SPの法則
1. サブ・パーソナリティには歴史がある
私たちは幼い頃から、愛されたいとか認められたい、自分らしくありたいといった欲求を持ち、それを満たしたいと願って生きている。サブ・パーソナリティはその欲求を満たそうとして生まれたあなたの一分身と言える。例えば、両親に愛されたい為に「良い子」になるとか、存在を主張したくて「目立ちたがり屋」になるとか、恐い思いをくり返したくなくて「完璧主義者」になるといった具合である。どのサブ・パーソナリティにも誕生の理由、これまでの経緯、いわば歴史を持っている。大切な事はこの歴史についてきちんと理解することである。特にdriveSPとguiltySP(後述)についてはこれらのSPと距離を置く意味においても形成の歴史を知ることが大切である。
2. サブ・パーソナリティは認められることを望んでいる
サブ・パーソナリティはある日突然、無意味に、気まぐれに現れる訳ではない。「存在するには訳がある」と言える。そのサブ・パーソナリティがいるということが、あなたらしさなのですから、どのサブ・パーソナリティにも存在権があり、果たしてきた役割がある。あなたの中の大切な一員として存在したがっている。小学校の教室を思い浮かべてみて下さい。ひっそりと目立たない子も、どうしようもない暴れん坊も、嘘つきの目立ちたがり屋も、すねてばかりいる子も、みんな実は教師や仲間に認めて欲しいのです。もし認めてもらえなければ益々そのマイナス面を強化させてしまうでしょう。セルフ(意識の中心)とサブ・パーソナリティの関係はそれと良く似ている。
3. サブ・パーソナリティは無視されたり抑圧されたりするとエネルギーを増す
総てのサブ・パーソナリティが自分の存在を認めて欲しいと願っている。しかしながら、中にはどうしても認めにくい、認めたくないサブ・パーソナリティが存在する。そんな場合できれば消えて欲しい、とにかく出てきて欲しくないと感じて、できるだけ見ないようにしたり、躍起になって押え込もうとしてしまいがちである。認めてもらえないサブ・パーソナリティは不満を貯め込んで爆発したり(圧力釜のふたを完全に閉じて火をつけたら、圧力が高まってふたが飛んでしまうように)以前より強力に自己主張して、益々その存在をアピールしようとしてくる。思わぬ所で振り回されてしまう。
4. サブ・パーソナリティとサブ・パーソナリティは仲良しになったり、時には対立したりする
自分の中で相反する二つの考えが戦っていて、進みたい気持ちと逃げ出したい気持ちが交互に現れる、優しくしたいのに何故か冷たい態度を取ってしまう、怠けている自分を責める自分がいる。このような経験は誰にでもあるのではないだろうか。心の中の葛藤は常に個々のサブ・パーソナリティの考え方、感じ方の違いから来る対立と言える。逆に似た者同士のサブ・パーソナリティは連合を組んで大きな力となる。気分屋と飽き性さんと面倒くさがり屋が一緒になって「とてもこんな仕事はやってられない」と途中で放り出すかもしれない。逆に頑張り屋と信念さんが、一つの事を最後までやり遂げようと結集して大きな力になるかもしれない。人情家と思いやりさんと誠実さんが一緒に出てきてくれたら、誰もがそばにいたくなるような雰囲気を醸し出すことになるでしょう。
5. ほかの人にある同じパーソナリティーは反応しあう傾向にある
自分の好きな所が似ている子供を親は無条件にかわいいと思う。逆に嫌いな所や直したい所を子供の中に見ると、いらいらしたり不安になったり、無性に腹が立ったりする。これは親の中のサブ・パーソナリティと子供の中のサブ・パーソナリティが反応しあっているとも考えられる。責めたがりを相手の中に見ると自分の中の責めたがりが反応してしまうし、のんびり屋さんを見つければ、のんびり屋さんがほっとする。似た者同士は理屈抜きで仲が良かったり、逆に反発しあったりするものですが、それはサブ・パーソナリティの正直な反応がそうさせていると言える。
6.サブ・パーソナリティは環境や状況によって変化する
自分のSPはプライベイトや仕事場面、気の合った仲間といるときと初対面の人や苦手な人といるときでは出てくるSPは違ってくる。また身体が健康であるときと疲れているときでも出てくるSPは違ってくる。特にストレスが生じたときや他者と葛藤状態に陥ったときでは違うし、ストレスの度合いによっても変化している。
7.サブ・パーソナリティの背景には欲求がある
サブ・パーソナリティ-の背景には欲求がある。その欲求を満たすか、先送りするか、回避するかによって「実践家」、「がまんさん」「いい訳さん」等々、様々なサブ・パーソナリティが出てくる。欲求には生理的な欲求(食欲、睡眠欲等)のほかに認められたい、好かれたい、失敗をしたくない、掲げた目標を達成したい等様々な欲求がある。
1~5は 人間力を高めるセルフ・エンパワーメント(東京図書出版)八尾芳樹 角本ナナ子より引用 一部追加
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