かながわ いーとこ

神奈川県にはいろいろな景色があり、魅力に溢れています。ぶらぶら散策して見た風景・いいところを少しずつ紹介します。

刀剣博物館と展示刀剣等の紹介(東京都墨田区)

2019年07月15日 | ぶらっと散策
東京都墨田区にある「刀剣博物館」を訪問しました。
文字どおり、刀剣の博物館です。
昨年、渋谷区代々木から移転してから初めての訪問です。

代々木での最後の展覧会に訪問してから、早いもので2年以上が経過してることにびっくりです。
刀剣博物館・代々木での最後の展覧会の様子はこちらでご覧いただけます。
最後の展覧会で展示された名刀の様子はこちらでご覧いただけます。
代々木での最後の展覧会に再訪した様子はこちらでご覧いただけます。

両国駅近くの国技館の北隣にある旧安田庭園の一角にあります。
旧安田庭園の様子はこちらでご覧いただけます。

刀剣博物館正面


入口は旧安田庭園と反対側にあります

旧安田庭園から見た刀剣博物館


正面入口脇の看板


エントランスからロビー


エントランスの受付で入館料1000円を支払います。

1階のエントランス脇に、日本刀の紹介や刀の作成工程等を展示した情報コーナーがあります。

日本刀の作成工程のこの展示は、旧刀剣博物館にもあったものです。


ロビー奥のカフェ


階段で展示室のある3階に向かいます


階段の途中の小窓からは、隣の旧安田庭園が見えます


3階に到着


ガラスの戸を抜け、右手が展示室入口

展示室入口の自動ドアを入ると、受付があります。

時代による日本刀の姿かたちの変遷パネル


展示室


展示されているものは、撮影禁止の札があるものを除き撮影することができます。
この点は移転しても引き続き非常に素晴らしいことと思います。

現在の展示は「現代刀職展-今に伝わるいにしえの技-」です。
公益財団法人日本美術刀剣保存協会が主催する現代刀職展の受賞作品を展示しています。
(刀剣博物館は日本美術刀剣保存協会の付属施設です)

展示室の一番最初のコーナーに、高松宮記念賞を受賞した太刀が展示してあります。

銘:正忠作 平成三十一年二月日(北川氏)
全体の容姿


切先


茎の銘



以降、展示されていたものを掲載しますが、
すべてを紹介するわけではありませんのでご了承ください。

<研磨の部>
※受賞順に関係なく掲載します

刀 銘:為牧君山浦環源正行製(熊井氏)


太刀 銘:真次(臼井氏) 


脇指 銘:善博(篠崎氏)



<鎬造の部>
※会場の案内では「研磨の部」となっていましたが、もらったパンフレットでは「鎬造の部」でした。
(鎬(しのぎ)は、刀の刃と峰との境にある盛り上がった稜線・写真では黒い部分と白い部分の境目)

刀 銘:長次(井上氏)


刀 銘:長曽祢興里 真鍛作(玉置氏)

切先

茎の銘


刀 銘:筑前国福岡住是次(多田氏)


刀 銘:七十八翁荘司美濃介直胤作(塚本氏)

沸が美しいです


刀 無名 伝大和志津(細越氏)


刀 銘:固山宗兵衛宗次作之(柏木氏)


太刀 銘:備前国住長船盛景(神山氏)


太刀 銘:助綱(古青江)(諸富氏)


太刀 無銘 古備前行秀(平井氏)


刀 無銘 来国次(松村氏)



ここから
<作刀の部>
太刀 銘:播磨國住高見國一作(高見氏)

切っ先

茎の銘

茎が酸化して黒くなっていない、ピカピカの刀です


太刀 銘:三池住國天作(小宮氏)

切っ先


太刀 銘:慎平作(加藤氏)


太刀 銘:上州住恒厳作(高橋氏)

大切先

沸もきれいです

太刀 銘:備前國住正法作(曽根氏)


刀 銘:亀戸住朋幸(宮城氏)


太刀 銘:肥後國八代住兼光作(木村氏)


刀 銘:信濃住清直作(松川氏)


刀 銘:小鍛冶義人作(吉原氏)


刀 銘:大和国住月山貞利彫同作(月山氏)

金魚の彫


脇指 銘:清房作(山口氏)


太刀 銘:道 河内守國助國平製(河内氏)


刀 銘:東都住人大野義光作(古川氏)



<特別出品>
太刀 銘:国安

国安の切先

国安の茎の銘

国安の地肌


刀 銘:住東叡山忍岡辺長曽祢興里作

長曽祢興里の切先

長曽祢興里の茎の銘


太刀と刀は以上です。
なお、太刀は刃を下向きに佩く、刀は刃を上向きに差すため、
展示もその向きとなっていました。


作刀の部の傾向として、肌がすっきりしたものが多いと感じました。
個人的には、全体像はピンボケして紹介していないですが、
太刀 銘:千手院(小川氏)<研磨の部>の地肌が好きです。



<短刀・作刀の部>
短刀 銘:備州広康作(安藤氏)


短刀 銘:貞豊(田中氏)


短刀 銘:慎平作(加藤氏)


<短刀・研磨の部>
※配布のパンフレットでは平造の部です

脇指 銘:震鱗子克一(細村氏)


短刀 銘:盛岡住義久(阿部氏)


<刀身彫の部>
脇指 銘:鏨物柳匠堂重恒(片山氏)

倶利伽羅の彫り物です


脇指 銘:重光彫之(柏木氏)

龍の彫り物です


短刀 銘:万里彫之(入江氏)

観音像の彫り物です


<白鞘の部>
上:縦篠刻鞘打刀拵下地(久保氏)
下:白鞘(塚本氏)


ほかにも<刀装の部>の朱塗りの短刀拵

柄の部分


<彫金の部>の鍔も展示がありました。
七宝の鍔(伊藤氏)


武鑑の透の鍔(玉岡氏)



展示室のあるフロアには、屋上庭園があります

屋上庭園から見た隣の旧安田庭園と国技館


博物館の正面の駐車スペースの奥に、ケラ(金偏に母)がありました。

このケラは、砂鉄約10トンとたたら炭を約12トンを3日間燃焼させるたたら製鉄でできあがる約2.5トンの塊で、
このケラの最も良質なほんの一部(100キロくらい)が「玉鋼」として日本刀作製に使われるそうです。
よく見ると炭が残っている個所もあります。

赤茶色の部分が鉄で、これは酸化しているようです。

ミュージアムショップで玉鋼をお土産として売っていました。
小さな木箱入りで1500円でした


アップ