駅にたどり着いて尋ねてみたけれども2人ともまだほとんど
聞き取れず、結局指差してもらった方角に向かうよりなかった。
数々の指に導かれそれがあるらしき場所を見ることができた。
陽を受けた麦の穂はキラキラと輝いて広大な麦畑は黄金の海
のようでその中にポツリと島のように森が浮かんでいた。
かつて三国志の英雄の一人張飛は、劉備、関羽と共に乱世に
飛び込む前は肉屋を営んでいて、狩りを終えるとその井戸を使
っていたとのこと。
幹線道路から分かれた未舗装の細い道を進みその森に入ると
雰囲気が変わった。静けさと湿気。道一面にわらが敷き詰めら
れていることが余計に違和感を感じさせた。さらに進むと民家が
見えてきた。森ではなくて村だったのである。ただ人気が無く土色
のレンガを積んだ家だけが見えた。はるか三国志の時代からその
風景は変わっておらず、虎髭・蛇矛の英雄が馬に乗って現れても
不思議ではない気がした。ようやく見つけた村人の指差す先に
「張飛的故井」はあった。早朝出発して自転車をこぎ続けること4時間。
井戸自体は土に埋まり土管の端が覗く程度で小さな碑があるだけで
あったけれど、この村自体が三国志を体感させてくれたような気がした。
帰りは局地的な嵐やパンク等があったがただひたすら黙々とペダルを
こいだ。北京へ北京へと。
上海号の雄姿です。当時は自転車天国だったので幹線道路の
道端には自転車修理屋さんがある程度の間隔で座っていたの
で故障などはそれほど困りませんでした。
上の写真は第2回自転車旅行で明の十三稜へ行った時のものです。
右がモトさん。左が私です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます