光の当たらない君

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熊本産婆学校

2024-09-30 20:48:00 | 日記
母が独身の頃、
熊本の病院で看護婦をしていた。
よく昔の話しをするたびに、
「実は、助産師の資格も持っていたけど、
一度も赤ちゃんを取り上げたことがない。」
という変な自慢をしていた。

母が亡くなって、
実家の整理をしていると、
驚いたことに、
母の卒業証書が出てきた。
そこには、
熊本産婆学校と書かれていた。

本当に助産師だった。

その古い卒業証書を見ながら、
母のむかし話を思い出した。
しかし、
その卒業証書の古さよりも、その名前の古さに、
不思議な感動があった。

熊本産婆学校。

2024-09-29 14:26:00 | 日記
菊池寛の「形」は、面白かった。
強いと思っていた自分が、
そうでもないことに気づいた時は、
もう遅かった。
 
自分の格好良さも、
たいしたことないことに、
早めに気づくことは、
必要だろう。
 
菊池寛は、
文藝春秋という雑誌を発行し、
芥川賞や直木賞という文学賞を制定し、
今では、非常に名誉ある賞となっている。
 
面白いことに、
週刊文春という雑誌も、同じ会社なのである。
信じがたいが、
実は、そうなのだ。
 
「形」にこだわらない経営方針が、
そうさせるのだろう。
すごい。
としか言いようがない。

家庭訪問

2024-09-27 19:41:00 | 日記
小学生の頃、
年に一度の家庭訪問が、
とても楽しみだった。
学校の先生が、家に来て、
僕のことについて、
話しをすることには、
まったく興味はなかった。

最大の関心事は、お菓子だった。

母は、その時だけは、
特別に美味しいお菓子を用意して、
先生を待っていた。

そして、先生が帰った後、
そのお菓子を食べるのが、
大きな喜びだった。
なぜなら、先生は、いつも、
お茶だけをほんの一口すすって
帰るのが常だったから。

早く来い来い、学校の先生!
とても待ち遠しかった。

その日、その時が来た。
僕は、外で、
先生と母の話しが終わるのを待っていた。
しかし、気が気ではない。
先生の話しではなく、
テーブルの上のお菓子である。

どうしても気になるので、
中をのぞくことにした。
障子に穴を開けて、中を見た。
お菓子は、テーブルの上にある。
いいぞ。

ところが、ところが、
予想外のことが起きた。
先生が、手を伸ばして、
お菓子を食べたのだ。
何ということだ!

僕は、思わず、
「あっ、食べた!」と叫んだ。
先生も母もこっちを見た。

先生が帰った後、
厳しく怒られた。

しかし、お菓子は、残っていた。
先生が食べたのは、
一つだけだった。

ああよかったと思いながら、
残りを食べた。