【薬剤師が解説】花粉症に効果的な食べ物は? おすすめ食事や対処法を紹介!
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花粉症の症状に悩む方は多く、薬による治療に加えて、日常の食生活を見直すことで症状の軽減が期待できる場合があります。
食べ物には、花粉症などのアレルギーに関連する「免疫系」をサポートする栄養素が含まれており、特定の食品を取り入れることで体内環境を整える助けになるのです。
本記事では、花粉症に効果的とされる食べ物や栄養素について薬剤師の視点から解説し、おすすめの食事や商品、症状を和らげるための対処法を紹介します。
食事の工夫で少しでも快適な春を迎えるために、日常に取り入れやすいヒントを見つけてみましょう。
花粉症を緩和・解消するには
花粉症の症状を緩和・解消するには、薬の服用だけでなく、日常生活におけるさまざまな工夫が大切です
まず、花粉の飛散時期には外出を控えたり、マスクやメガネを着用して花粉の侵入を防ぎましょう。
また、体内の炎症反応を抑えるために、抗酸化作用のある食品やビタミン類を積極的に摂取することも有効です。
さらに、適度な運動や質の良い睡眠を取ることで体調を管理し、花粉症の症状を軽減する手助けになります。
この記事では、具体的な対策について詳しく解説していきます。
花粉対策のための生活習慣
花粉をできるだけ体内に取り込まないためには、日常生活での工夫が重要です。
外出する際はマスクやメガネを着用して花粉の侵入を防ぎ、帽子や衣服もできるだけ肌を覆うものを選ぶと効果的です。
また、外出先から帰宅した際は、玄関で衣服や髪に付着した花粉を払い落とす習慣をつけましょう。
室内では、花粉の飛散が多い日には換気の時間を短くし、窓を閉めることが有効です。エアコンのフィルターの定期的な掃除も忘れずに行い、室内の空気を清潔に保つ工夫をしましょう。
さらに、布団や洗濯物は外に干すことを控え、花粉が付着しないようにすることも大切です。
加湿器を利用して室内の湿度を保つことも、空気中の花粉を落とす効果が期待でき、症状の緩和に役立ちます。
毎日の生活にこれらの対策を取り入れ、花粉の影響を最小限に抑えましょう。
食事での花粉症対策
花粉症の対策として、食事における栄養バランスを整えることが有効です。
特に注目されるのは、ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸の摂取比率です。現代の日本では、欧米型の食事が普及し、ω-6脂肪酸を多く含む食品(リノール酸、大豆油、ヒマワリ油、コーン油など)が増加しています。これらの食品を多く摂取すると、アレルギー反応を促進するロイコトリエンが生成され、アレルギー性鼻炎の症状が悪化する可能性があります。そのため、これらの食品の摂取はできるだけ控えるようにしましょう。
一方、ω-3脂肪酸はアレルギー反応を抑制する効果があるとされ、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)を豊富に含む魚介類(特に青魚)を積極的に摂取することが推奨されます。また、亜麻仁油やチアシードなどの植物由来のω-3脂肪酸も取り入れると、n-6:n-3比を改善し、花粉症の症状軽減につながる可能性があります。
さらに、アルコールは血管を拡張させ鼻閉を悪化させるため、花粉症患者は控えめにするのが望ましいです。
乳酸菌やオリゴ糖などの補完代替食品も、腸内環境を整え、免疫反応を安定させる働きがあり、ヨーグルトなどの発酵食品を日常的に摂取すると良いでしょう。
これらの食材を取り入れ、バランスの取れた食生活を心がけることで、花粉症の症状を軽減することが期待できます。
運動と睡眠でアレルギー反応を抑制
適度な運動と睡眠は、アレルギー反応の抑制に具体的な効果をもたらします。
適度な運動はNK細胞やT細胞の活動を活性化し、炎症を抑制することでアレルギー症状を軽減します。さらに、抗炎症サイトカイン(IL-6やIL-10)の分泌を促進し、アレルギー反応の制御を助けます。適度な運動は呼吸器の機能も改善し、花粉の吸入刺激を減少させます。
一方、定期的な激しい運動は鼻炎や鼻閉症状を悪化させる可能性が報告されています。そのため、例えば週に150分程度のウォーキングやジョギングなどの適度な運動を心がけましょう。
また、睡眠は免疫細胞の修復と再活性化を行い、免疫バランスを保つために重要であり、アレルギー反応の過剰発生を抑えます。人によって適切な睡眠時間は異なりますが、目安は7~8時間です。
花粉症に効く食べ物
花粉症の症状を軽減するためには、食事に含まれる栄養素にも気を配ることが大切です。
特に抗酸化作用や抗炎症作用を持つ食材が効果的です。
ビタミンCが豊富な柑橘類やキウイは、免疫機能をサポートし、体内の炎症を抑えます。
ビタミンDを含む魚類は、アレルギー反応を和らげる効果が期待でき、緑茶やブロッコリーに含まれる抗酸化物質は体の酸化ストレスを軽減します。
さらに、ヨーグルトなどの発酵食品は腸内環境を整え、免疫バランスを改善することで花粉症の症状緩和に寄与します。
これらの食品を日常的に取り入れることで、花粉症対策に役立てましょう。
花粉症が悪化する食べてはいけない食べ物・飲み物はある?
花粉症の症状を悪化させる可能性のある食べ物や飲み物について、具体的な例を挙げると、以下のようなものが該当します。
まず、加工食品には添加物や保存料が多く含まれ、これらがアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
また、アルコールは、特にビールや赤ワインに含まれる成分がアレルギー反応を悪化させることがあります。
さらに、高糖質飲料(炭酸飲料や甘いジュースなど)は体内の炎症を促進し、免疫力を低下させる可能性があります。
こうした食品や飲み物を控えることで、花粉症の症状を軽減することが期待できます。
各項目について詳細に解説していきます。
加工食品
加工食品には多くの添加物や保存料が含まれており、これらが免疫システムを刺激し、アレルギー反応を悪化させる可能性があります。
特に、トランス脂肪酸を多く含む食品は、免疫機能に負担をかけるため避けるべきです。例えば、スナック菓子やファストフード、冷凍食品にはトランス脂肪酸が多く含まれており、これらは炎症を促進し、アレルギー反応を悪化させるリスクがあります。トランス脂肪酸の摂取は、全身の炎症を示す指標である「Systemic Immune-Inflammation Index(SII)」の上昇とも関連しており、花粉症などのアレルギー症状を増強することが報告されています。
加工食品を避け、できるだけ新鮮な食材を使った食事を心がけることで、免疫機能の維持やアレルギー反応の抑制につながるでしょう。
アルコール
アルコールは血管を拡張させ、これにより鼻腔の血流が増加し、鼻づまりを悪化させることがあります。特に花粉症の症状を持つ人にとって、鼻づまりやくしゃみが強くなることが指摘されています。
さらに、ビールや赤ワインにはヒスタミンが含まれており、この物質はアレルギー反応を引き起こす原因の一つです。ヒスタミンは、アレルギー反応時に体内で生成される化学物質で、炎症を引き起こします。ワインやビールの摂取により、体内のヒスタミン濃度が上昇し、アレルギー症状が増幅される可能性があります。
また、アルコールはジアミンオキシダーゼ(DAO)という酵素の働きを抑制することが知られており、この酵素は通常ヒスタミンを分解する役割を持っています。アルコールの摂取によりDAOが抑制されると、体内でヒスタミンの分解が進まず、花粉症の症状が悪化する可能性があります。
したがって、花粉症のシーズン中はアルコールを控えることが、症状緩和に役立つでしょう。
高糖質飲料
砂糖を多く含む飲み物は、体内の炎症を促進し、免疫力を低下させる可能性があります。高糖質の飲料を摂取すると、血糖値が急激に上昇し、インスリンの過剰分泌を引き起こします。これが結果的に炎症性サイトカインの生成を促し、体内での炎症反応を強化する可能性があります。
さらに、頻繁な高糖質飲料の摂取は、免疫システムを弱化させ、アレルギー反応や感染症への抵抗力を低下させることも報告されています。
例えば、コーラやエナジードリンクなどの甘い飲料の過剰摂取は、体内での酸化ストレスを増加させ、免疫機能を妨げることがあります。
また、砂糖の過剰摂取は、腸内の善玉菌のバランスを崩し、腸内環境の悪化に繋がります。
腸内環境の乱れは免疫系に直接影響を与え、花粉症などのアレルギー症状を悪化させる可能性があります。
したがって、砂糖を多く含む飲み物を避け、より低糖質で栄養価の高い飲料を選ぶことで、花粉症の症状を軽減する助けになるでしょう。
執筆者、監修者:薬剤師
根本 真吾
※ 2024/11/1 EPARK くすりの窓口
のコラム記事から引用しました。参考になれば幸いです。
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