「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳
*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー
おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。
よくアプローチという言葉を聞きます。広辞苑には、以下のようにありました。
アプローチ【approach】
接近すること。働きかけること。「希望する会社に―する」
学問・研究で、対象への接近のしかた。研究法。「自然科学的―」
門から玄関までの間。また、その通路。
陸上競技・スキーのジャンプの助走。スタートから踏切までの間。助走路。
ゴルフで、グリーンに近い地点から打つ打ち方。アプローチ‐ショット。
私はその言葉に、「いろいろな方法である目標に近づく」といったような感じを持ちます。
時に目標に向かって立ち止まって方法を思案するときに、私はいつも○×の二進法的な考え方だけでなく「△」を心して考えるようにしています。ずば抜けた方法とか、ダントツな方法いうのはなかなか難しいので、少しずつ近づくという意味でこの「△」を大切にしています。
いろいろな課題や問題を解決していく方法はひとつではなく、複数あります。
療育においても、その中で今その子どもに最も適した方法はどれかと考えてひとつを選択していくわけです。
ある方法を選ぶということは、別な見方をすればそのほかの方法を(とりあえず)選ばないということです。そこには、あるひとつ方法を選んだプラスと他の方法を選ばなかったマイナスというものが常にあります。
いつも「100点や100%をねらう」というような固い考え方でなく、まず気持ちをゆったりともちましょう。そして多少遠回りになっても、とりあえず今一番良いと思われる方法を選ぶというゆとりが大切です。
また補助線志向もそのような考え方のひとつです。本当はまっすぐ進みたいが、道がないので一度右に折れてそれから左に折れて目指すべき道に進む、という考え方です。直線距離と道のりのような関係です。鳥なら、まっすぐ飛んでいけますが、人やワンちゃんは道に沿って目的地をめざします。
たとえば富士登山を考えてみましょう。体力に自信があれば、一合目から徒歩で登っていくのもいいでしょう。多少不安であれば、五合目まで車で行ってそこから徒歩で登っていく方法もあるでしょう。もしかすると、頂上に立つことが目的であればヘリコプターという選択肢もあるのかもしれません。
約二十年ぐらい前に、大学院の仲間数人で富士登山をしました。その中に台湾からの留学生で非常に行動的で何でも良くできる女性がいました。ただ足が悪かったので、松葉杖をいつも使っていました。ふだんは侍のように背中に松葉杖をかついで三輪のバイクに乗り、歩いている私たちを横目にあっという間に風のように通り過ぎて行ったものです。
さてこのようなメンバーで、どのようにして富士登山という課題を乗り越えるか。この時は頼りになるダントツ頭も体格もよく、その上行動力もある兄貴分のような友達がいましたので、彼がいつもその場その場で一番合ったアプローチを考えてくれました。
私たちはとりあえず行けるところまで行こう、という考えで登り始めたのです。途中から彼が彼女を負ぶったり、馬を使ったりしてどうにか七合目まで登ったことを昨日のようによく覚えています。
たとえ頂上につけなくても非常に大きな満足となりました。頂上にたどり着けなかったということでは、結果としては「△」だったのかもしれません。しかし、そのことが大きなプラスになるというケースはたくさんあります。私達としてはそのプロセスはとても楽しく、今でも鮮明な思い出となっているのです。
・・・実はこの彼は常に私のお手本でもありました。ドーマン法というアウトサイドのメソードにほれ込んで一時アメリカの本部のスタッフとして勉強していました。帰国後は落馬した競馬の騎手の意識の回復に彼の仲間と二人で立ち向かい、
かなり奇跡的なところまで回復させたのです。どの医療機関からも回復不能と言われていたケースでした。
回復に至るまでには計り知れない苦労と努力があったことでしょう。でも同じアプローチでも心底ほれこんで信じて実行するアプローチは、たとえ遠回りでも大きなすばらしい力を持っていますね・・・。
*絵は「大地・山・空・太陽・雲」という絵描き歌です。造形リトミック教育研究所のオリジナルです。「絵描き歌」は最初に誰が考えついたか、どんな思いでつくったか は想像するしかありませんが、未知の可能性を秘めている世界です。たった1分 たらずで、ほとんどだれでも楽しく描けるというのはすばらしいアプローチですね!!
info@zoukei-rythmique.jp 造形リトミック教育研究所
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