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広島サミットを終えて 国際秩序立て直し図れ(東京新聞社説)/裸にされた街(1979・パンタ&HAL)

2023-05-22 | 日記
東京新聞 2023年5月22日付社説
「広島サミットを終えて 国際秩序立て直し図れ」
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/251534?rct=editorial


核リスクが高まるさなか、先進7カ国(G7)の首脳が78年前の原爆の惨状に目を向けた。
ウクライナ戦争の和平に向けて議論し、転換期にある国際社会の先行きを考える―――。

重いテーマが重なった広島サミットが終わった。

首脳声明では、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナへの「揺るぎない支援」を強調し、
急きょ駆けつけたゼレンスキー大統領への連帯を表明した。
米国の覇権が揺らぐ中、G7が結束して国際秩序の立て直しを図る意思を示したものだ。

問題は、G7を中心にした自由主義陣営が結束を固めるほど、
中国やロシア主導の権威主義陣営との分断が深まるという厳しい現実である。
 
両陣営は国際社会の主導権を握ろうとして勢力拡大を図り、
ともに「グローバルサウス」と呼ばれる南半球を中心とする新興国・途上国に触手を伸ばす。


◆民主主義国は少数派に
首脳声明もこれらの国との連携を打ち出した。
「大小を問わずすべての国の利益」のために国連憲章を尊重しつつ、
法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持・強化する、とうたった。

今回のサミットに招待されたインド、ブラジルを含め
多くの新興国・途上国は対ロ制裁に同調していない。
国連のロシア非難決議に賛成していない国も目立つ。

G7にはこうした国々との協力関係づくりが急務であり、
新興国・途上国の歴史的背景や政治事情を理解して働きかける必要がある。
人権、民主主義といった自分たちの価値観を押しつければ反発を買いかねない。
 
世界を見渡すと、民主主義の後退は否めない。
各国の民主化度を調べているスウェーデンの調査機関「V−Dem」の報告書によると、
2022年時点で非民主主義的な国は89に上り、世界人口の7割を超える。

一方、最上位の「自由民主主義」と分類される国は、
最多だった2009年の44カ国から2022年には32カ国に減った。
人口で見れば全体の13%にすぎない。


自由主義陣営と権威主義陣営の対立が固定されるのは双方のプラスにならない。
欧州の安全保障を構想するにはロシアの存在は外せず、
アジア太平洋地域の安定には中国との共存が不可欠である。
 
新型コロナウイルス対策の大掛かりな財政出動で生じたカネ余りにウクライナ戦争が重なり、
世界的にインフレが高じた。
食料やエネルギーの危機も生じている。

そうした人々の窮状をよそに世界は軍拡競争に突き進む。


ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の最新報告書によると、
2022年の世界の軍事費は前年比3.7%増の2兆2,400億ドル(約300兆円)となり、
過去最高を更新した。
ロシアがクリミアを併合した翌2015年から8年連続の軍事費増加である。


◆軍拡の流れを変えねば
1980年代末の冷戦終結は「平和の配当」をもたらした。

軍事費を減らして福祉、教育、貧困対策など民生分野にカネを振り向ける。
SIPRIによると、世界の軍事費は冷戦終結から1998年までの約10年にわたり減少傾向が続いた。
平和の配当は今も期待されているのに残念な状況にある。

そればかりか、ロシアは核の威嚇を繰り返し、
中国は不透明な核戦力の増強を続ける。
核をめぐる環境は悪化する一方だ。

核廃絶に至らないと人類破滅の危険は消えない。
被爆地に一堂に会したG7首脳は「核軍縮に関する広島ビジョン」を発表したが核抑止力が前提であり、
岸田文雄首相をはじめG7首脳に「核なき世界」に本気で取り組む覚悟があるのか疑わしい。


核拡散防止条約(NPT)は核保有を認める米英仏中ロに核軍縮交渉を義務付けるが、
その責任はないがしろにされ、
多くの新興国・途上国が参加する核兵器禁止条約も核保有国は拒んでいる。

核に限らず軍縮を再び軌道に乗せるのは容易でないとはいえ、
ウクライナ戦争もいずれ終息する。
G7は先を見据えて中ロとの対話を途切れさせず、共存を図らねばならない。

緊張緩和を進めて不毛な軍拡競争の流れを変えることが全人類の利益にかなう。

平和の配当をもたらした冷戦の終結は、
米国と旧ソ連が軍備管理を足掛かりに対話を積み重ね、
信頼関係を築いた努力が結実したものである。

政治指導者はそうした歴史にこそ学ばねばなるまい。


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東京新聞 2023年5月21日付記事
「「サミットは大きな失敗」 被爆者サーローさんが批判」
  https://www.tokyo-np.co.jp/article/251440



広島で被爆し、カナダを拠点に核兵器廃絶を訴えている
被爆者のサーロー節子さん(91)は5月21日、広島市で記者会見し
「G7広島サミットは大きな失敗だった。
首脳たちの声明からは体温や脈拍を感じなかった」と批判した。
「原爆資料館で何を感じ、何を考えたのか。その声を聞きたかった」
とも指摘した。


サーローさんは13歳の時、爆心地から約1.8キロの学徒動員先で被爆。
姉や4歳のおいたち親族と、多くの級友が犠牲になった。

被爆者らは核保有国や「核の傘」の下にある日本などに核兵器禁止条約参加を求めてきたが、
G7の共同文書「核軍縮に関する広島ビジョン」などで条約への言及はなかった。

サーローさんは「声明には何も新しい内容がなかった」と述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領の出席に関して
「武器支援のことばかりで、話し合いによる解決策が聞こえてこない。
広島でそうした話をされるのはうれしくない」
と、複雑な心情を吐露した。


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なんて虚しいサミットなのか。


「広島サミットという一世一代の晴れ舞台で舞い上がっちゃったのか、
 岸田文雄は国会の審議も経ずに
 「途上国への40億ドル(5500億円)規模の融資枠を新設する」と勝手に言い放った。
  https://sn-jp.com/archives/125299
 4000億円の予算があれば全国の小中学校の給食を無償化して
 7人に1人と言われてる日本の貧困児童に食事を与えられるのに。」

   きっこ さんのツイートより。

被爆都市・広島だからこそ非核・平和を優先すべきなのに、
結果的に「ロシアのウクライナ侵攻に反対」のあまり非核はロシア・中国の覇権主義国にほぼ限定され、
G7の保有国に関しては「おとがめなし」にされたうえに
ウクライナのゼレンスキー氏の「軍事援助詣で」を迎える有り様。
参加国首脳は「平和祈念資料館」の展示資料を本当に見学したのかさえ疑わしい。

こんなサミットなら開催しないほうが良かったのでは。


【G7広島サミット】「被爆の実相」表現さえアメリカ側は反発 “特別な文書”めぐる現実…
 (日テレNEWS)


「結局今回のサミットは平和や支援とかいう名目で、
 参加国が日本からおカネを毟り取るための会合だったな。
 日本はATMにされて戦争の片棒まで担がされるのに、
 新聞やテレビは大絶賛しているという。
 本当バカみたい。」

   まりなちゃん((株)白馬社 広報担当)のツイートより。


「メディアでは #G7サミット の成果が強調されるが、
 失ったものも大きい。
 「#広島ビジョン」といいながら実質はG7の対露対中軍事同盟的側面が強調され、
 「平和都市ヒロシマ」の大切なブランドが傷つけられたのは何よりも残念だ。
 広島を政治利用した岸田政権は罪深い。」

   辻野 晃一郎さん(グーグル日本法人元社長)のツイートより。

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一般庶民はただただ「厳戒態勢」と「観光自粛」だけだった日々がやっと終わった。
何事もなかったように、また日常に戻ってゆくだけだ。

そんな「祭りのあと」的空虚感の歌を選びました。

この歌には学生運動やその挫折があった1960~1970年前後の時代の空気を
題材に作られたとされています。
(当時生まれてなかったか幼年期の自分にもよくわかりませんが)



裸にされた街(1979・ パンタ & HAL)


作詞・作曲:中村治雄
プロデュース:鈴木慶一(ムーンライダース)


   ↓
宗教で戦争が起きかねない一触即発かつ産油国群の中東、
敗戦と学生運動の敗北という空虚を忘却して疾走する日本、
その両地点を結ぶオイルロードのマラッカ海峡と熱帯エリア。
ムーンライダースの鈴木慶一をプロデューサーに迎えて制作され、
全体的にラテンフュージョンのカラーで彩られた、「唯一無二」の名盤。


2023年5月23日付訪問者数:169名様
お付き合いいただき、ありがとうございました。
 

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