妄想日記

本当にあったこと、妄想してみたことごちゃ混ぜにして全部詩にしてみた。

happy birthday

2021-02-06 21:17:00 | 妄想日記

今日は特別な日。
君がこの世界に生まれた日。


 私が君のことを知ったのは13年前。もう私の人生の半分以上を君が占めている。初めて君を見たとき、太陽のような人だと思った。みんなを照らして、明るくしてくれる。でも、ずっとずっと昔も今も、少し悪戯っぽくわらう顔が少年みたいで変わらないなあって思うの。

 楽しそうに笑う顔も、君がくれるあたたかい言葉も、努力家なところも、全部ぜんぶ大好きです。

 私の人生を君が明るく照らしてくれた。私が君に何かできることはないって私は知ってるけど、それでも、ずっと好きでいることはできるよ。

 今日は特別な日だから、私は祈るよ。
 君が、君の大切な人たちが、ずっと幸せでありますように。笑って生きていけますように。




色褪せるまで

2021-01-18 07:00:00 | 妄想日記

 ずっと隣にいたから、私、気がつかなかったの。悲しいときは何も言わずにそばにいてくれた。楽しいときは冬の陽だまりのような目で笑ってくれた。君は大切な友達だったの。いちばんの、大切な人だった。だから気がつかなかったんだ。

 君と会うことがなくなって、連絡することもなくなった。大学を卒業したらそんなものよね。
「久しぶりに会えてよかったよ。仕事頑張って。またね。」
最後のLINEは一昨年の8月で止まっていて、またねがあることなんてきっとないんだろう。そんな事実が悲しく思えてようやく気づいたの。私は君のことが好きだったみたい。別に今更君とどうにかなりたいなんて考えていないわ。

 ただ、もう少しだけ、君のことを好きでいていいですか?もう少しだけ、私の一番を君にしておいていいですか?

 それでね、本棚の読まれない背表紙が少しずつ色褪せていくみたいに、何回も洗濯したワンピースが少しずつ白っぽくなっていくように、君のことを少しずつ忘れていきたいの。君への気持ちを少しずつ薄めていきたい。

 色褪せるまで、君にもう少し恋をしていたいんだ。

美人

2020-12-20 22:45:00 | 妄想日記

 綺麗な人が好きって君が言ったから。


 行きつけの居酒屋、いつもの顔ぶれ、いつも君の隣に座ったの。大学の同じグループでいつのまにか好きになってた。でも知ってたよ。私みたいな可愛くない女より、あの子みたいに美人が君は好きなんだよね。

 いつだったか、君が酔っ払って言った言葉がいつだって私の頭の中で繰り返し再生される。
   「好きなタイプは綺麗な人。」
私じゃ君の何にもなれないことがわかった瞬間だった。

 でもね、諦めたくなかったの私、少しでも綺麗になりたくて、でも、どうしたらいいのか分からなくて。ファッション雑誌で流行りの服装とか、メイクの仕方とか、ダイエット方法とか読み漁ってたくさん努力したけど、あの子みたいにはなれなくて、醜い私のままで。

 だから少しでも綺麗に見られたくて、綺麗な言葉を使うようになった。そうしたら君に見てもらえるんじゃないかって汚い心で、浅はかな考えで。

 意識して、慎重に、綺麗な言葉を吐き出す。本当の私を閉じ込めた。そのうち本当が言えなくなって、綺麗な言葉で繕った。それでも君は私を見てはくれなかった。それでも浅はかな考えで、醜い心で、今日も綺麗な言葉を話すの。

 少しでも君の瞳に綺麗な私がうつることを期待しているんだ。



君がいない世界

2020-12-14 07:00:00 | 妄想日記
世界を君で埋めてしまっていたから、君がいない世界をどうやって生きればいいか分からないんだ。

1月2日 初詣
1月7日 七草粥つくる!
1月11日・・・

毎日が君で埋まっていたスケジュール帳、今年もあと少し、来年のを買おうと思って書店に立ち寄った。だけど、どれを買えばいいか分からなくなってスケジュール帳のコーナーで立ち竦んだ。来年の予定なんて書かないだろうに、買って何になるんだろう。
君と別れてから季節は2つ目の真っ只中、今年の後半の予定は真っ白で。君に会うのが待ちきれなくて何度もなぞった君の名前、今はただ悲しいだけ。

君と出会うまではどんな風に生きていたんだっけ?何も覚えていないんだ。
君と海に行って海月を見た。昔海月に刺されてから海月は嫌いだったけど、君が「可愛いね」って笑ったから海月を可愛いとおもえるようになったんだ。
君が林檎が好きだって言ったから、僕は赤い物を見るとその時の君の笑顔を思い出すようになって赤色が好きになったんだ。
君が「星座はオリオン座か好きよ。まあ、オリオン座しか知らないんだけど。」って笑ったから、僕は自分の腕に3つ並んだ黒子をオリオン座のように思えて愛しく思うようになったんだ。

全部僕の世界は君で構成されていて、君で埋まっていたから、君がいなくなった世界をどうやって生きていけばいいか分からないんだ。

明日の予定も今日食べるものも、カーテンの色も全部僕の好きなようにできるのに、君の我がままは聞かなくてよくなったのに、君がいなければどうしたらいいのか、何を食べたらいいのか、何も分からなくて。

今日も君が好きだった林檎パイを食べて、君が選んだ緑色のカーテンを見つめてスケジュール帳の君の名前をなぞるだけ。

消えないでと祈りを込めて

2020-11-23 01:00:00 | 妄想日記
秋の終わりが哀しいのは君が秋風だから。


 窓の外で風が歌っているから冬が近づいていることに気がついた。
びゅおー?ひゅおー?ぴゅおー?
冬の風は独特な音を出すよね。都会のビル風みたいな音。ここは開けた田舎なのに。
コンクリートの地面を落ち葉が舞う。カラカラ、カラカラってまるで笑うみたいに。

 最近は昼でも寒い日があって、自動販売機の‘‘あったか〜い’’が嬉しい。買ったばかりのお茶を飲んだら胃のあたりもあたたかくなって、生きているんだなあなんて思ったりもする。週末に炬燵を出そうか。

 冬が来るのは嬉しい。星が綺麗に見えるし、吐く息が白くて楽しくなっちゃう。だけど秋が終わってしまうのは今も昔も哀しかった。
    だって君が秋風だから。


 いつも隣にいてくれて、手を握ってくれる。抱きしめてキスをして、好きだって言ってくれる。それでも私は君といると哀しくて寂しくて、何か埋まらない隙間があるように感じた。秋の風みたいに。

 分かってはいるの、この先の冬も春も夏もそばにいてくれることを。だけど、手を離すと秋と一緒に消えてしまうような気がしてしまって、不安で仕方がない夜もある。

 消えないで、そばにいて、それから、それから・・・
今日も祈りを込めて君の手を、繋いだ手を、握りしめて眠りにつくの。