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脳梗塞の予防のための生活習慣や最新治療法を紹介

健康づくり

寝たきりの原因1位!「脳梗塞」を寄せ付けない

心筋梗塞と同じく、いつ襲ってくるかわからない怖い病気に脳卒中があげられます。実は寝たきりの原因の第1位でもあり、中でも特に多い「脳梗塞」は夏にもぜひ注意したい病気。ここからは脳梗塞の予防のための生活習慣や最新治療法を紹介します。

目次
  • 教えてくれたのは、平野照之(ひらの・てるゆき)さん
  • 突然発症し、寝たきりの原因にもなる脳卒中。その7割が脳梗塞です
  • 脳梗塞の、代表的な3つのタイプ
  • あなたの脳梗塞危険度をチェック!
  • 見逃したくない、“前触れ発作”
教えてくれたのは、平野照之(ひらの・てるゆき)さん



杏林大学医学部付属病院脳卒中センター長。杏林大学医学部教授。1988年、熊本大学医学部卒業。同大学第一内科、国立循環器病センター、豪州メルボルン大学、大分大学などを経て、2014年から現職。専門は脳卒中医療。日本脳卒中学会理事、日本神経学会代議員など多くの学会の要職に就く。著書(監修)に『脳卒中の再発を防ぐ本』(講談社刊)がある。

突然発症し、寝たきりの原因にもなる脳卒中。その7割が脳梗塞です

脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つに分けられますが、このうち一番多いのが脳梗塞。突然、脳の血管が詰まって半身まひや言語障害などに見舞われます。



キャプション出典:厚生労働省「平成29年患者調査」

■脳卒中の患者数(111万5000人)
・脳梗塞 70%
・脳出血 13%
・くも膜下出血 4%
・その他 13%


2017年の患者調査によると、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の推計患者数は111万5000人。中でも一番多いのが脳梗塞で、全体の7割を占めています。

脳梗塞の、代表的な3つのタイプ

脳梗塞にはいろいろなタイプがありますが、代表的なのは3タイプ。脳の中の細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」、脳の表面を走っている太い血管が動脈硬化によって塞がってしまう「アテローム血栓性脳梗塞」、そして心臓にできた血の塊(血栓)が脳に流れ着いて血管を詰まらせてしまう「心原性脳塞栓症」です。



■アテローム血栓性脳梗塞
脂肪などでできたお粥のような塊(アテローム)が血管壁に沈着して動脈硬化が進行。そこに血栓が詰まって血流が途絶える。

■心原性脳塞栓症
心房細動によって心臓内にできた血栓が脳に流れて血管を詰まらせる。重症化しやすい。高齢になるにつれ増加。

■ラクナ梗塞
脳の奥の髪の毛ほどの細い血管が詰まる。高血圧が主原因。症状は比較的軽いが、繰り返し起こることも。日本人に多い。

「女性の場合、60代くらいからラクナ梗塞が増え始め、70代頃にはアテローム血栓性脳梗塞が、さらに80代になると心原性脳塞栓症が多くなる傾向があります。心原性脳塞栓症は心房細動という不整脈が原因で、高齢化に伴って患者数が年々増加しています。大きな血栓が太い血管を突然塞いでしまうので重症化しやすく、一度の発作で死亡したり寝たきりになったりする人も少なくありません」と、杏林大学医学部付属病院脳卒中センター長の平野照之さんは説明します。

実は脳梗塞を含む脳卒中は、「要介護5」(寝たきり)になる原因の第1位。命が助かっても後遺症のために、その後の生活に大きな支障を生じかねないのです。
「また、ラクナ梗塞を繰り返すうちに認知症の症状が出てくるなど、脳梗塞が認知症の原因になることも少なからずあります。逆に言うと、脳梗塞にならないことが認知症予防にもつながるということですね」と平野さんは言います。

あなたの脳梗塞危険度をチェック!

脳梗塞を起こしやすいのは、高血圧や心房細動、脂質異常症、糖尿病などの持病がある人、脳卒中になった肉親がいる人。また、片頭痛持ちや妊娠糖尿病になったことのある人も、発症リスクが上がるとの報告があります。下記のチェックリストに心当たりのある人は、特に注意しましょう。

チェック項目は以下の10個です。
□65歳以上
□脳卒中になった肉親がいる
□高血圧
□不整脈(心房細動)
□脂質異常症
□糖尿病
□肥満
□喫煙・過度の飲酒
□前兆を伴う片頭痛
□妊娠糖尿病や妊娠高血圧腎症の既往歴

女性の場合は、光が見えるなどの前兆を伴う片頭痛や妊娠糖尿病などにも要注意です。チェックした数が多いほど発症リスクが上がります。

見逃したくない、“前触れ発作”



脳梗塞の症状は、片方の手足がしびれる、顔の片側がまひするなど、体の片側に現れるのが特徴。他に、ろれつが回らない、物が二重に見える、まっすぐ歩けないといった症状も、代表的な初期症状です。

■脳梗塞の代表的なサイン

・片方の手足がしびれる、力が入らない
・顔の片側がしびれる、まひする
・ろれつが回らない、言葉が出てこない
・相手の言うことが理解できない
・物が二重に見える
・視野が半分欠ける
・ふらつく、まっすぐ歩けない
・めまいや嘔吐がある



なお、「一過性脳虚血発作(TIA)」といって、これらの症状が出ても数分から24時間以内にすっかり消えてしまうことがあります。血栓が自然に溶けて元に戻るのですが、怖いのはその後。数日から数か月以内に本格的な脳梗塞に見舞われる危険があるのです。この“前触れ発作”を見逃さず、できるだけ早く治療を受けることが重要です。

脳梗塞はひとたび発症すると重い後遺症を残すことがあり、予防こそが重要。次回は脳梗塞を遠ざける8つの習慣をご紹介します。

取材・文=佐田節子 イラストレーション=おおの麻里 構成=大矢詠美(ハルメク編集部)

※この記事は雑誌「ハルメク」2021年2月号を再編集、掲載しています。

雑誌「ハルメク」公開日:2022.08.23 更新日:2022.09.16

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