講演者が突然、
司会者の私に、
「あなたは、西田敏行さんに似てますね」
と言った。
急に言われて、
一瞬、止まったが、
「いいえ、私は、石原裕次郎に似ていると、
いつも言われます。」と答えた。
まったく似てませんけど。
後で、加山雄三と言えば良かったかな
と思った。
私たちの時代のヒーローだった。
石原裕次郎は、少し前の大スター。
どことなく暗い映画、
というイメージだった。
テレビドラマ「太陽にほえろ」で
少し明るくなった。
もしもピアノが弾けたなら、
加山雄三の「旅人よ」を弾きたい。
素晴らしい曲だ。
歌詞も素晴らしい。
岩谷時子さん。
風にふるえる
緑の草原
たどる瞳かがやく
若き旅人よ
お見事です。
若い頃、映画館で
何度も見た映画がある。
「ある愛の詩」
以前は、一度映画館に入ると、
そのまま何度も見ることができた。
フランシス・レイの映画音楽が
その映画を切なく支えていた。
では、その映画を
今見るかと言われたら、
多分、見ない。
若さが足りない。
若さゆえ 苦しみ
若さゆえ 悩み
心のいたみに 今宵も ひとり泣く
という歌があった。
若いことはいいことだ。
その映画の中で言われていた言葉が、
とても印象的だった。
その言葉に注目が集まった。
「愛とは、決して後悔しないこと!」
ひょっとして、
後悔する人、
多いのかな。
心もよう
さみしさのつれづれに
手紙をしたためています あなたに
黒いインクがきれいでしょう
青いびんせんが悲しいでしょう
実に、古風な書き出し。
つれづれに
したためています
まさか
平安時代?
紫式部作詞?
私の知り合いに
井上陽水のファンがいた。
歌い方が、
都はるみ風でこぶしが効いていた。
平安時代というより、
まるで昭和。
情熱的だった。
今もそんな歌い方なのだろうか。
雪が散らつく
空もようを見ながら、
なつかしく思った。
年齢を感じる時とは。
草抜きをした時。
孫と遊園地に行った時。
名前を思い出せない時。
アレアレコレコレ。
足の爪を切る時。
なんといっても、
一番感じるのは、
スーパーのレジに
並んだ時。
冷静な顔をしているが、
実は、結構、
心はイライラ。
今は、セルフが増えてきたので、
少しマシだが、
それでも、レジを通らないと、
いけない時がある。
二つのレジがあると、
どちらが早いか、考える。
こっちが早いと思って並んでみた。
ところが、残念。
向こうが早かった。
年をとると気長になるという論理は、
私に関して、
あわい論理かも。
現実は、イライラ。
年齢を感じている。
テレビを見ながら、
妻は相槌をうつ。
わーとか、
大変だねとか。
えーどうしてとか。
別に相槌、うたなくてもいいのに。
静かに聞いておけば良いものを。
私は、
テレビを見ながら、
ニュースの内容に
なぜか文句を言いたくなる。
誰に言いようもないので、
妻に言う。
妻は、
あ〜あ、またか。
と思いつつも、
聞いてあげよう。
という感じ。
夫婦関係には、
涙ぐましい
努力が必要。
それにしても
自分に聞いてみたい。
なぜ、いちいち、
ニュースに文句を言うのか。
静かに聞いておけば良いものを。
それができるなら
そうしたい。