統合失調症(精神分裂病)と両極性障害(躁うつ病)の話をします。10年前は統合失調症は社会生活ができない病気でしたが、今は新世代の薬ができて、立派に社会生活を送っている人も多いです。結婚もしている方もいます。でも薬は一生手放せません。妄想とか幻覚がでてくるからです。医師が最も難しい病気が両極性障害です。薬のさじ加減を間違えるとソウテンしてしまうからです。
それでも以前よりは社会生活を送る人が多くなりました。躁状態を抑える薬と、うつ状態を抑える薬を間違いさえしなければ、うまくやっていけます。しかしこの二つの病気で入院を余儀なくされるのも事実です。そう転しなければそれほど問題はありませんが、そう転すると高級車を買ってしまったりして、大変なことをしでかしてしまいます。両極性障害がいちばん難しい病気でしょう。
その点。統合失調症は、処方通り薬を飲んでいれば、普通に生きていけます。しかし問題なのは病識(自分が病気であるという自覚)がない患者は、少し良くなると薬を飲まなくなり、また病気が悪化します。そこが問題なのです。幻覚が出てきた状態になると、もう手遅れで、入院の必要があります。