映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は松坂桃李がオタク青年を演じたコミカル青春映画「あの頃。」です。
本作は今泉力哉監督によるもので成田凌と岸井ゆきの主演の「愛がなんだ」がとても良かったので今回DVDにて視聴することに。
松浦亜弥のMVを観てハロプロのアイドルにはまってしまった主人公劔とハロプロ研究会的な自主イベントを主催する仲間たちの交流と友情を描いたいるのですが、松坂を除けば超個性的な俳優陣にお笑い芸人のコカドケンタロウを加えた仲間たちのハロプロ愛と微妙で奇妙な男たちの友情がコミカルに描かれています。
レビューでは内容の割には長いとの批判もありますが、僕はおもしろく観れました。僕自身は中学生のほんの一時期にアイドルへの憧れがありましたが、当時は親衛隊の存在はごく限られたメンバーで構成されていて特別な存在でした。
現在のアイドルはモーニング娘。の誕生によるその後のAKBへと続くアイドルの作られ方につながっていくのですが、かつての親衛隊とは違うオタクを突き詰めたオタク道の世界が作られています。そんな一ページをこの作品では描かれています。
そして、もうひとつのテーマは仲間の死に向かい合うこと。松坂演じる主人公と同じくらい強いインパクトを見せたのは仲野太賀演じるコズミン。最近とみに演技に深みが増してきた仲野が仲間たちの中で最も自己中心的で、他のオタクとは違うアイドルの幅広さとスケベさが際立っていて中盤から後半に向かい、映画の主人公は彼になっていきます。
そこから男たちの特殊な人間関係がなぜか心を揺さぶってきました。何かに真剣に向かう青春がそこにあります。