患者さんの他科受診を控え、足の悪いご主人の代わりにヘルパーさんの移動支援をお願いしてありました。
総合病院への道中使用するチケットです。
そのご自宅は、海岸近くの入り組んだ集落にあり、目印らしい目印も少なくとてもわかりづらくて。
私、もともと方向音痴でして。前もって聞いていた行き方で車を走らせていましたが、
教えられた通り角を曲がったらなんと行き止まり。しかも極狭の道に突き当たり💦
社用車のナビ、自分のスマホで地図も入れていましたが、ナビの奴、途中で機能しなくなり。ええ?!
何度かリベンジしてもそれらしい家に辿り
着けず仕方なく近くの不動産屋に駆け込みました。
さすが不動産屋さん。住宅地図をコピーしてくださり、丁寧にマーカーで→をつけて提示してくれました。
さあ、再チャレンジ。ゆっくり車を走らせまた少し迷いながら探すと。どうやらそれらしき池が見える。
ここだ!
喜び勇んで空き地に駐車。
「ピンポーン」
中から出てきたのはご婦人。あ?〇〇さんのお宅は・・・
「お隣です」
やっちまった!すみませんと謝り頭を下げる。
そして、やっと。
チャイムを押して、無施錠の玄関を開け声をかけると、ご主人が出て来ました。
お待たせしました!ごめんなさいね、迷っちゃって。と言うと、にそっと笑いポケットからタクシーチケットを出して「お願いします。ありがとうね」と。
ご主人の笑った顔って初めて見たかも。
迷い疲れた疲れも吹き飛ぶこの一瞬。この仕事を続けて来れた証です。
帰り道、親切に教えてくれた不動産屋さんの前で一礼して、職場に戻りました。
やれやれ。私の方向音痴は治らない。幸せの方向音痴だけは避けたいな。