発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

47.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:学習機能を育てる

47.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:学習機能を育てる
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
  造形リトミック教育研究所  

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 わかれば楽しいのに、「わかる」ことの妨げとなっている原因の2つめ:
「見る・聞く・読む・書く・数える・覚える、という学習の基礎機能が形成されていない。」

 「わかる」ためには、学習の基礎機能が備わっていなくてはなりません。造形リトミックの創始者である玉野良雄は、「特殊教育は0ステップの教育です」とかつて言っておりました。「読み・書き・数える」という学習の第1ステップの前に、まず第0ステップの教育が大切です。

 発達テストに「垂直線模倣」という課題がよくあります。検査者が子どもの前で縦線を描いて見せ、「これと同じように描いてください」という課題です。「そんなの簡単!」と思われるかもしれませんが、知的障害や発達障害の子どもは、そこでつまずくことが少なくありません。

 この課題をクリアするためには、どんな機能が備わっていなくてはならないのでしょう。

 ・学習態勢(机に向かって取り組もうとする意識)
 ・指示に向かう力(相手に注目し聞こうとする意識)
 ・指示を理解する力(言語理解力・判断力)
 ・見る力(中心視・焦点化)
 ・何が描かれているかを見る力(認知力)
 ・長さや方向などそこから情報を得る力(認識・分析力)
 ・記憶する力(見てから、記憶して描く)
 ・描く力(筆具を持つ機能、目と手の協応性)

 ざっと並べてもこのくらいあります。これらの基礎機能を形成せずに、「縦線くらい描けるでしょ!」「ほら、よく見て!」「もう1回!」というような指導が行われると、「わかる」「できる」どころか、学習嫌いになってしまいます。

 まる・3角・4角など図形の弁別ができていないのに、名称を教えようとする指導。
 手指がまだ分化していないのに鉛筆持ちをさせようとする指導。
 手指での書字がまだできていないのに、マスの中に書かせようとする指導。

 毎日の学習において、このような無理を子どもに強いてしまうという誤りはないでしょうか。

 今日のテーマである原因の2つめは、原因の3つめ「つまずきがどこなのか見つけられていない」と表裏の関係にあります。次回に、もう一度逆の視点からも考えてみたいと思います。

info@zoukei-rythmique.jp  造形リトミック教育研究所
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