常さんの徒然写真日記

旅や趣味を写真を主に紹介、でも何となく鉄道旅行が主なテーマになりそう。

ポルトガル、夜行寝台列車

2013年02月26日 | 鉄道

いよいよ今度の旅行で一番楽しみにしていた夜行寝台車に乗ることになった。ヨーロッパの寝台列車にはまだ乗った経験がない。ヨーロッパも新幹線網がどんどん発達してきているが、国内線はもちろんだが特にこの国をまたぐ国際夜行列車もきちんと残してある。また多くは最新型というより昔ながらの車輛も使われこれがまた楽しみである。

乗車する列車はトレインホテルと称する  TRENHOTEL332列車でマドリッド チャマルティン駅21:50発 リスボンSTA APOLONA駅07:30着 2等2名個室  なんとタルゴ車両だった。

マドリッド チャマルティン駅、自分の乗る列車の発車番線の表示を出発直前まで待つ。今は2030発の列車までしか表示されていない。このヨーロッパの習慣は列車の定時運行はあり得ないという発想から来ているのかと勘ぐってしまう。入線する列車の時間がはっきりしなければその時使えるホームは状況によって変わるからである。しかし実際は今はそんなに遅れた運転をしている訳ではなくほとんど基本計画通りで固定されていると思うがそれでも表示しないのは万一を考えた上記のような習慣的な事情があるのではないか。

  ベットは枕木方向に対しやや斜めになっている。一車両4室しかない。個室には洗面台がついていて、飛行機のようなアメニティーセットがついていた。ささやかなものだがこんなものでもついていると何となく楽しい。

食堂車もありこの旅行社の手配した切符は簡単な朝食がサービスでついている。2名個室なら自動的に付くのか、オプションで手配してくれたのかはよく分からないがパンと温かいコーヒーとジュースだけの極めて簡単なものだが夜明けの知らない外国の車窓を見ながらホットコーヒーを飲むのは今の日本の合理的な経営から消えてしまった雰囲気が味わえて楽しい。実は昨晩車掌が朝食は朝6時半頃でそれぞれ準備ができたら部屋をノックするのでよろしくと言っていた。ところが翌朝6時半過ぎ7時近くなっても呼びに来ないので心配になって直接食堂車に出向いたら暇そうな係員がどうぞと席を勧めた。やはり来てよかった、こちらラテン系の人は時間に対してはルーズなんだと先入観100%で勝手に思い、もうすぐ終着というのにほかの人たちはどうなるんだろうと思ったりしていると、やはり日本人の若いカップルが車掌に合図されてきたといった。後で分かった事だがスペインとポルトガルでは時差が1時間あり私だけが一人勝手に焦っているだけだった、後に気が付いたときはさすが何か恥ずかしい思いになった。まさかポルトガルとスペインで時差があるなんて思いもよらなかったがこれ位の基礎予備知識は勉強していないほうが悪い。もう一組の若いカップルもまさか時差なんてないですよねーとこの点は私たちと同じレベルだったが”どうなんでしょうね遅れてるんでしょうか”といった大人の風格でゆっくり食事をしていた。このカップルはもともと朝何時に着くなんて気にもしてなければ興味もなく私に言われて反応しているだけだった事も分かったが。

夜明け リスボン近郊の超モダンな駅に停車

 リスボン スタ・アポローナ駅到着、最後尾は電源車のようだ。

タルゴ列車はスペインの開発した車両、外観的には車両と車両の間に車輪を置く連接車の構造で日本でも小田急ロマンスカーなど数例見られるが、この車輪が一般の2軸台車でなく左右一輪(1軸でない)であるのがタルゴの大きな特徴である。しかもこの左右の車輪は軸ととして繋がっていず、それぞれ独立して回転する。軸がない分床面を下げられ結果としてその分背の低い車両ができることになった。スペインは日本の狭軌に対し広軌を採用してしまい世界標準の標準軌(日本の新幹線)と相いれない状態になった。このタルゴ技術は単に床を下げたり独自技術として拘った訳ではなく必然性があった。広軌の場合カーブに至ると外側と内側では線路の距離差がより大きくなる。無理をする為車輪や線路の痛みや軋み音も激しくなる。加えてスペインは山岳部分のカーブなども多くそのために開発されたという。この一輪を線路に沿わすステアリング技術は結構すごいものだがさらに左右の車輪が別箇のためかタルゴ列車には軌間可変装置を有し広軌から標準軌に(あるいはその逆)走りながら変換するものもある、この技術に興味を示すJR九州はRenfe と技術提携を結んでいるようだ。日本の秋田新幹線など在来線乗り入れというがわざわざ狭軌より標準軌に改軌して乗り入れているだけで今度は標準軌専用になった在来線の車輛はほかの線との連絡ができなくなってしまった。この為在来線同士の直通運転ができなくなり却って不便になった町も実際にはある。

     車両にも機関車にもポルトガル鉄道のCPのロゴが見える。客車はrenfeとCPの連名になっている。タルゴ車がいかに小型かがよく分る。

 リスボンSTA APOLONA駅 2線しかなく意外とこじんまりしている。



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