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戦後における慰安婦の位置づけ-その3 史料編-その2

○後藤委員 そうしますと、いまあなたが言われたように、当時第一線なり戦場へどれくらいの数の慰安婦が派遣されておったか、数千人だろうというふうな想像をいたしておるわけでございますけれども、これらの中に、先ほどの援護法を適用してもよろしいというような条件に該当する人があったとしたならば援護法の適用をされるわけなのです。ところが、局長も言われるように、これは申請しなければ問題にならない。しかしそれらの条件に該当する遺族なりそれらの人は、全然そういうことを知らないと思うのです。百人のうち一人や二人は知っておる人があるかもしれませんが、ほとんどの人がわからない。わからなければ申請をしない。申請をしないからこのままいくのだ、こういうふうなかっこうに進んできたのが今日であり、これからもそういうふうになるのではないかと思われるわけでございますけれども、局長がせっかくそこまではっきりきちっと言い切られましたら、それらの条件に該当する人については、これは援護法の適用がされるのだということで、やはり連絡なり、PRなり、通達なり、それらに十分なる手配をとっていただく必要があると思うのです。
 
  それと同時に、こんなことを申し上げるとまことに失礼かもしれませんけれども、それらの条件に該当する人は、生活も裕福な人は少なかろうと思うのです。いわば生活に非常に苦しんでおられる家庭の人が多いのじゃないか。しかも遺族の人も、まことにいい話ではございませんので遠慮しがちになってくる。全然声が出てこない。そういうところへこの援護法等の適用につきましても手を差し伸べていくのが政治の力であろうと私は考えるわけです。だから、これは具体的に局長として、いま申し上げました問題をどう進めていこうとされておるのか、もう少し具体的にお答えいただきたいと思います。
 
 
 
○実本政府委員 先生のおっしゃることはまことにごもっともなことでございまして、単にいま先生のおっしゃるケースだけではなくて、やはり同じような法の適用が受けられるケースというもので、現実には当たっているのだけれども、当たっているかどうかわからないままに、たとえばこれは、法律ができましてからいろいろな請求の時効は七年の期間を与えておりますが、七年間徒過してしまったというふうな人がほかにもあるわけでございます。特に援護法とか恩給法とかいうものは、非常に難解でございまして、そのときそのときでまたいろいろ範囲の拡張とかあるいは給付の対象になる人の拡大とかいうふうな改善が行なわれまして、継ぎはぎ継ぎはぎで、専門家が見ましても非常に難解な法律になっておりますので、その点は特にそういう方々にとっては、条件の逆に働いている場合だと思います。ただここで私が申し上げましたように、現にこういう方々であって、援護法上の準軍属なり軍属として処遇されていた方々は、これはもうはっきりとそういうケースとして、軍のほうから戦闘参加を要請したというケースが事実としてあり、あるいは日赤の従軍看護婦のような臨時に雇った者につきましては、そういう事情がございます。それから、ある前線からある前線へ大量の人を輸送船で運んでいた。それが海没したような場合につきましては、はっきりそういう人たちのケースがわかっておりますので、ほんとうに先生がおっしゃられるような準軍属なり軍属として取り上げてもいいような人たちについては、おおむねそういうケースとして処遇してきたつもりであります。しかし、それの数は、さっき先生が言われましたように、われわれのほうとしても的確な数字を持っておりませんが、大体四、五千というふうなことを聞いております。そのうちの四、五十人ということでございますから、あるいはまだほかにそういったケースも、知らないために眠っている、あるいは泣いているという方があることが考えられます。これは援護法のほかの対象者にもそういうことがございますので、この問題のみならず、常にそういった人たち全体についてのRRなり徹底の方法といたしまして、月並みではございますけれども、年に二回、都道府県の部課長会議を開いて、そういった意味での徹底を、窓口でございます市町村の援護係のほうにさせるようにやっておるわけでございます。そういった都道府県、市町村のルートを使いまして、こういった問題、特に法律改正があるとか、あるいはいろんな特別措置が行なわれるとかというようなことになりますときには、その問題と同時に、そういう意味でのPRをして、一人でも漏れのないようにしていくということをやっておるわけでございますので、そういう際には、こういうケースは必ず徹底するように運んでいく、いまの段階ではそういうことを考えております。
 
 
 
○後藤委員 そうしますと、いま局長が言われましたように、さっきのような条件につきましては援護法の適用はされるんだ。だけれども、いままで知らずに漏れてきた人――四、五十名は過去において適用されておりますけれども、それ以外で漏れておる人があるとするならば、これは援護法の適用になる。ところが、一般国民の中には、そういうことを全然知らない人もあろう。だから、あらゆる機会を通じまして――これだけではございません。ほかの条件で漏れておる人もあろうかとは思いますけれども、この問題については十分徹底をして、漏れておるような人のないように今後やっていきたい、こういうことでございますね。
 
 
 
○実本政府委員 お示しのとおりでございます。先ほど先生のおことばにもありましたように、こういう人たち並びにその御遺族の人は、何といいますか、外へ出たくないというようなグループですから、特にそういう面についてはそういう観点から、遠慮しないで出ていらっしゃいというような導き方といいますか、引き出し方をするように指導してまいりたいと思います。
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