ロンドンの下町。花を売り歩いていた女性イライザは、通りすがりの言語学教授ヒギンズに言葉の訛りを指摘され、彼の提案で訛りの矯正と淑女になるための礼儀作法を教わることに。そして、ヒギンズの家に住み込みながら厳しい指導を受けるイライザ。彼女はやがて、上流階級の貴婦人として競馬場へ赴き、社交界に華々しくデビューする。ところが、淑女らしさにますます磨きをかけていたある日、ヒギンズの研究対象にされていたことを知り、ショックを受けたイライザは彼のもとを去ってしまう…。
WOWWOW ★★★
1964年公開のこの映画、名作の誉れ高いのですが現在観てみるととんでもない映画でした(笑)1964年に制作されるにあたって、原作は1912年にジョージ・バーナード・ショーによる戯曲「ピグマリオン」です。バーナード・ショーはギリシア神話に登場するピュグマリオーンというキプロスの王をモチーフに書きました。
ウィキペディアのコピペです
現実の女性に失望していたピュグマリオーンは、あるとき自ら理想の女性・ガラテアを彫刻した。その像を見ているうちにガラテアが服を着ていないことを恥ずかしいと思い始め、服を彫り入れる。そのうち彼は自らの彫刻に恋をするようになる。さらに彼は食事を用意したり話しかけたりするようになり、それが人間になることを願った。その彫像から離れないようになり次第に衰弱していく姿を見かねたアプロディーテーがその願いを容れて彫像に生命を与え、ピュグマリオーンはそれを妻に迎えた。
確かに男のロマンかもしれません。現在なら「監禁」して「飼育」するって、まるでエロ映画のような感覚かもしれません・・・ちょっと違うかな?(汗)
しかし、この神話をもとに戯曲化した「ピグマリオン」を原作として「マイ・フェア・レディ」を作り、それが大ヒットしたってことは・・・1964年当時の女性はこういうのを望んでいたのでしょうか。もちろん現代でもそういうのを望む女性が全くいないとは思えません。この映画のヒロインイライザも自ら望んで教授の門を叩いたわけで、そういう意味では「自分を変えたい」と積極的な姿は現代風なのかもしれません。
ま、このことはいいとして
私がめちゃ気になったのはヒギンズ教授の罵詈雑言とその態度です。ありえません。
わたしが観たバージョンの字幕翻訳のせいかもしれませんが、基本的にはこういう女性蔑視のキャラなのです。「どうして女は男のようにふるまえないのか?」なんて真剣に考えるのなんて面白い限りです。
ヘプバーンも確かに花屋さんのおこぼれの花を拾っては売り歩くような、言葉遣いも態度も同しようもない娘で、だんだん「付け焼き刃」も堂に入ってくるにしたがって、めちゃきれいになりますし、それこそフェアレディになるのですが、自分の実験成果に満足した教授の態度ったら(笑)
話は変わりますが、ジュリアローバツの出世作「プリティウーマン」はこの「マイ・フェア・レディ」をモチーフとした作品ですが、これはラブコメディの雰囲気ですし・・・って、実はこれもすでに30年以上過去の作品です。マイ・・・が1964年公開、プリティが1990年の公開。もっともマイ・・・のお話の舞台は1910年頃ですが。わたしが言いたいのは2作品の間には26年時間が経っていて、プリティから現在では31年も経っているということです。
ひょっとしたら「プリティウーマン」も現代では受け入れられないのかなぁ(笑)
さんざん嫌な思いをして観た「マイ・フェア・レディ」でしたが、「オチ」での教授のセリフと仕草で一気に気分が晴れました・・・ツンデレってやつですな(爆)
それにしても・・・教授のセリフはひどい(笑)
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