発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

48.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:つまずきを把握する

48.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:つまずきを把握する
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
  造形リトミック教育研究所  

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 わかれば楽しいのに、「わかる」ことの妨げとなっている原因の3つめ:
「どこでつまずいているのかを発見しようとしない。」

 これは前回の「原因の2つめ」と表裏の関係にあります。なぜならば、学習のつまずきの原因は、その学習の「基礎機能」が十分に獲得されていないことにあるからです。または、前の段階の学習課題が理解できていないことにあるからです。

 親御さんからも教室の講師からも問題としてあげられることに、「字がきたない」「マスからはみだす」ということがよくあります。
 どこでつまずいているのか、検討してみましょう。

・再三「きれいに書きなさい!」と言われて、子どもがイライラしていませんか?
・再三「はやくやりなさい!」と言われて、子どもがあせっていませんか?
・一度にたくさんの文字を書かせようとしていませんか?
・文字の構成(たて・よこ・ななめ・くるり)がわからないうちから文字に取り組 んで、文字への苦手意識や拒絶感を持ってしまっていませんか?
・手指は分化して十分に機能していますか?

 子どものイライラやあせりは、こちらの言葉がけや態度、対応の仕方で徐々に緩和されます。

 一度に文字をたくさん書かせようとする、子どもは「文字を書くことは大変なこと」という認識を持ってしまいます。書くことに不慣れなうちは、書く量を加減してあげましょう。

 線(画)の構成がわからないうちに文字を書かせると、子どもは一文字を書くのに相当な集中力と神経を要してしまい、これも一文字書くことが重労働となってしまいます。まず、縦線や横線の模倣、十字形の模倣、それらとまるの組み合わせなどを大きくきれいな色で楽しく描く学習を繰り返し行わせてあげましょう。「見る」という学習の基礎機能を十分に育ててあげることです。

 鉛筆を正しく持つほどに手指の機能が発達しているでしょうか。腕で書く段階から、手首から先で各段階、手指で書く段階、お子さんはどの段階にいるでしょうか。マスの中にはみ出さずに書くためには、手指を器用に動かして書くことができなくてはなりません。まずは「書く」という学習の基礎機能を十分に育ててあげることです。

 つまずきを発見する、どこで子どもがつまずいているのか分かれば、指導者も納得して学習を進めてあげることができるのです。

 info@zoukei-rythmique.jp  造形リトミック教育研究所
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