の国鉄の分割民営化スキームは完全に崩れている。
経営安定化基金の運用益で(赤字を)埋める想定は機能していない。
見直してもらいたい」述べた。
さらに、JR北海道の取り組みについては、
「われわれも運動しなければならないが、
JR北海道も『1人でも多く利用してもらうためにどうすればいいのか』
という視点が置き去りになっている気がする。
特急に乗っても、車内販売もなければ、自販機もない。
利用者目線をもう少し持ってほしい」と述べた。
★「攻めすぎた廃線」で交通危機の北海道
2024年8月31日の豪雨でJR石勝線が4日間にわたって寸断された際には、
札幌と帯広・釧路方面を結ぶ特急列車のバス代行輸送は行われず、
同区間を走行する貨物列車のトラック代行輸送もほとんど行われなかったことが明らかとなった。
昨今、問題が深刻化しているドライバー不足の問題も背景にあり、
石勝線の迂回ルートとなり得た根室本線の富良野~新得間すらこの3月31日限りで廃止してしまった。
北海道では、こうした「攻めすぎた廃線」により
1カ所の鉄路の寸断が、都市間交通や物流の寸断につながりかねない事態に陥っている。
さらに、北海道新幹線の問題でも、
行政や経済界は北海道新幹線の建設そのものにしか興味がなく、
新幹線開業後にその経済効果をどのように地域に波及させるのかという視点が欠落している。
並行在来線の議論についても、廃止・バス転換ありきでの議論が先行し、
新幹線開業に向けて2次交通として在来線をどのように活用し、
経済効果を地域に波及させるのか、という議論が全く行われていないことは
大きな問題であると筆者は認識している。
北海道商工会議所連合会で、北海道の鉄道維持に向けて
「運動が必要である」という認識を持っているのであれば、
まずはJR北海道問題の本質的な解決のために、
国の低金利政策のもとでJR北海道が得られなくなった分の経営安定基金の運用益を、
石破政権が国の運輸政策として手当するように運動をすることが重要ではないだろうか。
その上で、災害時の危機管理も含めて迂回ルートとして必要な鉄道路線については、
廃線の復活や再整備が求められる。
北海道新幹線の札幌延伸についても、2次交通としての在来線を活用することで
地域に経済効果を波及できるような準備を今から行っていく必要がある。
異例!北海道経済界のトップがJR北海道に苦言。「利用者目線に欠けている!」
(【北海道】乗り物大好きチャンネル 様 映像提供)
佐藤信之.さん(交通評論家/亜細亜大学講師)のコメント
「北海道に現在ある社会インフラとして、鉄道施設をどのように生かすのかというビジョンが必要です。
道路輸送に依存している自衛隊関連の輸送に鉄道を利用するということも考えられるでしょう。
また道内で完結する漁業・農産物の輸送も取り込めていません。
JR貨物は、全国規模で運行する会社であり、地域物流には不向きで、
北海道内のリソースと貨物駅・営業所で対応可能かも問題です。
JR貨物に頼らずに済む新しい貨物鉄道会社等、地域物流の仕組みが必要になるでしょう。
また旅客輸送でも、札幌圏以外になかなか収益が期待できるエリアがありません。
ただ海外からの観光客に対してアピールできる観光素材が豊富にあります。
これも海外発の観光客を受け入れるには、事業エリアが限られるJR北海道には力不足です。
国内外の旅行会社などの出資による観光列車会社の設立が望まれます。
ときに海外の企業を巻き込んだ、大きな発想での取り組みが必要です。」
北海道新幹線建設ありきの発想を改めて、道内の在来線をしっかり整備して、
富良野~新得間の路線の復活に向けて活動して頂きたいです。
「石破総理 「″経営状況が厳しいから路線を減らす”でいいのか」とJR北海道の姿勢に疑問」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c88a71415f873c6e81b96afdb8191d3c8b2df74d
石破茂総理大臣は18日、札幌市内のホテルで開かれた演説会で
厳しい経営で国による支援が続くJR北海道について自身の考えを述べました。
石破総理はこの中で
「こと細かく申し上げる立場にもありませんし、
総理大臣があれこれ言ったというと、大きな影響が出るのかもしれないが、承知の上で申し上げる」
と前置きしたうえで
「状況が厳しい、だから本数を減らす。
状況が厳しい、だからサービスを落とす。
状況が厳しいから路線を減らす。
本当にそれでいいのだろうか」と疑問を呈しました。
さらに
「北海道の鉄道というのは、通勤路線があり、物資輸送の路線があり、国境地帯を走る路線がある」
と鉄路の重要性を強調し
「もっとサービスを良くして、路線を充実をさせ、
この地域において、北海道の魅力を最大限に引き出していくために
もう一度きちんと見直していきたいと考えている」と述べ、
北海道の大切なインフラであるとの認識を示しました。
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鉄道乗蔵 さん(鉄道ライター) 2024年10月18日付コラム
「「石破政権に北海道の鉄道維持の対策期待」「JR北は利用者目線に欠けている」
道財界トップ地元紙で語る
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2220623579cf6208262e52f44096e6ccb5301ce6
★石破政権に北海道の鉄道維持の対策期待
2024年10月18日の北海道新聞朝刊に、
北海道商工会議所連合会の岩田圭剛会頭の北海道経済の先行きについてのインタビュー記事が掲載された。
インタビュー内容の大半は千歳市で建設が進む次世代半導体工場ラピダスに関係するものであったが、
北海道新聞の記者から石破茂氏の首相就任による北海道向けの政策に対する期待を尋ねられたところ、
岩田氏は「北海道はインフラ整備が遅れているため、もっと国の関与が必要」
と述べ、「JR北海道の問題」にも言及した。
岩田氏は、北海道の鉄道維持へ必要な対策として、
「1987年の国鉄の分割民営化スキームは完全に崩れている。
経営安定化基金の運用益で(赤字を)埋める想定は機能していない。
見直してもらいたい」述べた。
さらに、JR北海道の取り組みについては、
「われわれも運動しなければならないが、
JR北海道も『1人でも多く利用してもらうためにどうすればいいのか』
という視点が置き去りになっている気がする。
特急に乗っても、車内販売もなければ、自販機もない。
利用者目線をもう少し持ってほしい」と述べた。
★「攻めすぎた廃線」で交通危機の北海道
2024年8月31日の豪雨でJR石勝線が4日間にわたって寸断された際には、
札幌と帯広・釧路方面を結ぶ特急列車のバス代行輸送は行われず、
同区間を走行する貨物列車のトラック代行輸送もほとんど行われなかったことが明らかとなった。
昨今、問題が深刻化しているドライバー不足の問題も背景にあり、
石勝線の迂回ルートとなり得た根室本線の富良野~新得間すらこの3月31日限りで廃止してしまった。
北海道では、こうした「攻めすぎた廃線」により
1カ所の鉄路の寸断が、都市間交通や物流の寸断につながりかねない事態に陥っている。
さらに、北海道新幹線の問題でも、
行政や経済界は北海道新幹線の建設そのものにしか興味がなく、
新幹線開業後にその経済効果をどのように地域に波及させるのかという視点が欠落している。
並行在来線の議論についても、廃止・バス転換ありきでの議論が先行し、
新幹線開業に向けて2次交通として在来線をどのように活用し、
経済効果を地域に波及させるのか、という議論が全く行われていないことは
大きな問題であると筆者は認識している。
北海道商工会議所連合会で、北海道の鉄道維持に向けて
「運動が必要である」という認識を持っているのであれば、
まずはJR北海道問題の本質的な解決のために、
国の低金利政策のもとでJR北海道が得られなくなった分の経営安定基金の運用益を、
石破政権が国の運輸政策として手当するように運動をすることが重要ではないだろうか。
その上で、災害時の危機管理も含めて迂回ルートとして必要な鉄道路線については、
廃線の復活や再整備が求められる。
北海道新幹線の札幌延伸についても、2次交通としての在来線を活用することで
地域に経済効果を波及できるような準備を今から行っていく必要がある。
異例!北海道経済界のトップがJR北海道に苦言。「利用者目線に欠けている!」
(【北海道】乗り物大好きチャンネル 様 映像提供)
佐藤信之.さん(交通評論家/亜細亜大学講師)のコメント
「北海道に現在ある社会インフラとして、鉄道施設をどのように生かすのかというビジョンが必要です。
道路輸送に依存している自衛隊関連の輸送に鉄道を利用するということも考えられるでしょう。
また道内で完結する漁業・農産物の輸送も取り込めていません。
JR貨物は、全国規模で運行する会社であり、地域物流には不向きで、
北海道内のリソースと貨物駅・営業所で対応可能かも問題です。
JR貨物に頼らずに済む新しい貨物鉄道会社等、地域物流の仕組みが必要になるでしょう。
また旅客輸送でも、札幌圏以外になかなか収益が期待できるエリアがありません。
ただ海外からの観光客に対してアピールできる観光素材が豊富にあります。
これも海外発の観光客を受け入れるには、事業エリアが限られるJR北海道には力不足です。
国内外の旅行会社などの出資による観光列車会社の設立が望まれます。
ときに海外の企業を巻き込んだ、大きな発想での取り組みが必要です。」
北海道新幹線建設ありきの発想を改めて、道内の在来線をしっかり整備して、
富良野~新得間の路線の復活に向けて活動して頂きたいです。