畑ニ居リマス・田舎暮らしPHOTO日記

畑のかえるくんの楽しい日記です。

犬小屋の移動・まどみちお「犬は喜んでいるのだろう」

2012年11月29日 | まどみちお をよむ
最近、チビは右前足が痛くて、よく引きずるようになりました。
元気良く走り回ることもあるのですが、そのあとまた痛そうにしています。
そういうことなので山に行ったら、用心して抱いて帰ることもあるのです。

この間、段の上においてある犬小屋を地面におろしました。
少しでも足首の負担が軽くなるようにです。
ついでに、日当たりの良いところに移動しました。



初冬のおだやかな午前です。
室内のテーブルクロスなどがサッシの窓に反射しています。
そのむこうで、チビくんがあたたかな日ざしのふとんをかけてねていました。

まどみちおさんの「犬は喜んでいるのだろう」の一節。

犬は喜んでいるのだろう
自分がちょうど犬くらいに
犬にして貰えていることだけは

雀も喜んでいるのだろう
自分がちょうど雀くらいに
雀にして貰えていることだけは



で 人間よ
もちろん きみも
喜んでいるのであってくれますように
自分がちょうど人間くらいに
人間にして貰えていることだけは



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朝日・山影・まどみちお「やさしいけしき」

2012年11月22日 | まどみちお をよむ
真昼に仕事に出かけて、深夜に帰るいつもの通勤路。
わが家に近くなればなるほど、すれ違う車も少ない。
夜は、タヌキ、イタチ、ウサギなども見かけるけれど、それは、だいたい私の町に入ってから。

そんなふうにして通っているわたしが、その日、珍しく、早朝に出勤しました。
朝日がさして、山影が谷の向かいの山に映っていました。
いつもの通勤路が鮮やかな風景に変わって見えました。



今日もまどさんの詩の一節、いつもの「やさしいきしき」から。

あちらには 山
こちらには 海

川が 山のたよりをあつめては
マラソンで
海へ おくりとどけ

雲が 海のたよりをあつめては
うたにして
山へ おくりとどけ



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まどみちお「アリ」・水族館

2012年11月21日 | まどみちお をよむ
先週、水族館に行ってきました。
水族館や動物園に行くと、いろんな生きものがいるものだと感心します。
そして、自分も同じ生きもののひとつだというところにたどりつきます。
また、家のまわりが野山なので、草木や昆虫、鳥、ケモノ、生きもののまっただ中、いっしょに生きているなあとも思います。



イカの背中がキラキラ‥。


タカアシガニ。
近海の深海の巨大なカニ、世界最大の節足動物で、生きている化石とも。


深海魚、俳優ならこの顔だけですごい演技力。


まどさんの詩「アリ」を思い出します。

アリを見ると
アリにたいして
なんとなく
もうしわけありません
みたいなことに なる

いのちの 大きさは
だれだって
おんなじなのに
こっちは そのいれものだけが
こんなに
ばかでかくって‥
      



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まどみちお「かに」

2012年11月20日 | まどみちお をよむ


カニがカニッとしているのは嬉しい
カニがそれを気づいていないらしいので
なおさら しみじみと

ああ こんな私も私っとしていることで
だれかを喜ばせているかもしれない
私がまるで気づかないとき
いっそう しみじみと‥

そう思うこともできるんかなあ
と私は私に胸あつくさせた
         ‥まどみちお「かに」



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まどみちお「やさしいけしき」・水滴・血液

2012年11月12日 | まどみちお をよむ
あちらには 山
こちらには 海

川が 山のたよりをあつめては
マラソンで 
海へおくりとどけ

雲が 海のたよりをあつめては
うたにして
山へ おくりとどけ
     ‥まどみちお「やさしいけしき」部分


山のたより、海のたよりの、「たより」とは水のことなのですね。
その水がつくりだすやさしい景色のかずかず。
‥雨上がりの水滴をたくわえたブルーベリーの葉っぱ。



水は、雲になる、雨になる、露になる、霜になる。
草木の中に入り養分を運ぶ。
そしてまた、わたしの体内に入り、酸素や栄養分を運び、汚れも外に運び出す。



これは去年の眼底検査、右の目の血管の中を血液となった水が正常に流れていました。

‥偉大なり、水。


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まどみちお 「はっぱと りんかく」

2012年11月09日 | まどみちお をよむ
雨上がりの朝、水滴が葉っぱをつたっていました。
久しぶりの、まどさんの詩です。







みずみずしい 
はっぱのりんかくのなかで はっぱが

すがすがしい
くうきのりんかくのなかで はっぱが

こうごうしい
じかんのりんかくのなかで はっぱが

そして いじらしい
はっぱのりんかくの そとから
「はっぱ」という にんげんのことばが
   まどみちお 「はっぱと りんかく」 


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まどみちお「レンゲソウ」・田んぼ・今はもう秋‥

2012年10月05日 | まどみちお をよむ


かお よせてみる
このあいらしい花の
まぶしさは
なつかしさは

この花の おくにも
ひとしずく
星のようにともっているからか
すべての いきものの
ふるさとへの 入り口が
‥‥
           まどみちお「レンゲソウ」部分


今は、もう刈り取りもすんで、秋の深まりをまつばかりの田んぼだけど、春はこんな風景だったのだなあ。

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まどみちお「はっぱとりんかく」・大賀ハス

2012年09月27日 | まどみちお をよむ



みずみずしい
はっぱのりんかくのなかで はっぱが

すがすがしい
くうきのりんかくのなかで はっぱが

ういういしい
うちゅうのりんかくのなかで はっぱが

こうごうしい
じかんのりんかくのなかで はっぱが

そして いじらしい
はっぱのりんかくの そとから
「はっぱ」という にんげんのことばが
          「はっぱと りんかく」まどみちお


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まどみちお「スイカの たね」・夏の味覚

2012年09月08日 | まどみちお をよむ
この夏のうちの野菜、有機肥料しかやらないし、酷暑で大きくならなかった。
イノシシやカラスにもとられた。
そんな中で、ちょっと健闘したのが、スイカくん。
切ってみるまでわからないが、黒いタネが出てきてちょうど食べごろ‥。


ひとつぶの
スイカのたね

だれの じゃまにも ならないように
うちゅうを
こんなに 小さく くりぬいて
ここに おらせて もらっている

あの あまい
あの まっかな
あの でっかい
あすの スイカたちの
とうも じゅうごも 二じゅうもの
うずまく いのちを むねに

しあわせそうに
ひっそりと

うらがえせば
ただ うらがえされたまま
    


おいらがペッと吹きだすあのひとつぶの種、来年の夏のスイカとなって、そしてたくさんの種となるかもしれないんだなあ‥。
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まどみちお「ぞうきん」・雨の日

2012年08月27日 | まどみちお をよむ


雨の日に帰ってくると
玄関でぞうきんが待っていてくれる
ぞうきんでございます
という したしげな顔で
自分でなりたくてなったのでもないのに

ついこの間までは
シャツでございます という顔で
私に着られていた
まるで私の
ひふでもあるかのように やさしく
自分でそうなりたかったわけでもないのに
        まどみちお「ぞうきん」部分


台風15号、たいしたことなく過ぎてくれたらいいのだけれど。
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