第15回「陰謀暴く天狗面」(新発田)
越後新発田藩の若殿が、天狗の面をつけ乱暴狼藉。領民達は戦々恐々。その若殿の素顔は格之進と瓜二つ。
越後新発田藩の若殿が、天狗の面をつけ乱暴狼藉。領民達は戦々恐々。その若殿の素顔は格之進と瓜二つ。
一年前に死んだ嫡男である兄の死に疑問を抱く老公。遠乗りに出た若殿が、兄と同じ場所で事故に遭うが、危うい所を助けられ、格之進が身代わりで城内へ。お世継ぎ騒動に揺れ動く悪の企みを、老公が叩き潰す身代わり天狗の大活躍。
出演者
水戸光圀:西村晃 佐々木助三郎:あおい輝彦 渥美格之進:伊吹吾朗
鬼巌坊:山本昌平 かげろうお銀:由美かおる 風車の弥七:中谷一郎
うっかり八兵衛:高橋元太郎
雪姫 :吉野真弓 千鶴:安永亜衣 柘植の飛猿:野村将希
丁字坊:志賀勝 鳥海坊:佐藤京一(以上一~九話まで)
お葉の方:中島ゆたか 長瀬丹波:根上淳 美鈴:千野弘美
脚本:芦沢俊郎 監督:矢田清巳
サンテレビ 9/19月20:00〜20:54
月曜時代劇 水戸黄門(第19部)
北大路欣也が魅せる時代劇の神髄 多くの俳優が堅物イメージも…カッコいいだけじゃない、親父らしさと人情味 「名奉行!大岡越前」
2022/09/20 06:30 (夕刊フジ)
奉行姿も凛々しい
北大路欣也は、歴史上の人物を数多く演じてきた。日本のテレビ放送開始直後の1959年には「源義経」で牛若丸を演じている。当時は生放送。まさに日本のテレビの歴史とともに歩んだ俳優といえる。68年にはNHK大河ドラマ「竜馬がゆく」で主演。「広い天下に躍り出たいんじゃ!」とバリバリの土佐弁で元気のいい竜馬を熱演。その後も柳生十兵衛、真田幸村、斎藤道三、昨年の大河「青天を衝け」では、幕末の物語に解説役の徳川家康役で登場し、話題になった。
ユニークだったのは、実在の町奉行を演じたシリーズ「名奉行!大岡越前」(テレビ朝日系)。
南町奉行大岡越前守忠相(北大路)は、堅苦しいのが苦手で、着流し姿で町を歩き、何よりの楽しみは夜の街でうまい酒を飲むこと。与力の笹倉采女(金田明夫)らをハラハラさせるが、実は推理力と行動力も兼ね備えた男だった。唯一の弱みは娘の香織(水橋貴己)だ。忠相は、物知りの門番与平(奥村公延)、密偵のおりん(涼風真世)、熱血の若い同心・池田大助(富田翔)らとともに江戸を騒がす事件に立ち向かう。
多くの名優が堅物イメージで演じてきた越前だが、北大路の忠相には、お白州のカッコよさとともに親父らしさと人情味がある。健康を心配する香織に「父上!」と叱られてはてへへと逃げ回る姿は、とても現代的。CMで犬の父を演じる北大路の持ち味であるおちゃめさが出ている。私はしばしば現場を取材したが、水橋、富田ら若い俳優たちとの共演はよい刺激になると語る北大路の明るさが印象に残っている。
第一シリーズ第9話「御落胤騒動一件」では大名家に生まれながら、双子だったために指物師夫婦の子として育てられた正太(小林翼)を、跡取りを亡くした大名家の奥方(濱田万葉)が取り返しにくる。「大岡政談」でも知られる逸話だが、子の気持ちや養母との絆も考えず、自分勝手な主張をする実母を、忠相が叱るのだ。
小林は、かつて北大路の「子連れ狼」で息子大五郎役を演じた名子役。小林は育ての母への愛を見せて、泣かせた。橋爪功の語りと加藤登紀子の主題歌「今があしたと出逢う時」にも大人ムードが漂うシリーズだった。 (時代劇研究家・ペリー荻野)
■北大路欣也(きたおおじ・きんや) 1943年2月23日生まれ、79歳。京都市生まれ。父は市川右太衛門。2007年に紫綬褒章、15年に旭日小綬章を受章した。
■名奉行! 大岡越前 テレビ朝日系で第1シリーズは05年4月18日〜6月20日で全10回。第2シリーズは06年4月18日〜7月18日で全10回。
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