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マダニが媒介する感染症「SFTS」

マダニ媒介ウイルス感染症、87歳男性が死亡…日常的に畑の草刈り作業
2022/06/05 07:45 (読売新聞)

 熊本県は3日、熊本県上天草市の男性(87)がマダニを介して発症する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染し、死亡したと発表した。同県内では今年初めて。

 県によると、男性は5月24日に発熱の症状で受診した。28日に熊本市の病院に入院し、30日に血液検査などで感染が確認された。6月2日に容態が急変して亡くなった。刺し口などはなかったが、日常的に畑の草刈り作業などをしていたという。

 県健康危機管理課は「森林や草地に入る場合は、肌の露出を少なくしてほしい」と呼びかけている。

※ 表紙タイトル画像 マダニ 【読売新聞社】

「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について

(関連ニュース記事をまとめました)

2011年に初めて特定された新しいウイルス(SFTSウイルス)による感染症。

2009年に中国で症例が報告された。

日本では2013年1月に海外渡航歴のない方がSFTSに罹患していたことが初めて報告された。
山口県で50代女性。風邪の症状に加え、脇の下のリンパ節が腫れ、手足が脱力し、白血球と血小板が著しく減少していた。入院治療の甲斐なく、4日目(発症から7日目)に出血性ショックで死亡。死後の検査でSFTSウイルスと確定。

13年には4類感染症(全数報告義務)に指定。

21年には千葉県で関東初の患者が確認。

その後、九州、四国、中国、近畿を中心に毎年60~100人程度の患者が確認され、最近は、街中の公園や郊外の貸農園での被害など東日本でも増加傾向。

感染状態
SFTSウイルスを保有しているマダニに直接かまれて感染。
マダニにかまれて感染した動物(野生、屋外で飼育されている動物)の体液などから感染。
SFTSに感染したイヌやネコを診察した獣医師が感染した事例など感染患者の血液や体液との接触感染も報告されている。

屋内に生息するダニ(コナダニ類・チリダニ類など)はこの疾患とは無関係。

潜伏期間は6日~2週間程度。

主な症状は発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)が中心、倦怠感、リンパ節の腫れ、出血症状なども見られる。

致死率は10~30%程度でウイルス感染症としては高く、日本ではこれまで70人以上が亡くなっている。

SFTSウイルスには、抗ウイルス薬などによる治療法はなく、対症療法が主体。
「ファビピラビル」(商品名アビガン)は動物実験で治療効果があることが示されているが、現時点では、SFTS患者に対する治療効果は証明されていない。

人に直接的な被害をもたらすのはマダニ、ツツガムシ、ヒゼンダニなどに限られる。
 
マダニもさまざまな病気を媒介。
日本国内に限れば「ライム病」、「野兎病」、「日本紅斑熱」、「ロシア春秋脳炎」(ダニ媒介性脳炎)、「重症熱性血小板減少症」の5つ。

日本には46種類のマダニが生息している

イエダニやチリダニ類のように家屋内に生息する小さなダニではなく、野山や河川敷など野外に生息する大型のダニ。

幼虫、若虫、成虫のすべてのステージで動物から吸血する。

日本ではヤマトマダニ、シュルツェマダニやフタトゲチマダニなど、46種類ほど。

体長は幼虫で0.5〜1mm、若虫で1〜2mm、成虫は2〜8mmで、種類によって大きさがかなり異なる。

日本で最大級のタカサゴキララマダニは、オスで6〜7mm、メスで7〜8mmもある。

吸血すると腹部が膨大し、10〜20mmの大きさに達することもある。

外皮が硬く(指では潰せないほど)、しかもすべての種が生涯にわたって吸血性という特徴を持っている。

吸血性のダニは、ほかにツツガムシくらい。約30種が人の皮膚に寄生して吸血することが知られる。

マダニは雑草や低木の葉の裏などに付着している

寄生する相手が通過するのを辛抱強く待っている。
適度な湿度があれば、1年以上、吸血せずに生きている。
ジャンプ力がないため、人や動物が葉に擦れないと乗り移ることができない。
乗り移ると、ゆっくりと移動しながら吸血しやすい場所を探す。 
場所を定めると、小さい顎で皮膚をかじって、少しずつ切り破る。
穴が開くと、口下片と呼ばれる細長いストロー状の器官を真皮に達するまで差し込む。
口下片には「返し」が付いていて、簡単には抜けない。
セメント様物質と呼ばれる成分を分泌し、口下片を完全に固定してから吸血する。

幼虫で約3日間、若虫で約1週間、成虫では1〜2週間、口器を皮膚に刺し込んだままで吸血を続ける。

十分に血を吸って満腹になる(これを「飽血」と表現します)と、皮膚から脱落して落ち葉の下などでじっとしている。

吸った血を養分として、幼虫であれば若虫へ、若虫であれば成虫へと脱皮して成長する。

雌の場合は土の中で産卵して一生を終える。

刺されても気づかない

体長数mmもある大きなマダニが皮膚に食い付くと、痛いと思われがちですが、ほとんど痛みを感じない。これは、マダニが口器を皮膚に刺し込むときに、皮膚感覚をまひさせる物質を注入するためだと考えられている。

マダニが吸い取る血の量は、体重の約100倍と言われている

猛烈なスピードで消化吸収しつつ、自分の体も作っていく。
吸血前には小さかったマダニが、わずか数日の間に一気に成長する。
その不思議についても、よく分かっていない。

好んで下半身に寄生するカサゴキララマダニ

マダニには、種類によって好みの寄生場所があり、全身に寄生する。
山林や緑豊かな公園などに行った後は、入浴のときに全身をよくチェックする。
犬や猫の毛にしがみついていたマダニが、家庭内で人に寄生することもあり、ペットを室内で飼っている人も安心はしない。

マダニかなと思ったら、素手で引きはがそうとせず、皮膚科で採ってもらう

口下片が皮下に残って、炎症などトラブルの元になる。

感染を防ぐには、マダニに刺されないこと

アウトドアの際には、長袖・長ズボンで肌の露出を避け、ディート入りの虫よけスプレーを使うなどの対策を。
ペットにも、マダニよけの飲み薬を与える。
ペットが感染すればヒトにうつる心配がある。
ペットの毛に取りついたマダニが帰宅後、飼い主や家族に寄生するケースもある。

虫除けスプレーの使い方

虫よけスプレーは市販品のみ。
日本で売られているのは、ディートとイカリジンという2つの成分のもので、ディートは最も高濃度のもので30%、イカリジンは15%。
濃度は持続時間に関係していて、効果の高さとは関係ありません。
高濃度のものでも、汗をかいたり衣服で擦れたりすると、商品の説明書に書かれている持続時間が期待できないこともある。頻繁にスプレーをする。
イカリジンは子どもOKだが、ディートは濃度で制限がある。
30%は12歳以上が使える
12%は6カ月以上2歳未満は1日1回、2歳以上12歳未満は1日3回。
ディートとイカリジンでは守備範囲の虫も異なる。
ディート12%は、小児の場合、顔への使用は禁止。
成人が顔に使う時は、手のひらに取って、目や唇の周りをよけて塗る。

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