人類は、暴力が、大好きな生物だと思う。
子供の頃から、教えられもしないのに、戦争ゴッコをする。
売れ筋のゲームを見ても、相手がゾンビや怪物だったりはするが、デスゲームが多い。
映画もそうだ。
人類の進化の、お手本の筈の、先進国は、人類を何度でも、滅亡させることができるほどの、核兵器を溜め込んでいる。
自由と人権を声高に叫ぶ、アメリカでさえ、日本に核爆弾を落とした前科者だ。
ロシアは、ウクライナに侵攻。
人類から、怒りによる暴力という感情を、消し去ることができる発明をしたら、史上最高のノーベル賞だろう。
人類は、文明を開花させ、文化を創造した、地球上で、最も進化した高等生物。
しかし、その人類は、未だに、同じ種同士で、1対1ばかりでなく、集団で殺し合う、野蛮で凶暴な生物。
自ら発達させた科学の力を、殺し合いの道具の開発に使う。
人類が生きていくために、何の役にも立たない、殺し合いの道具を、いつまでも手放せない。
見方を変えれば、殺し合いに勝つために、科学を発達させてきた生物とも言える。
昔は、「戦争が科学を発達させる」などと言い放った人もいたくらいだ。
人類は、せっかく、言葉や文字というコミュニケーション・ツールを持ちながら、それによって、争いを解決できないと、殺し合いを始める。
厄介で手の付けられない生物。
そんな生物が、70億以上も生息するこの地球に来て、まともに付き合おうと考えるエイリアンなんて、いないだろう。
いや、それどころか、高等な知的生命体のエイリアン故に、私たち人類より、はるかに凶暴かもしれない。
もし、そんなエイリアンなら、地球を訪れる前に、人類を駆除してしまうのではないか。私たちを、食用にしない限りは。
生物が、脳を発達させ、高い知性を獲得するためには、エネルギーを、効率的に生み出さなければならない。
そのため、高い知能を持つエイリアンがいるとしたら、肉食系だと言われている。肉食の方が、より効率的に、エネルギーを獲得できるからだ。
草食系のエイリアンでは、草を食べ続けなければ、活発な脳の活動に必要なエネルギーが得られない。そのため、エネルギー効率という点から、脳の発達に、自ずと限界が生じ、知的生命体にまで至ることはできないという説もある。
肉食系ならば、食物連鎖の頂点に立つ生物となる蓋然性は高く、知性ばかりでなく、捕食に有利なように、体型も大型化し、運動能力も発達する。
地球を訪れるエイリアンがいるとしたら、それは、高い知能を持つ、俊敏な、大型のエイリアンということになる。
人類にとっては、手強い相手だ。
また、一説によれば、高度な科学を発達させていくには、民主的な体制よりも、独裁的な体制の方が、効率がよいらしい。
独裁的な体制で、数千、数万年の進化を経て、地球まで訪れることができる科学レベルを構築したエイリアン。
「合理的で、血も涙もない、大型の肉食系エイリアン」ということか。
そんなエイリアンだけには、遭遇したくないものだ。
しかし、よく考えれば、私たち人類だって、「血も涙もない」と言う点では、合格ラインに達していると言わざるを得ない。
残念だが。