発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

46.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:意識の態勢

46.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:意識の態勢

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
  造形リトミック教育研究所  

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 学習態勢、体の態勢が整えられたら今度は意識の態勢です。机の上の学習の課題に、意識を向けさせるためにはどうしたらよいでしょう。

 まずは、机の上に目を引く課題、気を引く課題を広げておきます。こちらから何も言わなくても、子どもが「何だろう?」と思うような教材をです。

 造形リトミックの教室では絵を描くことを基礎教育として行っていますから、絵画から学習に導入することがよくあります。一人ひとりの子どもの好きな絵をパステルカラーで描いたものをトレース用教材として広げておきます。

 その絵は、果物だったり、かわいい動物だったり、大好きな乗り物だったり・・・。課題にするものの写真を画用紙の片隅に貼っておくことも、効果的です。

 学習を絵画(リズム造形・歌唱造形)から始めることの理由はそれだけではありません。音楽に乗って、歌いながら描くことは、気持ちや体に「整ったリズム」を生じさせます。またメロディを感じることによって、気持ちや意識が活性化されます。

 その上、歌うことや描くことを通して、微細な動きを引き出し活発化させます。言ってみれば、学習をはじめるに当たってのウォーミングアップです。そこから学習への意識が集中していきます。毎回の学習のはじめも、「楽しい」から、「簡単」からのスタートです。

 学習がスタートしたら、生徒さんの様子を見ながら指導に変化をつけていきます。課題を深めたり、少しやさしくしたり、具体物やパソコンを使ったり、書く(描く)ことを続けたら、話すこと(発声)に変えたり。

 生徒さんの無理のない集中時間を知って、課題を転換していくことも大切です。

 幼児や小学校低学年頃までは、学習の態勢作りが目標の半分を占めることが少なくありません。そこであせらずあわてず、いらいらせずに、上記のような工夫をして学習態勢を育てていけば、その後の学習はとても楽になり楽しいものとなります。

 教師の多くの生徒さんは、ブースに入り何も置いてない机に向かって講師とのご挨から学習を始めることができます。走って教室に来てくれたり、学校を休んでも教室に来てくれることは嬉しいことです。

 このようにすれば、1ヶ月(4回の授業)も経てば幼児でも40~50分の授業に取り組めるようになります。


 ご家庭では、はじめはもっと短い時間で構いません。5分・10分・・・からはじめましょう。プリント1枚・2枚・・・からでもいいのです。

 教室から、宿題も出しますが、「叱らないでやってきてくださいね」「子どもさんが、宿題中にふらっといなくなったら、そこまででいいですよ!」「お母さんが叱りたくなったら、そこで宿題ストップ!でいいですよ」と言葉を変えその点、繰り返し念を押しています。

 この約束を守ってくれたご家庭のお子さんは、本当に喜んで学習に取り組んでいます。楽しいから宿題もがんばれる、だからお母さんも叱る必要がない・・・というプラスの循環が生まれます。

 学習意識の態勢を育てる、はじめはこちらの工夫と辛抱が必要ですね。

 info@zoukei-rythmique.jp  造形リトミック教育研究所
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