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英国騒音旅行記 2005/7/20~7/27

2005-08-16 11:49:17 | 日記

 このところの英国は海外旅行地としてはフランス、イタリア、スペイン、ドイツなどと比べてあまり人気がないようだ。その最大の理由は食べ物が美味くない、あるいは物価が高いのでお買い物の楽しみがないなど、その理由は色々でしょうが、そのかわり、とにかく"7月のヨーロッパ・ツアーとしては比較的安い"という理由だけで英国に行きました。

サミットの後だから安心などと思っていたら、何と実に”グッドタイミング”に、”同時多発テロ(05/07/07)”が起こってしまいました。これでツアーは中止となるかなと思いきや、なんのなんのツアー会社はそんなことにはめげません。中止などの連絡は一切無しで、催行となりました。私自身も、むしろテロの直後ですから警備が厳しくて、返って安全ではないかと思っていたくらいです。

 ところが、ところが、到着と同時に第二のテロ(05/07/22)が起きてしまいました。

到着後当面はロンドンから離れ北の湖水地方へ上っていきました。TVのニュースでは連日事件を報道していましたが、観光客的にはテロの影響などは全く感じられませんでした。添乗員の話では、「とにかくロンドンの規制状況などの詳細はロンドンに行ってみなくては判らない」とのことでした。


 道路と家並み

イギリスの郊外の高速道路の沿線は何処を切り取ってもゴルフ場になるような景色でした。日本的に言えば「牧場」なのです。全体的には、むしろ、なだらかな草原or高原と言った方が良いでしょう。

片側三車線の高速道路を走るバスの沿線は、決してここだけの“観光地”ではありません。羊、牛、時たま馬の群れがノンビリと草を食べていました。こうした日本で言えば北海道のイメージに近いような景色が延々と続きます。地図を見れば、イギリスは緯度的には北海道より北で樺太辺りになります。

騒音被害者としてはどうしても騒音発生状況にまずは「目が」行ってしまいます。高速道路沿いには基本的に家並みはありません。日本に良くある沿線の道路騒音問題などはとても起きそうもありません。更にこれは来てみて初めて気付いた事ですが、私達が走った高速道路には低周波騒音の騒音源でもある橋梁、トンネルなどが一切有りません。これは恐らく国土全体に起伏が少ないためでしょう。

高速道路を降りると直ぐ判るのですが、イギリスでは十字路の交差点はほとんど無く、信号のないロータリー、「ラウンドアバウト」がほとんどです。これは一応日本人的には面倒と思いますが、左折のみなので、運転者は右側のみを注意していれば良いので、信号に起因した大きな事故は起きないのではと思われます。”運良く”信号が青で突っ切るような事ができないので、むしろ安全とも言えます。更に田舎や小さな街では直線道路がほとんど無く、道は基本的に「ウネウネ」としている上に狭く、従って見通しが悪く「暴走」などとてもできそうもありません。それは建物自体が100年以上に渡って残されているわけですから、当然、昔のままの家並みならず「道並み」も残されている訳ですね。日本なら当然、区画整理やバイパスなどで消えているはずの家並みで、日本で残っているのは“歴史的景観地区”などのようなところだけなのではないでしょうか。


左の写真は今では“観光地”となっていますが、特別に観光地ということで環境を保存している訳ではないように見えますが実は多分それなりに保存の手を加えているのでしょう。これらの街の人は“観光地”という意識が薄いのか、むしろ観光地に「なってしまって」迷惑という感覚が強いのか、格別早朝というわけでもないのに人気(ひとけ)がほとんどありませんでした。“お土産“さんも有るには有ったのですが、見事に閉まっておりました。また、相当遠くに駐車場があり、ここまでたどり着くには「地道」をかなり歩かなくてはなりません。また、こんなに狭い道でも左右に「歩道」がちゃんと有る点は「歴史」としか言いようがありません。

私が小学生だった40年以上も前の社会科の教科書には、「イギリスの道路の舗装率が90%以上」とあり、子供心にイギリスは凄いなーと思ったのを思い出してしまいました。当時私の家の前の県道がやっと舗装されたかどうかというところで、それまでは毎日砂埃に悩ませられ、日に何度も部屋の中を掃除し、夏でも道路側の窓は閉めておかなくてはならなかったのです。当時の日本の舗装率は忘れてしまいましたが、少なくとも30%以下だったように記憶しています。そのころからこの“田舎道”は舗装されていたのでしょうね。ひょっとしたら石畳だったかもしれませんが。


自販機

もう一つ日本の道路沿いや町中では何処でも目に付く「自販機」が有りません。これは私がこれまでに行った数カ国でも同様です。自販機と言うのは日本の風物なのかも知れません。もちろん今のイギリスもそうです。有るのは空港などに限られています。地下鉄の駅などにももちろん有りません。もちろん繁華街にも有りません。ではどうするかと言えば、田舎では売店や町はずれのコンビニで人の手から買うのです。コンビニはやはり少し安いですね。これを単に日本的に人件費の無駄、あるいは“不便”と考えるか、あるいは、”景観の維持””雇用の確保”と考えるか、「専門家」に聞きたいところです。


天候

出かける前に「イギリスの天気は一日の中に四季が有る」という事で一体全体どんな服装で行くべきか随分迷ったのですが、将にその通りでした。

到着後最初の訪問地(オックスフォード)の現地ガイド(どう見ても70過ぎの“女性”は何時の頃か判らないようなブーケの付いた麦わら帽子を被り、ひらひらのブラウスとスカートで、決して、日本的に「おばーさん」という雰囲気ではありません)の「数日前までは25°もあって暑かった」との話しは本当で、滞在中に昼間でも20°を越える事は少なく、夜は15°を下回るくらいで、朝晩は秋の気配漂う感じでセーターと上着が必要でした。
 
結局、昼間の自分の活動状況に応じて上物を脱ぐという事になりました。見渡せば、コートの人もいれば、Tシャツ一枚という人もおり「個人の感覚」によりけりと言う事でしょうか。ここらからも「個人主義」が芽生えるのではないかと考えてしまいます。「一億総ナントカ」等と言う我が国とは根本的に異なります。気候風土が人間の感覚に影響を与えるのは当然でしょうが、モノの見方、考え方に大きく影響するのは無理からぬところでしょう。

どうもイギリスは、冬以外は年中日本の春秋のような気候なのでしょうか。結局年中同じ様な服装で良いという事になるのでしょう。

ふと、これは花たちにとっても同じことであり、年中似たような花を咲かせておく事が可能なのでしょうか。ですからイギリスでは「ガー

デニング」が盛んなのでしょうね。日本では既に季節はずれのアジサイやバラがが多くのところで満開でした。

室外機

朝、郊外のホテルの窓から見たらピーター・ラビットさながらの野ウサギが跳ねていました。つられて外に出たら直ぐ裏に広がる麦畑に消えていきました。ついでに近くの住宅街を散歩しました。エアコンが無いのは聞いていたのですが、更にボイラーなどの室外機の類が全く見あたりません。これでは近隣騒音問題は起きそうにありません。屋根の上にもソーラーなんぞ全然見あたりません。その替わり煙突が多くの家に立っていました。煙突から暖炉かなとも思ったのですが、そこにはTVのアンテナが付いており、単なる飾りかなとも思ったのですが、煙突の先が黒くなっているのもあり、まんざら飾りだけでもないようでしたがどうなのでしょう。

お湯

これは気候風土によるモノが大でしょうが、イギリス人はあまり汗をかかない、と言うより「かく」必要が無いのでしょう。ですからでしょうか、日本人のようにほとんど毎日風呂にはいるような事はなく、シャワーが基本だそうです。これはアメリカの話として聞いたのですが、留学した日本人が毎日風呂に入っており、「余程日本人は体が汚いのか」と“誤解”されたそうです。現地ではバスで体を洗うのは余程体が汚れて場合に、体を「洗濯」するような時だけだそうです。確かに湿度が低く、私も日本にいるようにベットリとした汗をかくことはありませんでした。でもやはり毎日”風呂”に入りましたが。

日本人は風呂にはいるのが習慣化しているのでホテルに泊まるとみんなが一斉に風呂にジャージャーとお湯を入れるのでお湯が直ぐに出なくなります。これは昔イタリアで旅行したときに経験しました。何故風呂水が出なくなるかというと、それはホテルと雖も、余程近代的な大きなホテルでも無い限り、日本のように必要に応じてガスボイラーで湯を沸かして供給するのではなく、お湯を沸かしておいて“屋上”のタンクに溜めておき、それが無くなってしまえば、「お終い」と言うわけではなく、またワカしているからだそうです。従って、「そう言う時は“朝”バスを使って下さい」と言うのが添乗員の話でした。

この給湯の仕組みはもちろん一般家庭でもそのようです。また、暖房もスチーム暖房が基本で、上記のタンクのお湯を時々湧かして回すのだそうです。従って、日本のようなボイラー点火時の爆発音や給湯時のドーッという音は無い訳です。


 料理

イギリスでは有名な料理である「フィッシュ・アンド・チップス」ですが、格別大したモノでなく、文字通り、魚のフライにポテトが添えて有るだけです。ところが、これを家庭で作る事はほとんど無いそうです。基本的にイギリスの家庭では揚げ物や炒め物などの料理はしないのでしょう。ロンドンで解ったのですが、英国ではイタリアンや中華がご馳走のようです。今は日本の回転寿司がブームでした。それもそのはず有名デパートのハロッヅの地下のカウンター寿司は日本的には「上」位で4000円でした。何はともあれイギリス人は、食事の多様性より、台所の綺麗さをとったのでしょうか。
 それと、とにかく食事に生野菜は全然出ません。一度だけウサギの餌のような葉っぱがお印程度に出ただけでした。これはロンドンへ行って初めて解ったのですが、メニューではサラダの方がサンドイッチより高いのです。花はできても葉物の栽培が難しいのでしょうか。栄養学的には多いに問題有りと思うのですが…。後で聞けば、「ビタミンなどは煮物から十分とるから葉っぱは格別に必要にない」そうです。

”犬口密度”50%を越える住宅地で、日々近隣の犬の吠え声、鳴き声に苦しめられている私としては犬の名産地のイギリスにはさぞかし犬がウジャウジャ居るのではと思っていたのですが、あに図らんやその姿はほとんどみませんでした。旅行中に見た犬は実に散歩中の三頭のみでした。何れもワンとも吠えませんでした。私の近隣のようにせせこましい住宅地で我も我もと“愛犬”を飼って、吠えたいだけ「自宅の庭」で野放しに吠えさせているのは日本の特有現象のようです。犬は狩猟ができるような広大な敷地を持つ貴族か、広大な牧場を持つ牧場主が飼うモノなのでしょうね。


建物

一般人の家は煉瓦がポンポンと積んであるような造りで非常にヤグイものでした。屋根は郊外では薄く割ったような石が置いてあるだけのようで、良く落ちないモノだと思うくらいでした。結局「地震と台風が無い」と言う事で、如何に造りがヤグくても何百年も保ってしまうのでしょうね。戦争で廃墟になっても残るのでしょうね。木造では手を入れ無ければ残りません。

その分壁紙などの内装に凝るのでしょうね。要は外装、内装とも構造的にはそれ程でもなく、そのため、実は、隣、上下階の音は丸聞こえに近いのでしょうか。しかし、その分騒音には逆に非常にうるさく、うるさいような場合は直ぐに文句が来るのでしょう。ですから逆に居るのか居ないのか判らないくらい静かに暮らすのが基本なのでしょうね。

この住宅状況は大都会のホテル以外ではホテルでも同じで、私達が泊まったシェークスピア出生の地ストラドフォード・アポン・エイボンの三つ星ホテルでも同じでした。イギリスでは古い「格式」のあるホテルほど人気だそうです。でも、少なくとも設備面から言えば日本の一流ホテルは全て5つ星クラスと言えましょう。


しかし、ここで、少し“社会学的”に考えてみますと、実は100年以上が当たり前と言うイギリスの建物の状況から考えると、30~40年しか保たない日本の昨今の建物は「不動産」とは言え、実は紛れもない単なる“消耗品”であり、“動産”な訳です。しかも、それは、日本人が一生を費やさなくてはならないような“高価”な“消耗品”です。努々、建物は、”不”動産という言葉に騙されてはいけません。

更にイギリスの土地は王室を始めとする貴族がほとんど所有し、一般人はそれを長期(100年とかそれ以上)で借地するのだそうで、土地所有の意識は日本人のようにはないようです。と言うより不可能なのでしょうね。

この街がそうなのかどこもそうなのか確かめる術がなかったのですが、散歩の途中に不動産屋を良く見たので、日本のように窓に張られた不動産広告を眺めてみました。庭付きの一戸建てで3~4千万円どころが最多でした。これは借地権と上物の値段という事になりますね。基本的には上物の値段という事になります。そう考えれば、私の近辺の建て売り住宅の標準では50~60坪程度の土地に40~50坪の建物が付いて3~4千万円と言うのと比べるとイギリスの住宅は“高い”ような気がします。更に、日本の場合、上物の値段は基本的に総額の半分以下ですから更に“高い”事になります。

しかし、現実のところ、日本の住宅は20年も経てば上物の価値は無くなるどころか、むしろ、取り壊し費用分を差し引かねばならなくなり、マイナスの価値を持つ事となります。バブル以前なら土地の値上がりがこの分を補う以上に有ったはずですが、当面これを望む事はできません。更に聞くところではイギリスではこのところ基本的に“戸建ての新築”を認めないそうですから、建物の価値は“償却”しないわけです。

 更に借地という事もあり、土地への執着が無いと言うより、所詮自分のモノではないのですから、自分、家族の生活の状態に応じて家移りをするのが基本だそうです。従って、家は元々自分で造るようなモノではなく、一時的に住み、必要に応じて「売買するモノ=動産(?)」と言う感覚なのでしょう。従って、住人は何時かは売るであろう建物の商品価値を落とさないように綺麗に大事に住む事が非常に重要な事となるわけです。ここらの状況が家庭料理を”阻害”しているのかも知れません。


ホテル

ホテルですが、地方では、ストラッドフォーオドですが、まー、日本で言えば妻籠・馬篭の宿などを想像して頂ければ良いのですが、それはそれで良いのですが、実は私にとっては“恐ろしい代物”でした。

それは部屋に入った瞬間私を襲った「轟音」でした。一体全体この轟音は何かと、2階の一番外側の隅の部屋でしたので非常口を開けてみて超ビックリ。何と、1階から超大型のレンジフードが”私達の部屋目掛けて”「ドードー」と排気をしているのです。

当然私としてはこれでは眠られないばかりか、有無を言わせぬ勢いで部屋の変更を求めました。

部屋に来た、添乗員も流石に「これは酷い音です」とフロントに掛け合ってくれたのですが、運悪くこの日はちょうど土曜日で、部屋は全て塞がっているとの事。泣きたくなる思いでした。

とにかく、一体全体この「排気筒」は何かと問えば、「1階の調理場のモノである」とのこと。「ならば一晩中排気をするわけではなかろう」と、終了時間を問えば、「午後9:30には終了する」との事。それならば、それまで室内から逃げ出すしかないと、疲れた体を引きずって街を放浪するしかなかったのでした。

この散歩で気付いたのですが、夜間のこの街には騒音というモノが全く有りませんでした。長い通りで、唯一聞こえた「騒音」の元を訪ねてみると「肉屋の換気扇」でした。それが聞こえるくらい静かなのです。


幸いこの時節は野外演劇が開催されており、午後10:00まで、全然内容と言うより、英語ではあるのであろうが聞き取れない本場物のシェークスピア劇を鑑賞することとなりました。轟音の御陰と言うべきでしょうか。多分シェークスピア劇は日本で言えば歌舞伎のようなモノに当たるのではないかと自分なりに勝手に考えて納得しておく事にしました。彼の生涯を見てみると(1564-1616)ですから、家康(1542-1616)と 同時代人なのですね。

ではお前は普通の英語は解るのかと言われる困るので正直に言っておきますが、ロンドンに行くならミュージカルを見るべきであると言う事で見た「WE WILL ROCK YOU」の英語も四分の一、いや五分の一、いや十分の一くらいしか解りませんでしたが、話しの筋はどうかこうか解りました。多分誰でも解るのでしょうが、冗談らしいところが全然笑えないのは仕方有りません。ダフ屋から買った、ど真ん中の前から2番目の席で7000円くらいは拾いモノでしたでしょうか? 少なくとも、その内劇団四季が日本語でやるのよりはお値打ちだとは思うのですが。

左は翌朝捉えた「犯人」の全容です。左下の大型バスからその大きさが想像出来るのではないでしょうか。挙げ句に“日本人的には考えられな

い状況”で「自分の家側に排気口が曲がっています」。騒音被害者は“哀れにも”この御陰で少なくとも「他人に騒音を撒き散らす」事はないと思ってしまうのでした。ウーンこれは市の条例か何かで決まっているのではないかと考えるしか仕様がありません。

一日本人的観光客としては非常に理解に苦しむ、いや怒り心頭のところです。しかし、排気口を自分の家の壁側に排気すれば日本の多くの騒音被害者は救われる事となることは事実です。



ロンドン

ロンドンはこれまた全く別世界でした。テロの御陰で地下鉄に乗る人が減り、地上で“移動“する人が増え、タダでさえ渋滞している道路が一層の渋滞だそうです。そんなことは知らずタクシーを多用しました。2㎞くらいで1000円でしょうか。高いと思えば高いですが、4人で乗ればそれほどでもなくなります。確かに運転手は噂通り道はよく知っていました。ただし、アクセントを付けてオーバー気味に言わないと目的地も伝わらないのは確かです。我が家の奥さんが「ハロッヅ」と何度言っても通じなかったのですが、私がやけくそ気味に「ヘロッヅ」と言ったら一発でOKでした。

さて、ロンドンでのホテルは2泊でしたが、最初に通された部屋も何と入った瞬間に轟音とまでもいかないもののかなりの騒音がします。何かと窓を開けてみれば隣のビルの大型の室外機が騒音源でした。防音サッシュが付いているのですが、それが斜めになってしまっており幾ら締めてもぴったりと閉まらないのです。とにかくここで2泊ではとても持たないと添乗員に部屋の変更をまたまたお願いしました。さぞかし面倒な客と思った事でしょう。しかし、今回は大型ホテルでもあり、すんなりと部屋を替えてくれました。その部屋も窓を開ければかなりの騒音でしたが、窓をピッタリとロックすればほとんど音は聞こえませんでした。

と言う事で、騒音に思わず的を絞ってしまった旅行記となってしまいました。しかし、得るモノは少なからず有りました。


テロ

話しは飛びまして、このように渋滞が常態であるようなロンドンでオリンピックの開催が可能なのでしょうか?

TVではテロの犯人と間違われたブラジル人が射殺された事件を連日報道していました。これはロンドンに入る前に起きた事件で、ポイントは「走って」逃げたために射殺されたと言う事でした。で、とにかくロンドンでは「走ってはいけない!」と言うのが添乗員からのお達しでした。確かに走る人は公園でジョギングする人以外見ませんでした。しかし、イギリス人はみんな足が長いわけではないでしょうが、少なくともロンドン人は歩くのが速いです(東京人も我々田舎人から見れば随分速いですが)。短足の我々がその速さでついて行くには小走りくらいしないといけません。

しかし、この“犯人”の「射殺」はリュックを背負っていたので、もし離れて撃って、リュックに入っているかも知れない爆弾に当たり爆発するといけないので、捕らえて押さえた上に頭を数発(最初の報道では5発、その後7発に修正)撃ったという事で、このことは日本ではあまり報道されなかったようです。滞在中に、「これは正当である」と警察が明言していたのですから、「ロンドン怖い」の一言に尽きます。


戻ってから新聞を顧みれば(05/07/23 asahi)

 目撃者によると、地下鉄車内で警察官が男に向けて至近距離で計5発を発砲した。男は南アジア系とみられ、野球帽と季節はずれの厚手のコートを着ており、武器らしきものは手にしていなかったという。ブレア総監は射殺事件について、男が警察官の指示に従わなかったために発砲したと、警察官の行動を正当化した。

 やはり、マスコミも最初は情報が錯綜するのですね。私もリュックを背負っていましたが、「薄手のジャンパー」でした。季節はずれの服装もいけません。

<英テロ>誤射男性、デニムの上下姿 警視庁説明は虚偽か(050821)

 先月22日、ロンドン同時爆破テロ事件捜査中の警察官に誤って射殺されたブラジル人電気技師、ジェアンシャルレス・ジメネゼスさん(27)は事件当時、薄手のデニムの上下姿で爆弾を隠し持っているようには到底見えなかったと16日、英民放ITVが報じた。


 藪の中ではない。衆目監視の中での事件である。根は深い。

 


 先進国

  あれこれ考えている折り、週刊誌で、「放浪の大投資家 10年間で資産42倍強」と言うジム・ロジャーズの記事を雑誌で見つけた。

 投資家的の視点から「莫大な財政赤字、人口減少に伴う労働不足の日本には不安材料が多すぎる」と言う事である。

 「解決の選択肢は3つ。
①少子化問題に歯止めをかけるか、
②移民を大量に受け入れる。どちらも嫌なら
③生活水準の低下を我慢するしかない」と述べており、流石世界を股に掛けていると思わざるを得ませんでした。

 イギリスは既に③をしながら、②により①を解決しています(移民の出生率が高いそうである)。

 日本は単一民族に近いので急激な②は難しいでしょうから、①しかないのでしょうが、現状の施策は現実とはまだまだ大きく遊離したモノでしょう。

 当面③しか無いはずですが、これも難しい事でしょうね。

 イギリスの話しをすると「だからイギリスは疲弊しているのだ」等という知人がほとんどですが、間違いなく”熟年国”であり、日本の行き着く先も似たようなモノになるのでしょう。少なくとも私的にも生活のレベルを今の半分くらいまでにはレベルダウンしなくてはならないのですが…。

 



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