「アユの産卵を見る会」が5日、岐阜市の長良川河川敷で開かれた。
長良川河口堰(ぜき)の影響を定点観測しようと、写真家の新村安雄さん(57)=岐阜市=が毎年、開いており、今年で22回目。
アユの産卵の映像を見ながら、新村さん(右)の説明を聴く参加者=岐阜市の長良川河川敷で
午後4時ごろ、長良橋下流の産卵場がある水深15センチほどの川底に水中カメラを置き、河川敷に設置したスクリーンで映像の観察を開始。水中には無数のアユが命をつなごうとびっしり。黒とだいだいの婚姻色がはっきりと現れた15センチほどの無数の雄がひしめく中に、やや大きめの白っぽい雌が下流から突っ込み、産卵した。
産卵のため雌に群がる黒っぽい婚姻色をした無数の雄=岐阜市の長良川河川敷で
新村さんによると、長良川のアユの産卵時期は、河口堰ができる前は9月中旬から始まり、10月下旬には終わっていた。だが、年々、大きなアユが減り産卵時期が遅くなっており「今年は始まったばかりではないか」と推測。河口堰ができる前よりピークは1カ月ほどずれてきているという。
理由として新村さんは、ふ化したアユの子どもが河口堰により潮の満ち引きが利用できないため、早い時期に産卵する大きなアユの子どもは海に自力で下る前に水温が高すぎて力尽き、遅い時期に産卵、ふ化する小型のアユの子孫だけが生き残っていると指摘する。
新村さんは「県庁所在地の中心でアユの産卵が観察できるのは素晴らしいこと。自然のサイクルに戻すためには河口堰の開門しかない」と話している。
11月06日 中日新聞より
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