俳優休業宣言を発表した、ディカプリオ主演の映画ウルフ・オブ・ウォールストリートを観賞
監督はマーティン・スコセッシ。デニーロ主演のタクシードライバーやレイジング・ブルが個人的には印象深い監督ですが、作品は多種多様でストーンズのドキュメンタリーから最近ではフューゴの不思議な発明などファンタジックな作品まで多種多様な作品を生み出して好きな監督のひとりです。ディカプリオもスコセッシ作品には数多く主演をしていて、このコンビがどんな作品を作るか興味深いところでした。
それが何と90年代の詐欺師的証券マンの人生を描き、その弾けぶりに度肝を抜きました。
時は90年代。ブラックマンデーの金融恐慌に揺れるアメリカで、学歴も金もない男が巨万の富を築く証券会社にトップとして君臨し、政府やFBIに目をつけられながら走り抜いた男の人生をストイックに描いています。
お金持ちには付き物の豪邸、高級車、クルーザーにヘリとドラッグ、セックス、職場にストリッパーまで呼んでの乱痴気パーティーと湯水のごとく金を使う狂乱シーンの連続。常識や良識の回路を一時ストップしてみる必要がありますが、ディカプリオ演じる実在のモデル、ジョーダンのカリスマぶりには、何か今の時代にはない熱気を感じます。
また、彼と共に証券会社を築き上げた仲間たちの狂乱とジョーダンへの友情なんかも感じてクラブ活動のような楽しさも感じました。
そんなディカプリオのジョーダンぶりが、半端なく突き抜けていて、3時間にも及ぶ熱演には、いい加減彼にオスカーをあげろよ!と叫びたくなりました。