SPトランプを活用した主体性確立(主体と客体からの相互アプローチ)のプロセスは下記のステップでなされています。
1、自己理解 自分のSPを理解する
主体性を高めるための最初の段階は、自分の心身の状態、パーソナリティや感情、思考、行動特性、価値観、信念等をきちんと把握することである。自分をよく知らなければ意図したことは実現しにくい。自分に適した方向性や努力の仕方を知るためにもまず自分を知ることが重要である。SPトランプメソッドによる自己理解の視点には個々のSPの理解、個々のSPの集合体としてのパーソナリティについての理解、パーソナリティや行動の特性や類型的(タイプ)理解がある。
自己理解の視点。
1、自分が持っているSPを知る
2、仕事や特定の場面で出てくるSPを知る
3、現在自分にピッタリするSPを知る
4、SP特性並びに行動特性を知る
1)強み、弱み
2)基本的欲求
3)対人関係、コミュニケーション
4)学習方法
5)不安や恐れの原因
6)ストレスの原因
7)仕事の進め方
8)マネジメントの特徴
9)フラストレーション時に出てくるSP
10)その他
5、現在の気になるSP
1)人生の行き詰まりや悩みそして心の疲れの原因になっているSPを知る
2)現在の環境(仕事、対人関係や所属集団)を打破するためのSPを知る
3)現在の環境(仕事、対人関係や所属集団)に適応するためのSPを知る
2、自己意識(セルフ)
切れ屋、言い訳、ガンバリ屋など気になるSPを客観的に観ている私を意識する。「なぜ、あの人は協力してくれないのか、前回も同様のことがあった、自分のことしか考えていないのでは、自己中心的なのだから」と自分の中にある「責め屋さん」のSPに同一化し「I am 責め屋さん」になるのが通常である。また逆にあの人は何と素敵なのだろうと異性のことで頭(心)の中が占領されてしまう場合がある。このようなとき「あれ!また何かと理由を探し出して相手を責めているな」、「あれ!また仕事の手が休み異性に夢中になっていたな」と、ふと我に戻るところ、それが意識の中心であるセルフになる。経営の神様だといわれた松下幸之助は「一日一話」の中で次のように述べている。「自省の強い人は、自分というものをよく知っている。つまり、自分で自分をよく見つめているのである。私はこれを“自己観照”と呼んでいるけれども、自分の心を一ぺん自分の身体から取り出して、外からもう一度自分というものを見直してみる。これができる人には、自分というものが素直に私心なく理解できるわけである。こういう人には、あやまちが非常に少ない。自分にどれほどの力があるか、自分はどれほどのことができるか、自分の適性は何か、自分の欠点はどうしたところにあるのか、というようなことが、ごく自然に、何ものにもとらわれることなく見出されてくると思うからである」イタリアのロベルト・アサジョーリがセルフについて説明している同じ時代(1970年代)に日本を代表する経営者がこのセルフである自己観照の重要性を解いていることは興味深い。この自分自身をモニタリングしている「私」、例えでいうと心の中の指揮者やマネジャーに該当するのがセルフである。
3、自己解放
自分を変化させたい成長させたいと意識した時、大きな邪魔をするのが様々な捕らわれがある。役割や自分の強大なSPからのとらわれである。セルフとして自分の様々な面、役割、状況、SPから可能な限り離れてみることが大切である。これが自己解放になる。「I am SP」から「I am not SP. I have SP」と、セルフがSPから距離をとることである。日常意識している気になるSPからの脱同一化は可能であるが、意識していないSPや超自我の影響を受けている(must~ねばならない, must not~してはいけない」)SPはセルフに同一化(SPそのものになる)しているため、脱同一化は勇気とエネルギーはいる。
4、自己受容
私たちはこの世に誕生した時から、様々なことを受け入れ折りあって生きてきた。国籍、性別、両親、家、容姿等、そして自分のSP等。自分に与えられた現実をともかく受け入れて行くしかない場合も多い。しかしながら超自我の影響を受けている(must~ねばならない, must not~してはいけない」)SPの受容はエネルギーを要する。これら受け入れにくいSPについては心許せるリスナー(傾聴者)かカウンセラーに聴いてもらうと自己受容の大きな助けになる。
聴いてもらうポイント
1)受容しにくいSPは(SPトランプの中から一枚選択またはジョーカーでオリジナルなSPについて紹介)
2)そのSPの定義、概要は
3)形成された時期やかかわった人物、形成された出来事は
4)そのSPはどんな場面でよく出てくるか
5)なぜそのSPは受け入れにくいか
6)過去にそのSPが役に立ったことはあるか、どのような場面か
7)その他 そのSPに関すること
自分のSPをありのまま受け入れることはとても難しい。しかし、現実を受け入れ、自分をあるがままに受け入れることは局面を打破したり、自己成長していくためには重要なステップでもある。
5、自己統合
身体や感情、サブ・パーソナリティ等を通して能力や性格、考え方の特徴をきちんと理解し受け入れた上で、セルフとして調整し、方向づけしていくのが主体性を高めるための最後のステップである。自分の良いところを見い出し、必要に応じて育てて行く。また、マイナスに思えるところも、できるだけプラスのエネルギーに転化して行く。場合によってはプラスと思えるところも適切なバランスを取るためにコントロールする。そして、その上で全体としての方向性をしっかり持って調整して行くことが大切である。人は、それぞれその人に相応しい能力を秘めている。人生に対する充実感や生きることの心地よさも様々である。その人が、心から望む形で自分の持っている良さを十分発揮した状態を実感出来れば、その人の人生の満足度は大いに高まるはずであり、自分らしくいきいきと生きていくことがより可能になる。このプロセスは人の心が成長し続ける限り(多分死ぬまで)、螺旋状に、より高いレベルで回り続けいく。
関連SPトランプ公式 サイトhttp://yao-ec.co.jp/ecc/02/
「人間力を高めるセルフ・エンパワーメント」八尾芳樹、角本ナナ子著 東京図書出版会より引用
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