【決勝、大村工-佐世保工】5回裏佐世保工2死一塁、末永が右越え適時三塁打を放つ=県営ビッグNスタジアム
第128回九州地区高校野球県大会(春季大会)最終日は10日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで決勝を行い、佐世保工が大村工を4-3で破り、1985年春以来となる52季ぶり11度目の優勝を飾った。選抜大会出場枠の波佐見とともに九州大会(24~29日・鹿児島県立鴨池野球場ほか)に臨む。佐世保工は31季ぶり17度目の出場。
佐世保工は1点を先行された後の五回1死二塁から、植松の一塁線を破る三塁打で同点。さらに捕逸や末永の右越え三塁打などで計4点を奪い逆転に成功した。守っては豊村、松永の継投で大村工の反撃をしのいだ。
大村工は最終回に代打中尾の適時打などで1点差に迫り、2死一、三塁と一打逆転の好機をつくったが、後続が倒れた。
九州大会の組み合わせ抽選会は14日に鹿児島市内で行われる。
▽決勝
大村工
000010002―3
00004000X―4
佐世保工
(大)豊田、藤本-小柳
(佐)豊村、松永-植松
▽三塁打 木場(大)植松、末永(佐)▽二塁打 古川朋(佐)
▽試合時間 1時間55分
(4月11日長崎新聞掲載記事)
古豪、真の復活へ 佐世保工、チームワークでピンチしのぐ
最終回2死一、三塁。佐世保工のリードは1点。長打が出れば逆転のピンチだ。マウンドには九回から登板した松永。普段は表情を変えないという少年の顔がゆがんだ。そんな松永に二塁平島が声を掛けた。「おまえの球ならしのげるよ」
これで肩の力が抜けたのか、松永はカウント1-2から渾身(こんしん)の直球を外角低めに投げ込んだ。打球は一塁を強襲。古川朋はファンブルしたが、二塁平島が一塁ベースカバーに入った松永に懸命のトス。塁審の右手が挙がった。瞬間、三塁ベンチに歓喜の輪ができた。馬場監督は「抜けていれば戦局が変わった」と満面の笑みを浮かべた。
1970、80年代の本県高校球界をリードしてきた県北の雄。白武佳久(元広島)、香田勲男(元巨人)ら多くの名選手も輩出してきた。だが、その後は波佐見や清峰などの台頭もあって低迷。OBでもある馬場監督が就任した4年前は「部員20人。落ちるところまで落ちていた」。
そんなチームに、主将の古川朋ら2年前の佐世保・北松地区の中学選抜メンバー7人が「どうせやるなら清峰を倒すチームにしないか」と意気投合して入部。徐々に力をつけ、今大会は佐世保実や海星などの実力校も倒してきた。
詰め掛けたOBらに「古豪復活」を印象づけた佐世保工。ただ、選手たちは「まだまだ早い」と冷静だ。「九州制覇した時に復活でいいんじゃないですか」(古川朋)。真の復活へ向けて、チームは歩みを止めるつもりはない。
(4月11日長崎新聞掲載記事)
最終回2死一、三塁。佐世保工のリードは1点。長打が出れば逆転のピンチだ。マウンドには九回から登板した松永。普段は表情を変えないという少年の顔がゆがんだ。そんな松永に二塁平島が声を掛けた。「おまえの球ならしのげるよ」
これで肩の力が抜けたのか、松永はカウント1-2から渾身(こんしん)の直球を外角低めに投げ込んだ。打球は一塁を強襲。古川朋はファンブルしたが、二塁平島が一塁ベースカバーに入った松永に懸命のトス。塁審の右手が挙がった。瞬間、三塁ベンチに歓喜の輪ができた。馬場監督は「抜けていれば戦局が変わった」と満面の笑みを浮かべた。
1970、80年代の本県高校球界をリードしてきた県北の雄。白武佳久(元広島)、香田勲男(元巨人)ら多くの名選手も輩出してきた。だが、その後は波佐見や清峰などの台頭もあって低迷。OBでもある馬場監督が就任した4年前は「部員20人。落ちるところまで落ちていた」。
そんなチームに、主将の古川朋ら2年前の佐世保・北松地区の中学選抜メンバー7人が「どうせやるなら清峰を倒すチームにしないか」と意気投合して入部。徐々に力をつけ、今大会は佐世保実や海星などの実力校も倒してきた。
詰め掛けたOBらに「古豪復活」を印象づけた佐世保工。ただ、選手たちは「まだまだ早い」と冷静だ。「九州制覇した時に復活でいいんじゃないですか」(古川朋)。真の復活へ向けて、チームは歩みを止めるつもりはない。
(4月11日長崎新聞掲載記事)