もう、だーいぶ前だけど、
私は雑貨店でバイトをしていた。
そこに入ってきた新人が
とても困った人だった。
とにかく、言われたことが出来ない。
指示をすると、元気いっぱいに明るく
「ハイ!」と気持ちのいい返事を
するんだけど、いざさせると、
私そんな指示したかえ?と思うことをする。
・商品がきちんと並べられない。
・勝手な値段でレジ打ち(昔は手打ち)をする。
・モップがけをさせると床が水浸し。
・指示したものを注文できない。
・賞味期限切迫商品と余裕のある商品が
判別できない。
あるとき、
私は彼女が話を聞いてないのではと思い、
私が指示したあとに、すぐ復唱させてみた。
すると、サラサラ言うのだ。
“なんだなんだ、分かっているじゃないか”
と、安心したのも束の間。
いざさせると、全く出来ないのだ。
やるなと言い聞かせたことは、
なぜか早速するのだ。
店長と、頭を抱えたねぇ。
遅刻も多かったし。
なぜかネイルに執着していて、
少しでも割れようものなら
休憩時間に近くのサロンに行って
施術してもらうという…。
で、休憩時間オーバーして帰ってくる。
ある日、私が出勤したら、店長から
「あの子辞めたから」と聞かされた。
あまりに遅刻が多いのと仕事にならない
ことに、ついに店長がブチ切れたそうだ。
当時は、
発達障害なんて耳にしたことなかったし、
そういう障害があったとしても
まだ世間に浸透していなかった。
今思えば、
彼女は発達障害だったのかもしれない。
もし、あのときそういう症状があると
知っていれば、もっと違うアプローチが
出来たのではないかと考えてしまう。
私も、何度も声を荒らげかけたが、
毎度ぐーーーっと堪えた。
怒りを押し殺すと涙が出るんよね。
体も震えるしね。わなわな震えると
いう言葉があるけど、ほんとに
“わなわな”がピッタリ。
今の職場にも、あの新人と同じような
ことをする人がいる。先輩や上司から
ヤイヤイ言われている。
私と直接関わることはないので
迷惑を被ってないが、
“何かしらの特性がある人”と思って
接している。そうすれば腹も立たない。
そういう子と知っていれば、
何をしようとするか予測がつく。
さてさて、そろそろ練習しようかな。
ではでは、またね!