「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「体感で、理解」
おはようございます。所沢教室の塚田です。
特別支援学校高等部3年生のM君、教室には幼稚園の時からお通いです。
いつも朗らかで、教科の学習もしっかりこなすことができます。
今年度の目標は、「自分の気持を伝えられること」です。
先日、ステージアート制作中、ハサミでパーツを切る作業の前に、講師が、
「この部分ののりしろは、のりをつけるので切らないでおいてね」と指示したところ、のりしろを指差し真剣な眼差しで、
「ここ、切りたい」とはっきりした声で伝えてきました。
のりしろを切るとどうなるか、サンプルを見せるべきだったのですが、
M君が自分の気持ちを伝えられたことがとても嬉しくて、思わず、
「切りたいのなら切ってみていいですよ」とあえて止めませんでした。
いつもは指示通りのことを黙々とこなすM君でしたが、今回は意思表示をしっかりしました。
とても新鮮でした。きっと何か理由があったのだと思います。
そして、やや“寸足らず”になったパーツを貼り付けてステージアートが完成。
M君もその工程を見て、のりしろの意味を体感で理解した様子でした。
ほんの少しだけ不格好にはなりましたが、講師にはその作品がとても特別なものに思えました。
◇ワンポイント・メッセージ
M君の感性と講師の感性が共に機能して、良い結果がもたらされたのですね。M君は、パーツの印刷された台紙にあるラインは、とにかく切りたかったのでしょう。実線と点線の違いはあるのですが、「ラインは切る」というM君のルールに則った行動ですね。講師はそこに、「意思表示出来るように」というM君の目標に見合う成長を感じ、M君の意思を受容したところが良かったですね。見眼の良い作品を仕上げることよりも、その制作を通して何を体験させるか、ということの方が優先されることもあるのです。