鹿児島の知覧特攻平和会館を訪れた。
ここには、昭和55年に鹿児島近海で引き上げられたゼロ戦が展示されてあった。戦後30年以上経過し、原型を保っていたのは上半身程度だった。
そこで私が注目したのは「肉抜き穴」だ。展示されていたゼロ戦は朽ちかけていて、表面が削げ落ちいて、「肉抜き穴」が至る所で見つかった。穴を初めて見た。
「肉抜き穴」、ご存知の方も多いと思うが、高度な敏捷性を実現するためにゼロ戦は徹底的に軽量化に挑んだ。
強度計算をして問題なけらば機に穴をあける。その徹底さは異常なほどで10グラム単位いや1グラム単位にまで及んだ。
堀越が部下から図面を渡され、「まだ、ここに穴をあけられれば軽くなるのではないか?」と尋ねると部下が「穴をあけてもほんの僅かですよ!」と返答。
すると堀越は「問題なければ穴をあけろ!1グラムでも軽くするんだ!!」と激高したというエピソードがある。
操縦席の椅子までも穴だらけ。攻撃は最大の防御という観点でゼロ戦は誕生したわけだ。
展示されているゼロ戦の翼がどの位、軽いのか?持ち上げてみたかった。しかし触るのは禁止。ぐっとこらえた。