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田舎ぐらし(2)

ー それでも除草剤は使わない ―


 1日やって、やっと一坪ほど終わった。

 さすがに考えた。「この調子だと100年かかる!」。思い切って耕耘機を買うことにした。そうなると格納する小屋も必要だ。ワン公だって家を建ててもらっている。角材と杉板を買ってきて、間口1.7メートル、奥行き2.5メートルの小屋を作った。

 耕耘機の爪は土を耕すだけで、茅の根をより分けてはくれない。爪に引っかかった根を地表にかきだすだけである。地表に出てきた根は松葉ぼうきで集めて燃やさなければならない。同じ所を耕やしてはかき集め、耕してはかき集めしているうちに、出てくる根のかけらが大部減ってきた。

 ホームセンターに行けば、根まで枯らすという除草剤を売っている。薬を使えば簡単だし、近所の農家なんかはそうしている。なぜこうまでして薬を使わないかというと、

 第一に、夏青々としているはずのまわりの畑が薬をかけられて茶色に枯れているのを見るのは気分のいいものではない。
 子供のころ遊んで回った野や山の風景に廃油でもぶっかけられたような気になる。生まれ故郷は昔のままだと自分にいい聞かせている。余程のロマンチストである。

 第二に、「現代の生野菜は、農薬の大量使用による土壌の悪化などで昔とはべものにならないほど栄養価が落ちて」いる(下線筆者 「酵素の謎」 鶴見隆史 祥伝社新書 )。
 例えば、ほうれん草に含まれるビタミンCをみると、1950年には100gあたり150mg含まれていたのが、2005年には同じく35mgと4分の一に激減している。栄養価から考えると、えらく高い買い物をしていることになる。

           (次回は ー 野菜は自分で作るに限る ー   )









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