3月2日、3日と宮崎県主催の
「宮崎県木材利用コーディネーター養成講座」
が開催され参加してきました。
(設計事務所が県産材を理解して適材適所に木材を使用する事を目的として行われました。)
宮崎県庁集合
木材の強度試験や製材の現場、
実際の建築物、木材加工工場、木材を山から伐り出す伐採現場など視察して
木造建築を設計、施工する上で勉強になりました。
宮崎県都城にある宮崎県木材利用技術センター
木材の強度や特性の試験データ―を収集して
適材適所に木材が使えるようにされたり、
新しい工法の強度実験など木材を利用するうえで大切なセンターです。
木材は、1本、1本の木の育った環境などで強度のバラツキや変形の仕方など
違ってくるので何本もの試験データ―をサンプルとして蓄えて平均値を出して行きます。
木材の特性についての研修
この研修で 勉強になったのは 木材は、寒い地域の方が
成長が遅く年輪が詰まって密になり強度が高いと思っていましたが
曲げや引張り、圧縮、剪段力などの力で元々の材料からどれだけ伸びたり縮んだか
というヤング係数など様々な力をデータ―化すると
宮崎県は暖かく杉の成長が早く年輪は広くなるけど
杉の油成分が多くなり粘り強さが高くなるそうです。
また、桧と比べてみると全体的には桧が強度は有りますが
杉が上回ったりほぼ変わらない部分も有り
価格や強度を考えると杉でも十分だと思います。
(適材適所で使い分けして行けばいいと思います。)
これは、木材の害虫実験をした杭です。
ヒバ、杉(心材 中心の赤い部分)、桧は殆ど被害が無く
ベイマツの人口乾燥は原型が分からないくらい被害がでています。
強度実験
このような実験を何百何千と行いデーターを蓄積することで
宮崎県産の杉の特性が分かってきます。
次に向かったのは、都城にある製材所です。
杉や桧を主に製材されていて
少しでも無駄の無いように使いきるそうです。
最後に出る端材は、乾燥用のバイオマスエネルギーとして
使い捨てるところは無いと言われていました。
左側の門型からは、霧状の水が出ていて木材の乾燥による割れを防ぐ装置だそうです。
これも、勉強になりました。
乾燥して割れが出てしまうと製品として価値が下がるので
製材して出荷するまでに割れが出ないように水分管理しているそうです。
桧の原木です。
四角い材料を取るために落とした部分
乾燥機、
何週間かかけて乾燥させるそうです。
次に向かったのは、木材の使用事例で宮崎県東諸県郡綾町の綾中学校です。
この建物は、町長の希望で殆どが綾町産の木材が使われ、
綾町の建築会社による施工という事です。
大規模の建築物は、防火や耐火などの規定があり
木造建築とする事ができませんが、
学校での生活環境のため木造にする所が多く
今回初めて、鉄筋コンクリートと木造を構造的に分離して繋げた方法で
建築の許可を取ったそうです。
下の写真のステンレス部分がジョイントになります。
ピンク色の部分が防火戸になります。
屋根の部分に突出している部分が木造と木造の防火区画で鉄骨で出来ています。
次に向かったのは、宮崎市高岡町にある木材加工場です。
木材のプレカットや防腐剤の注入、乾燥、そして集成材の製造をしている工場です。
木材加工工場内
防腐剤注入装置
大断面の集成材
構造計算で計算された金物との接続をするためのボルト穴です。
1日目は、ここまでです。
2日目
木材の伐採現場
宮崎市清武町と田野町の境にある現場です。
丸ではなく四角い木材発見!
初めて見ました。
伐採現場では、林業の社長さんから直接話がきけました。
山から木材を切り出すに当たり、伐採計画書と言うものを土木事務所に提出しないといけないそうです。
しかし、自然相手の仕事なのでその時その時で計画を常に見直さないといけないと言うことでした。
雨が降ると車両が入りやすいところは仕事ができるが、ぬかるむ所は雨の日は仕事ができないので
他の仕事(手作業で出来ること)をしないといけないので計画が変わるそうです。
また、大きい材料を使って家を建てる事が少なくなっているので
直径16㎝~18㎝くらいまでは高く売れるが
それ以上だと逆に安くなるそうです。
曲がった材料や枝が付きすぎていても材料としてはダメのようです。
一昨年建てた伝統工法の家は、大きい材料と曲がった桁や梁で建てるので
製材所に行く前の山から直接買えるようにすれば、
お客様も耐久性のいい太い柱と梁でつくる伝統工法の家が建てやすくなると思います。
次に向かったのは、木材加工工場(仕上げ材)
日南市
これは、浮づくりという加工をした床板です。
硬いブラシとサンドペーパーで表面を研磨することで
柔らかい部分がへこみ木目の部分が残り凹凸ができる加工です。
製品は見たことが有りましたが、加工する機械は初めて見ました。
次に向かったのは、実際の建築物の事例で
日南市にある幼稚園です。
ここは、当初鉄筋コンクリート造や鉄骨造で園舎を建築されていたのですが、
子供の成長に木造がいいと言うことで何年か前に体育館を木造で建築され
今回、地域の子供たちやお年寄りのコミュ二ケーションの場として
八角形のレストランのようなお洒落な建物を計画し建設されたそうです。
欅(けやき)の木を山から伐ってきて
枝を切らずに壁や天井を枝に合わせて作ったそうです。
飫肥杉で作った積木
小さく区切ったことで本を読む人、勉強する人と子供たちが小グループに分かれ
落ち着いた空間になったと言うことです。
遊具
外のデッキと遊具が一体化して
アスレチック遊具になっています。
一番上がハンモックになっていて
寝ながら空を眺めることができ、子供たちに人気スポットだそうです。
鬼太郎ハウスのよう!
初めに建設された体育館
次に向かったのは、CLTという木材を直行させて壁をつくる工場へ行きました。
CLT工法で建てられた社屋
建物の壁の一部を開閉式で見れるようにしてあります。
今回の木材利用コーディネート養成講座の研修、視察はここまで2日間
無事に受講する事ができました。
ご協力していただいた各業者の方々ありがとうございました。
木材に関して知らないことや初めて見る伐採現場や機械、設備機器
そこに携わる方々からの貴重なお話しなどとても参考になりました。
今後の木材を利用する上で活かされる事ばかりです。
また、同行された記者の方から、なぜ木造住宅をされるのですか?
という質問を受け
木の香りや木肌の美しさ、そして人や住環境にやさしい(快適な空間)から
と答えた所
そういう家づくりの想いをお客様に話されていますか?
と言われました。
そう言えば、自分の家づくりに対する想いは
伝えきれていないな~と思いました。
子供のころから木を使った部屋にあこがれ
そういう家を建てる仕事がしたいと思い、工業高校の建築科に進み
高校生の時にテレビ番組で設計士が設計した家の特集を見た時
設計士になろうと思いました。
そして、今 設計士として家の設計から施工をしています。
本当に木が好きな人に
最高の提案ができるよう木について勉強し
少しでもお客様が建てやすい価格で本物の無垢の木材が使えるよう
仕入れから乾燥、加工をしていきたいと思います。
昨年、そういう思いから工場跡地を会社で購入しました。
宮崎県児湯郡新富町大字日置2032-14
日向灘の見える丘です。
前面がゴルフ場で芝生のグリーンや樹木が
借景でとても景色がいいですよ!
丘の上から遠くをゆっくり航行する船が見え心穏やかな時間を
過ごすことができます。
新富町の一ツ瀬川の夕焼け
富田浜
水平線からの日の出!
天気が良くても雲が有ったりして、綺麗な日の出を見れることは少ないですよ!
湖水ヶ池の蓮
この素晴らしい自然がある新富町で仕事ができることに感謝いたします。
お客様のために木の家を一生懸命に設計、施工していきます。
県庁職員の方や一緒に同行された設計事務所の方々
2日間ありがとうございました。
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対応地域:九州一円で設計、施工をしています。
「夢をかたちに 真心こめて」
設計:81一級建築士事務所
施工:81HOUSE株式会社
〒889-1401 宮崎県児湯郡新富町大字日置2032-14
TEL:0983-33-6511
FAX:0983-33-6512
一級建築士
既存住宅状況調査技術者
ヘリテージマネージャー
震災建物被災度区分判定 復旧技術者
宮崎県木造耐震診断士
富永清秀
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e-mail:eightyonehouse81@ace.ocn.ne.jp