「マロンのために帰りなさい!」
と言ってくれた私の元同僚は、とにかくよく
気が利く女(と書いて「ひと」と読む。)だった。
特に雑務を率先してやってくれていた。
検温記入する用紙があるのだが、
その原紙のコピーは、毎月彼女が
やってくれていて、私は彼女に
完全任せっきりだった。
3月、マロンが亡くなったあと、
彼女はすぐに有休消化に入った。
4月に入り、
「あー、せやせや。検温のやつコピーせな」
と思い出し、原紙が綴じられている
ファイルを開いたその刹那、
私はとても温かい気持ちになった。
なんと、4月分が既にコピーされていたのだ。
あぁ、なんと日本人らしい気遣いが
できる人なんだろうと感動すら覚えた。
私は、その気遣いが嬉しくて、すぐに彼女に
「4月分がコピーされてて感動した!」と
メッセージを送った。
すると、どうだ。
「ごめん、さすがに4月分まで
コピーする頭なかったわ!」
と返信がきた。
事務は、私と彼女しかいないんだよ。
…一体、誰がコピーとったんだろうね。
たま〜に、こういう理解しがたいことが
私の周りに起きる。
ではでは、またね。
各種お問い合わせやKTへの
ファンレターはメールフォームまで!